この記事ではパプリカの栄養や特徴についてみていきます。ピーマンと似ているパプリカですが違いは色だけなのか?パプリカには赤、黄色、オレンジなどの種類がありますが、栄養の差はあるのか気になるよな。今回はそんなパプリカの栄養や特徴・効能を、主婦歴35年料理大好きライターの星名利香と一緒に解説していきます。

ライター/星名利香

お料理大好き主婦。美味しい、カンタン、ヘルシーな家庭料理の料理会Health&Beauty クックを主催。食材の栄養を考えながら料理を組み立てて行くのが得意。パプリカは料理に彩りを添える大好きな食材の一つです。30年以上食と健康の仕事に関わってきた経験をもとに食材に関する情報をわかりやすくお伝えします。

パプリカとピーマンとの違いは?

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色鮮やかで形もかわいく、店頭で見かけるとつい手に取りたくなるパプリカ。「ピーマンに似た形だけどピーマンとは違うのかな?」「どんな栄養がある?」など、メインの食材ではないだけに詳しい人は意外と少ないのではないでしょうか?ここではパプリカの歴史と特徴をわかりやすくお伝えします。

パプリカの歴史

パプリカはもともと中南米が原産国ですが、大航海時代にスペイン人がヨーロッパに持ち込みました。その後ハンガリーで何度も品種改良されて、今のような肉厚のパプリカになったのです。

パプリカが食材として注目されるようになったのは20世紀に入ってからでした。1937年にビタミンCに関する研究でノーベル賞を受賞したスザント・ゲオルギー博士が、パプリカに柑橘系に勝るビタミンCが含まれていることを発見したのです。それによりパプリカに注目が集まり欧米の食卓を彩るようになりました。特にハンガリーでは料理に欠かせないものとなっています。

日本ではパプリカの歴史は浅く、初めて輸入されたのは1993年でオランダからでした。現在では、ニュージーランドや韓国からも輸入されています。

パプリカの特徴

見た目が似ているパプリカとピーマンは、ナス科の唐辛子属の野菜で「仲間」と言っても良いでしょう。ピーマンよりも大型で肉厚の品種がパプリカで色の種類も豊富です。パプリカは栄養面でもピーマンより優れていて、特にビタミンC、カロテンは共にピーマンの2倍以上含まれています。生でも加熱しても風味の変化が少なく、ピーマンのように味に苦味がないのもパプリカの特徴です。

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パプリカの栄養って?

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色あざやかなパプリカにはビタミン、ミネラル、ファイトケミカルスなど、私たちの体にとって大切な抗酸化作用のある栄養が豊富に含まれています。ここではパプリカ(赤)可食部100g中に含まれる栄養素を詳しくみていきましょう。

1.ビタミン

抗酸化作用の強いビタミンエースと呼ばれるビタミンA(カロテン)、ビタミンC、ビタミンEが含まれています。また体の代謝に関わるビタミンB群がしっかりと含まれているのも特徴です。血液の凝固や骨の形成に関わるビタミンKも含まれています。ビタミンKはとても大切ですが摂りにくいビタミンなので、意識して摂りたい栄養素の一つです。

カロテン当量   1,100μg
ビタミンE        4.7mg
ビタミンK        7μg
ビタミンB1      0.06μg
ビタミンB2      0.14μg
ナイアシン      1.2mg
ビタミンB6      0.37mg
葉酸      68μg
パントテン酸 0.28mg
ビタミンC      170mg

出典:七訂日本食品標準成分表

2.ミネラル

カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄といった体の調子を整える健康に欠かせないミネラルが含まれています。特にカリウムは体の中の余分なナトリウムを排出する作用があり、ミネラルバランスを整える大切なミネラルです。水溶性なので茹でたり煮たりすると水に溶け出してしまいます。

パプリカは生でも食べられるので、効率よくカリウムを摂取することができるのです。サラダに加えてドレッシング(油)と一緒に摂ることでカリウムの損失を防ぎ、カロテンの吸収を高めることができます。

カリウム    210mg
カルシウム 7mg
マグネシウム  10mg
リン      22mg
鉄    0.4mg

出典:七訂日本食品標準成分表

3.食物繊維

第6の栄養素である食物繊維の中でも不溶性食物繊維が豊富に含まれています。不溶性食物繊維には腸の働きを助けたり脂肪の吸収を抑えたりるす働きがあり、毎日しっかりと摂りたい栄養素の一つです。

不溶性食物繊維  1.1g
水溶性食物繊維  0.5g

出典:七訂日本食品標準成分表

4.ファイトケミカルス

植物が自分の体を守るために持っているファイトケミカルスには様々な種類があり、それぞれ私たちの体にとっての働きが違います。

赤パプリカには抗酸化作用の強いキサントフィルというファイトケミカルスが人参の50倍、トマトの100倍も含まれているのです。代謝をあげるといわれているβ-クリプトキサンチンや善玉コレステロールを増やすカプサンチンが豊富に含まれている事もパプリカの特徴と言えます。

色による違いはあるの?

