牛乳が煮崩れを防ぐ?おすすめの料理や保存方法も管理栄養士が分かりやすくわかりやすく解説!
ライター/ツキアオイ
1児の母として育児に奮闘中の管理栄養士ライター。学生の頃は毎日牛乳を飲んでいたが大人になって乳糖不耐症となり、現在はホットミルクで我慢している。病院や介護施設での経験を活かし、食に関して分かりやすく解説する。
料理で役立つ牛乳の効果
image by iStockphoto
牛乳には脱臭効果や食品を固くするといったいくつかの特性があります。その特性を料理に生かすことで料理の幅が広がりますよ。ここから詳しく見ていきましょう。
こちらの記事もおすすめ
牛乳に白い膜?「ラムスデン現象」って何?現役講師がわかりやすく解説
1.焦げ色や風味をつける
ホットケーキやパンは焼き色が付いていることで美味しそうに見えますよね。香ばしい匂いも食欲をそそります。この焼き色や風味に大きく関わっているのが牛乳の持つたんぱく質です。
たんぱく質と糖が反応することによって「メイラード反応」というものが起こります。メイラード反応は食品に焦げ色や風味を付ける作用があり、クッキーやステーキといった幅広い料理で活かされているのです。牛乳のメイラード反応を活かして生キャラメルを作る事もできますよ。
こちらの記事もおすすめ
【アミノ酸とタンパク質】タンパク質の構造とその特徴を生物専攻ライターがわかりやすく解説!<第1回>
2.脱臭効果
牛乳は臭み消しに効果を発揮します。これは牛乳のたんぱく質や脂質の表面積が大きく、物質(臭み)を吸着しやすい性質があるためです。匂いの強いレバーや魚、にんにくといった食品を牛乳に浸してから調理することで臭みを抑えることができます。
また牛乳を飲むことでにんにくを食べたあとの口臭を抑える効果もありますよ。より効果を発揮させるためには食前に飲むのがおすすめです。
こちらの記事もおすすめ
にんにくの意外な食べ方とは?においを抑える方法や長持ちする保存方法も元保育士がわかりやすく解説
3.じゃがいもの煮崩れを防ぐ
じゃがいもを茹でる場合、水と牛乳では牛乳の方が柔らかくなりにくいです。これには牛乳に多く含まれるカルシウムが関係しています。じゃがいもに含まれるペクチン(食物繊維)とカルシウムが結びつくとペクチンが溶けだしにくくなるのです。クリームシチューのように長時間煮込む料理に生かされる作用ですね。
こちらの記事もおすすめ
カルシウムって結局何?豊富な食品は?歯や体との関係を元米国科学教師チロがわかりやすく解説!
牛乳を使用したおすすめの料理3選
image by iStockphoto
そのクリーミーさから料理に加えることで風味やコクを出してくれる牛乳。幅広い料理に使用されていますが、そのなかでも今回は牛乳をメインに使用した料理を見ていきましょう。
その1.アレンジ自在なホワイトソース
ホワイトソースが作れると多くの料理にアレンジすることができますよね。ダマにならないコツは小麦粉を粉っぽさが無くなるまでしっかり炒めること。また牛乳は冷たいものを加えることです。
冷凍保存ができるので多めに作ってストックしておくのも良いですよ。1回量ずつラップで包んでから保存袋に入れて冷凍しましょう。使用する時は分離しないよう冷蔵庫で解凍するのがおすすめです。シチューやスープに使用する場合は凍ったまま鍋に入れても調理できますよ。
冷凍したホワイトソースは1ヵ月を目安に使い切りましょう。
こちらの記事もおすすめ
片栗粉・小麦粉の違いは原料にあり!カリカリになるのは?特徴や用途・調理のポイントを雑学大好き現役大学生がわかりやすく解説
その2.海鮮のうま味引き立つクラムチャウダー
アメリカ発祥のクラムチャウダーは二枚貝と野菜がたくさん入ったスープです。日本ではアサリを使用したものが一般的ですよね。特別な味付けをしなくても魚介類のうま味が出て牛乳の美味しさが引き立つ一品です。
貝類の他にエビやイカを入れても美味しいですが、ベーコンのような肉類を加えるとまた違ったうま味が出ますよ。煮込む時間を短縮する場合は、水で具材を柔らかく茹でてから牛乳を加えましょう。
\次のページで「その3.簡単なのに美味しい牛乳寒天」を解説!/