牛乳の栄養素と言えばカルシウムというイメージが強いよな。カルシウムが不足しがちな日本人にとって貴重なカルシウム源となっているようです。他にもたんぱく質やビタミンといった栄養が豊富に含まれているみたいです。そんな牛乳の栄養や特徴、身体との関係について管理栄養士のツキアオイと一緒に解説していきます。

ライター/ツキアオイ

1児の母として育児に奮闘中の管理栄養士ライター。最近牛乳の備蓄用としてスキムミルクを購入した。病院や介護施設での経験を活かし、食に関して分かりやすく解説する。

牛乳ってどんな飲み物?

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牛乳は学校や家庭でも使用されていてとても身近な食品ですよね。「牛から絞られたもの」と言ってしまえばそこまでですが、牛乳の特徴についてここからさらに詳しく解説していきますよ。

牛乳と生乳の違い

牛から絞ったままの状態の乳が「生乳」で、生乳を加熱殺菌したものが「牛乳」です。食品衛生法では生乳を販売することはできないとされています。生乳からヨーグルトやチーズといった乳製品が作られていますよ。生乳のまま飲むことができる牧場もありますが、管理がとても難しいので全国的には広まっていません。

昔から牛乳パックが主流だった?

牛乳が日本にの家庭に広まった明治時代初期、なんどブリキ缶から量り売りをされていました。昭和になると現在でも使用されている透明な瓶が使われるようになったのですよ。

ただし瓶は取り扱いに注意が必要で重さもありますよね。輸送面を考慮して昭和30年頃に紙パックの牛乳が使われるようになりました。最初の牛乳パックは三角錐の形だったのですよ。平成になりケーブルトップ(屋根)型やブリック(レンガ)型が主流となっていきました。

ケーブルトップ型は屋根の部分にあえて空気を入れています。これはパックを開けた時に牛乳が飛び散らないようにするためですよ。それに加えて注ぎやすいのも利点ですよね。

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豊富に含まれる栄養素とその効能とは?

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牛乳にはビタミンやミネラルが豊富に含まれています。成長期の子どもたちが給食で毎日飲んでいるのもその栄養価の高さからですよ。牛乳を飲むことによってどのような効能があるのか詳しく見ていきましょう。

1.現代人の貴重なカルシウム源

牛乳1杯(200ml)には日本人に必要なカルシウムの約1/3量が含まれています。これは他にもカルシウムが多いとされているひじきの1食量(約5g)の3倍にもなるのですよ。日本人のカルシウム平均摂取量は推奨されている量を毎年下回っています。牛乳を心がけて飲むことでカルシウム不足を補うことができますね。

カルシウムは骨や歯を丈夫にする働きに加えて、筋肉の収縮や怪我をしたときに血液を固める働きを助けていますよ。カルシウム摂取量が少なくなると骨のカルシウムを使って骨以外の働きに使用されます。そのため骨粗しょう症のリスクを高めてしまうのです。成長期だけでなく生涯を通してカルシウムの摂取を心がけてくださいね。

2.良質なたんぱく質

牛乳には良質なたんぱく質が含まれています。これは体内で合成できない「必須アミノ酸」や、筋肉を作るのに役立つ「分岐鎖アミノ酸」をバランス良く含むからです。

たんぱく質といえば身体を作る栄養素ですが、ホルモンや免疫物質の材料にもなっていますよ。不足することで筋肉量が落ちたり体調が崩れやすくなるといった不調が出てくるので注意が必要です。

3.エネルギー代謝を助けるビタミンB群

牛乳にはビタミンB群も多く含まれていますよ。特にビタミンB2とビタミンB12は牛乳を1杯飲むことで1日の1/4量を補えます。

3大エネルギー源(たんぱく質、脂質、糖質)はビタミンB群が不足するとスムーズに代謝することができません。せっかく摂取してもエネルギーに変えることができないと疲労の原因となってしまいます。他にも赤血球を生成したり皮膚や粘膜の代謝を促進するといった様々な働きがありますよ。ビタミンB群は摂取できる食品が限られているので牛乳は貴重な栄養源ですね。

4.免疫力を高めるビタミンA

牛乳にはビタミンAも多く含まれている栄養素です。ビタミンAの効能は多く、成長期の子どもたちに欠かせない栄養素ですよ。

免疫力を高める働きに加えて成長の促進、皮膚の粘膜や視力を正常に保つといった働きがあります。脂溶性ビタミンなので上限量が定められていますが牛乳を日常的に飲む程度であれば問題はありません。サプリメントで摂取する場合には過剰摂取にならないよう注意してくださいね。

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牛乳と身体の関係について

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牛乳は身近な食材であるからこそ身体への影響について様々な疑問が浮かんできますよね。ここではその中から2つの疑問について詳しく解説していきますよ。

牛乳を飲むと太るって本当?