ビタミン、ミネラル、食物繊維などの含有量は色による違いはほとんどありませんが、β-カロテンは、赤パプリカとオレンジパプリカに多く含まれています。

ファイトケミカルスは植物の色や匂いの元になる栄養素です。パプリカの色の元もファイトケミカルスなので、色により含まれるファイトケミカルスには違います。例えば黄色パプリカには目を守るルテイン、紫パプリカにはルテインと同じ様に目を守るアントシアニンが豊富に含まれているのです。

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パプリカを食べるメリットは?

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栄養豊富なパプリカは私たちの体にとって様々なメリットがあります。主な3つのメリットをみていきましょう。

その1.免疫力アップ

免疫力を下げる原因の一つに活性酸素による免疫細胞の酸化があります。パプリカに含まれるビタミンエースと呼ばれるビタミンA・C・Eはそれぞれ抗酸化力の高いビタミンですが、同時に摂ることによってさらに抗酸化力が高まるのです。またビタミンCやファイトケミカルスも豊富に含まれているパプリカは、免疫力を高めるために積極的に食生活に取り入れたい野菜の一つと言えます。

その2.美肌作り

美肌作りの栄養素といえばまずビタミンCを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?パプリカには紫外線や活性酸素から肌を守るビタミンCが、ピーマンの2倍も含まれています。またカロテンや抗酸化作用の高いファイトケミカルスも肌を守りなめらかにする働きがあるため、美肌作りに役立つ野菜です。

その3.体の酸化を防ぐ

ビタミンA・C・E やファイトケミカルスは、その抗酸化作用で体の酸化を防いでくれます。毎日体の中で起こっている酸化は、私たちの細胞をサビさせ様々な病気や老化の原因になる事がわかっているので、パプリカのような抗酸化作用の高い野菜を食べることは健康を守るためにとても大切です。

栄養豊富なパプリカを毎日の食事に取り入れよう

パプリカは料理の彩りとして楽しむ方が多いと思いますが、実はとても栄養価の高い野菜です。生でも加熱しても栄養価の損失が少なく、風味も変わらないので実はどんな料理にも合います。最近ではパプリカをメインの食材として使うレシピもたくさんあるので、ぜひ毎日の食事に積極的に取り入れてパプリカの豊富な栄養をいただきましょう。

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家庭科

パプリカは色で栄養の違いがある?ピーマンとの違いや特徴・効能も主婦歴35年料理大好きライターがわかりやすく解説

この記事ではパプリカの栄養や特徴についてみていきます。ピーマンと似ているパプリカですが違いは色だけなのか?パプリカには赤、黄色、オレンジなどの種類がありますが、栄養の差はあるのか気になるよな。今回はそんなパプリカの栄養や特徴・効能を、主婦歴35年料理大好きライターの星名利香と一緒に解説していきます。

ライター/星名利香

お料理大好き主婦。美味しい、カンタン、ヘルシーな家庭料理の料理会Health&Beauty クックを主催。食材の栄養を考えながら料理を組み立てて行くのが得意。パプリカは料理に彩りを添える大好きな食材の一つです。30年以上食と健康の仕事に関わってきた経験をもとに食材に関する情報をわかりやすくお伝えします。

パプリカとピーマンとの違いは?

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色鮮やかで形もかわいく、店頭で見かけるとつい手に取りたくなるパプリカ。「ピーマンに似た形だけどピーマンとは違うのかな?」「どんな栄養がある?」など、メインの食材ではないだけに詳しい人は意外と少ないのではないでしょうか?ここではパプリカの歴史と特徴をわかりやすくお伝えします。

パプリカの歴史

パプリカはもともと中南米が原産国ですが、大航海時代にスペイン人がヨーロッパに持ち込みました。その後ハンガリーで何度も品種改良されて、今のような肉厚のパプリカになったのです。

パプリカが食材として注目されるようになったのは20世紀に入ってからでした。1937年にビタミンCに関する研究でノーベル賞を受賞したスザント・ゲオルギー博士が、パプリカに柑橘系に勝るビタミンCが含まれていることを発見したのです。それによりパプリカに注目が集まり欧米の食卓を彩るようになりました。特にハンガリーでは料理に欠かせないものとなっています。

日本ではパプリカの歴史は浅く、初めて輸入されたのは1993年でオランダからでした。現在では、ニュージーランドや韓国からも輸入されています。

パプリカの特徴

見た目が似ているパプリカとピーマンは、ナス科の唐辛子属の野菜で「仲間」と言っても良いでしょう。ピーマンよりも大型で肉厚の品種がパプリカで色の種類も豊富です。パプリカは栄養面でもピーマンより優れていて、特にビタミンC、カロテンは共にピーマンの2倍以上含まれています。生でも加熱しても風味の変化が少なく、ピーマンのように味に苦味がないのもパプリカの特徴です。

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