今回はヤーコンという野菜についてみていきます。みんなはヤーコンって野菜を知っているか?聞いたことはありますが食べたことはない人も多いんじゃないか?あまりスーパーでも見かけない野菜ですが、どうやら栄養豊富な食べ物のようです。ヤーコンの特徴や栄養、食べると体にどんな効能あるかを管理栄養士のizuと一緒に解説していきます。

ライター/izu

フリーランス管理栄養士izuと申します。食材の良さを引き出してより美味しい食べ方を考えるのが好きです。様々なレシピ考案をする中で、実際にヤーコンを使ったレシピも作っていました。一見さつま芋のような見た目のヤーコン。食感は芋類とは全く違い、シャリシャリとした食感が特徴で、アレンジが楽しい野菜ですよ。

ヤーコンってどんな野菜?

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ヤーコンはスーパーではあまり見かけないので、名前は知っていても実際に食べたことがある人は少ないのではないでしょうか?そんな一見さつま芋そっくりなヤーコンの特徴や栄養価、効能について詳しくご紹介していきます。

ヤーコンの原産地は?

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ヤーコンの原産地は南米・アンデス高地です。2000年以上前からアンデス地方では栽培されていました。日本にやってきたのは1980年代で、当初はあまり浸透しませんでしたが、低カロリーで豊富な栄養成分が注目され、最近ではよく目にするようになりました。

「畑の梨」と呼ばれる理由は?

ヤーコンはほのかな甘みとシャキシャキした食感から、「畑の梨」とも呼ばれます。切り口もみずみずしく、半透明の色をしているので梨のようです。芋の一種ですがでんぷんがほとんど含まれておらず、生で食べることもできるので、お漬物や、サラダに入れて食感を楽しむことができますよ。

ヤーコンはどんな味?

見た目はさつま芋そっくりなヤーコン。味は甘さ控えめの梨のような風味です。そのほのかな甘みの正体はオリゴ糖!しつこい甘さではなくさっぱりとしているので、実はいろいろな料理に使いやすいのです。コクは少なめですがくせがないので、生で食べることもできますし、加熱して自分好みの調味料を使って変化を楽しむことができます。

食べ方としては、ヤーコンやお好みの野菜を千切りにしてマヨネーズやドレッシングで和えたサラダや、豚バラ肉や人参と一緒に炒め物にしたり、青のりを衣に入れて揚げた磯部揚げがおすすめです!

ヤーコンに多く含まれる栄養素とは?

ヤーコンは他の芋類とは違い、でんぷん質がほとんど含まれていません。特徴的なのはフラクトオリゴ糖が多く含まれていること。こちらではフラクトオリゴ糖の効能やそれ以外のヤーコンに含まれる栄養素について解説していきますね。

1.フラクトオリゴ糖

フラクトオリゴ糖は難消化性のオリゴ糖です。胃で分解されず大腸まで直接届くので、糖として吸収されることがなく、血糖値の上昇がほとんどありません。また、フラクトオリゴ糖は腸内に存在している善玉菌のエサになるため、善玉菌を増やし、腸内環境を整える作用があるんですよ。

\次のページで「2.食物繊維」を解説!/

2.食物繊維

ヤーコンに含まれる食物繊維は、腸の動きを活発にして、便秘を解消する効果があります。食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類ありますが、ヤーコンに多く含まれるのは水溶性食物繊維。この水溶性食物繊維は水に溶けるとゼリー状に変化し、保水力が高くなることで排便をスムーズにします。さらには腸内に張り付いた糖質やコレステロールなどを排出させる役割があるんですよ。

3.ポリフェノール

ヤーコンの葉に多く含まれるポリフェノールには抗酸化作用があります。ポリフェノールは血中のコレステロール値を下げ、動脈硬化や高血圧にも効果が期待できますし、シミやしわ、たるみなど美容効果もあるんですよ。

ヤーコンを食べるとどんな効果がある?

ヤーコンには他の芋類とは含まれる栄養素がかなり違うことが分かりましたね。次はヤーコンを食べることによって身体にはどんないい影響があるかを学んでいきましょう。

1.ダイエットの強い味方!

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ヤーコンにはでんぷんがほとんど含まれていないため、他の芋類に比べるとカロリーが低いことは先ほどもご説明しました。さつま芋が100gあたり132kcalに対してヤーコンは100gあたり54kcalなのです。シャキシャキとした食感で食べ応えがある上に、食物繊維の作用で満腹感を感じるため、食べ過ぎを防ぐこともできます。

さらに、フラクトオリゴ糖は糖として身体に吸収されにくく、血糖値を上昇させにくいという特徴があるのに、甘みがあるんです。ダイエット中などで甘いものを控えている時でも、ヨーグルトなどに刻んだヤーコンを入れて食べて満足感を得られそうですよね。

2.便秘改善効果も

ヤーコンに含まれるフラクトオリゴ糖が腸内の善玉菌や乳酸菌のエサになるため、腸内環境が整います。さらに食物繊維が水に溶けてゼリー状になり、余分な脂質や糖を排出する作用があるため、便秘の方にはぜひ試してほしい食材です。

\次のページで「3.血中コレステロール値の改善も期待できる」を解説!/

3.血中コレステロール値の改善も期待できる

血中のコレステロール値が高くなると、動脈硬化を引き起こしてしまします。血中コレステロー値を下げるには、抗酸化作用があるポリフェノールが効果的。ヤーコンには根部だけでなく、葉にそのポリフェノールが多く含まれているんです。葉を乾燥させたお茶にすると、手軽にポリフェノールを摂取でき、血中コレステロール値の改善が期待できます。

また、水溶性食物繊維も腸内のコレステロールの吸収をゆっくりにする作用や体外に排出する作用があるため、ヤーコンにはコレステロール値を下げる役割の栄養素が2つも多く含有されていることになりますね!