エネルギー量だけで見ると牛乳は1杯(200ml)134kcalです。ご飯1膳(約240kcal)と比べても、とても多いというわけではありません。飲み過ぎた場合に「摂取(食べた)エネルギー量」が「消費(使う)エネルギー量」を上回る可能性はありますが、それはどの食べ物にも言えることですよね。

牛乳にはたんぱく質や脂質が含まれているので腹持ちがしやすいです。小腹が空いた時に飲むだけでもお腹が満たされますよ。栄養も補えるので、むしろ間食におすすめしたい食材です。

乳糖不耐症とは?

乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)は牛乳を飲むことで腹痛や下痢を起こします。牛乳アレルギーとは違いますよ。牛乳アレルギーは免疫の異常反応が起きるのに対して、乳糖不耐症は消化酵素が足りなくて乳糖が上手く分解できない状態です。この乳糖を分解する消化酵素(ラクターゼ)は年齢と共に減少していきます。そのため大人によくみられる症状なのですよ。

牛乳を温めて飲むこと、少量にとどめておくことで症状が出にくい場合があります。また、ヨーグルトやチーズは牛乳に比べて乳糖が分解されているので食べても問題ないことが多いですよ。乳糖を分解した乳飲料も売られているので見つけたら試してみるのもいいですね。

栄養豊富な牛乳を飲んで骨を丈夫に保とう!

牛乳は加熱殺菌することで安全に飲める状態で私たちの元へ届けられています。開封後は菌が繁殖しやすくなるので速やかに使い切るようにしてくださいね。また、成長期から大人まで全ての年代に必要な栄養が詰まっているので毎日飲んだり料理に使用することでたんぱく質やビタミン、ミネラルを補いましょう。1日1杯(200ml)程度を目安に乳製品で代用もしながら上手く取り入れていってくださいね。

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牛乳にはビタミンも豊富だった!特徴や栄養、身体との関係も管理栄養士が分かりやすくわかりやすく解説

豊富に含まれる栄養素とその効能とは?

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牛乳にはビタミンやミネラルが豊富に含まれています。成長期の子どもたちが給食で毎日飲んでいるのもその栄養価の高さからですよ。牛乳を飲むことによってどのような効能があるのか詳しく見ていきましょう。

1.現代人の貴重なカルシウム源

牛乳1杯(200ml)には日本人に必要なカルシウムの約1/3量が含まれています。これは他にもカルシウムが多いとされているひじきの1食量(約5g)の3倍にもなるのですよ。日本人のカルシウム平均摂取量は推奨されている量を毎年下回っています。牛乳を心がけて飲むことでカルシウム不足を補うことができますね。

カルシウムは骨や歯を丈夫にする働きに加えて、筋肉の収縮や怪我をしたときに血液を固める働きを助けていますよ。カルシウム摂取量が少なくなると骨のカルシウムを使って骨以外の働きに使用されます。そのため骨粗しょう症のリスクを高めてしまうのです。成長期だけでなく生涯を通してカルシウムの摂取を心がけてくださいね。

2.良質なたんぱく質

牛乳には良質なたんぱく質が含まれています。これは体内で合成できない「必須アミノ酸」や、筋肉を作るのに役立つ「分岐鎖アミノ酸」をバランス良く含むからです。

たんぱく質といえば身体を作る栄養素ですが、ホルモンや免疫物質の材料にもなっていますよ。不足することで筋肉量が落ちたり体調が崩れやすくなるといった不調が出てくるので注意が必要です。

3.エネルギー代謝を助けるビタミンB群

牛乳にはビタミンB群も多く含まれていますよ。特にビタミンB2とビタミンB12は牛乳を1杯飲むことで1日の1/4量を補えます。

3大エネルギー源(たんぱく質、脂質、糖質)はビタミンB群が不足するとスムーズに代謝することができません。せっかく摂取してもエネルギーに変えることができないと疲労の原因となってしまいます。他にも赤血球を生成したり皮膚や粘膜の代謝を促進するといった様々な働きがありますよ。ビタミンB群は摂取できる食品が限られているので牛乳は貴重な栄養源ですね。

4.免疫力を高めるビタミンA

牛乳にはビタミンAも多く含まれている栄養素です。ビタミンAの効能は多く、成長期の子どもたちに欠かせない栄養素ですよ。

免疫力を高める働きに加えて成長の促進、皮膚の粘膜や視力を正常に保つといった働きがあります。脂溶性ビタミンなので上限量が定められていますが牛乳を日常的に飲む程度であれば問題はありません。サプリメントで摂取する場合には過剰摂取にならないよう注意してくださいね。

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