ヤーコンを食べる際の注意点は?

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栄養豊富で美味しいヤーコンですが、食べる際に少し注意が必要です。最後にヤーコンの良さを最大限に活用するため、調理の前のひと手間や食べ過ぎに注意する理由を解説していきますね。

調理の前にあく抜きを

ヤーコンは切ってすぐの切り口は薄い黄色ですが、しばらくそのままにしておくと「ポリフェノールオキシターゼ」という酵素で黒く変色してしまいます。味に影響はないですが、色が気になる場合はあく抜きをしましょう。

あく抜き方法は、切った後、塩水か酢水にさらす方法です。ただし、長時間水にさらしていると、ヤーコンの大事な栄養素フラクトオリゴ糖が溶け出してしますので、気を付けましょうね。数分あく抜きをしたらすぐに調理しましょう!

ヤーコンを食べ過ぎるとどうなる?

健康や美容に効果的と聞くと、ついつい食べ過ぎてしまいそうですよね。ヤーコンは食べ過ぎるとどのような影響があるのでしょうか?

ヤーコンに含まれるフラクトオリゴ糖は腸内環境をよくする一方、食べ過ぎると便通が良くなりすぎて下痢になる可能性があります。また、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が胃の粘膜を刺激してしまい、胃にダメージを与えてしまうことも。胃が弱くなっている時や、空腹時にヤーコンを食べ過ぎないようにしましょう。

栄養豊富なヤーコンを食べてみよう!

見た目は芋類に似ていても、栄養成分や食感は全く別物のヤーコン。食感や調理方法も楽しみながら、栄養豊富なヤーコンで腸内を元気にしていきましょう!

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家庭科

ヤーコンは「畑の梨」?食べ過ぎるとどうなる?特徴や栄養・効能も管理栄養士が詳しくわかりやすく解説

今回はヤーコンという野菜についてみていきます。みんなはヤーコンって野菜を知っているか?聞いたことはありますが食べたことはない人も多いんじゃないか?あまりスーパーでも見かけない野菜ですが、どうやら栄養豊富な食べ物のようです。ヤーコンの特徴や栄養、食べると体にどんな効能あるかを管理栄養士のizuと一緒に解説していきます。

ライター/izu

フリーランス管理栄養士izuと申します。食材の良さを引き出してより美味しい食べ方を考えるのが好きです。様々なレシピ考案をする中で、実際にヤーコンを使ったレシピも作っていました。一見さつま芋のような見た目のヤーコン。食感は芋類とは全く違い、シャリシャリとした食感が特徴で、アレンジが楽しい野菜ですよ。

ヤーコンってどんな野菜?

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ヤーコンはスーパーではあまり見かけないので、名前は知っていても実際に食べたことがある人は少ないのではないでしょうか?そんな一見さつま芋そっくりなヤーコンの特徴や栄養価、効能について詳しくご紹介していきます。

ヤーコンの原産地は?

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ヤーコンの原産地は南米・アンデス高地です。2000年以上前からアンデス地方では栽培されていました。日本にやってきたのは1980年代で、当初はあまり浸透しませんでしたが、低カロリーで豊富な栄養成分が注目され、最近ではよく目にするようになりました。

「畑の梨」と呼ばれる理由は?

ヤーコンはほのかな甘みとシャキシャキした食感から、「畑の梨」とも呼ばれます。切り口もみずみずしく、半透明の色をしているので梨のようです。芋の一種ですがでんぷんがほとんど含まれておらず、生で食べることもできるので、お漬物や、サラダに入れて食感を楽しむことができますよ。

ヤーコンはどんな味?

見た目はさつま芋そっくりなヤーコン。味は甘さ控えめの梨のような風味です。そのほのかな甘みの正体はオリゴ糖!しつこい甘さではなくさっぱりとしているので、実はいろいろな料理に使いやすいのです。コクは少なめですがくせがないので、生で食べることもできますし、加熱して自分好みの調味料を使って変化を楽しむことができます。

食べ方としては、ヤーコンやお好みの野菜を千切りにしてマヨネーズやドレッシングで和えたサラダや、豚バラ肉や人参と一緒に炒め物にしたり、青のりを衣に入れて揚げた磯部揚げがおすすめです!

ヤーコンに多く含まれる栄養素とは?

ヤーコンは他の芋類とは違い、でんぷん質がほとんど含まれていません。特徴的なのはフラクトオリゴ糖が多く含まれていること。こちらではフラクトオリゴ糖の効能やそれ以外のヤーコンに含まれる栄養素について解説していきますね。

1.フラクトオリゴ糖

フラクトオリゴ糖は難消化性のオリゴ糖です。胃で分解されず大腸まで直接届くので、糖として吸収されることがなく、血糖値の上昇がほとんどありません。また、フラクトオリゴ糖は腸内に存在している善玉菌のエサになるため、善玉菌を増やし、腸内環境を整える作用があるんですよ。

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