RubyとRailsってあるよな。プログラミング言語とフレームワークという違いがあるらしいが、フレームワークってプログラミング言語とどう違うんだと思わないか。それを使うと何がうれしいのかわかりづらいよな。RubyとRailsの生まれた背景やその特徴、使い方までプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。会社内で使うWebアプリの作成経験もあります。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさんです。

RubyとRailsの違いは?

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世の中には色々なWebアプリやWebサービスがあります。それらはプログラミング言語を使って作成されているわけです。Rubyもそのプログラミング言語のひとつ。そして、RailsはRubyでプログラミングする際に使うフレームワークです。

ざっくりと説明するとこのような説明になりますが、フレームワークとは?Webアプリをどうやって作るの?という疑問がわいてきますよね。ここではRubyやRailsの特徴や、そもそもフレームワークとは何か、そしてどう使うのかを解説していきます。

Ruby:プログラミング言語

Rubyは1995年にまつもとゆきひろが開発したプログラミング言語です。オブジェクト指向スクリプト言語とも呼ばれています。その後の新機能の追加も頻繁です。

オブジェクト指向をはじめ、様々なプログラミング言語のよい部分を取り入れているのが特徴。日本で生まれたプログラミング言語ですが世界で使われています。国際電気標準会議(IEC)で国際規格として認められた日本で初めてプログラミング言語です。世界で通用するプログラミング言語ということですね。

Rails:Rubyのフレームワーク

RailsはRubyで主にWebアプリをつくるためのフレームワークです。正式名称は「Ruby on Rails」で、RoRとか単にRailsと略します。

この「Rails」とはレール、つまり線路のこと。鉄道は自動車と違い線路のあるところにしか行けないですよね。その代わり、自動車やバスと比べると多くの人や荷物を運ぶことができます。Railsもこの仕組みに乗ることで簡単にアプリを作成できるので「Ruby on Rails」と名付けられました。自分で運転しなくても、列車に乗れば楽に目的地に到着できるというわけです。

フレームワークってなに?簡単アプリ作成術

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Railsはフレームワークです。では、フレームワークとはなんでしょう?英語では骨格や枠組みといった意味になります。RailsはWebアプリやモバイルアプリをつくるための骨格ということです。ここではフレームワークとは何かを説明していきます。

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日本人が作ったプログラミング言語、Ruby

最初に説明したとおり、Rubyは日本で生まれたプログラミング言語です。オブジェクト指向や他のプログラミング言語のよいところを取り入れています。特にRailsが海外でも広く使われたことで、世界的に使われるプログラミング言語になりました。各種のプログラミング言語の人気ランキングで上位に入ることもあります。

Railsはプレハブ?パーツを組み合わせて簡単作成

ではフレームワークとは何でしょう?例えばプレハブ住宅とかプラモデルを思い浮かべてください。あらかじめパーツが用意されていて、それを組み立てることで完成しますよね。昔ながらの木造住宅では土台の基礎部分を作った後に、柱を立て、屋根を乗せ、壁を作ってと長い時間がかかります。しかし、プレハブ住宅は気がつくと完成していたりしますよね。

アプリ作成も同じです。0からプログラムを書いてつくることもできますし、昔はそうしていました。しかし、アプリのおおまかな構造、つまり骨格は概ね決まっています。それなら最初からその骨格部分があれば手間が省けますよね。それがフレームワークです。

Railsを使うメリットやライバルは?

フレームワークのメリットはなんでしょう。まず、骨格部分が用意されているのでその部分を作る時間が不要になります。その部分は十分に確認しているので、不具合もありません。最初から自分で作った場合、ミスしてしまうかもしれませんよね。

また、様々な識者の知恵がRailsには反映されています。初心者でもそれらの知恵を反映したものをすぐに利用できるのです。料理で言えばだしの素。自分でだしを取らなくても買ってきてすぐに使えるのと同じです。

では、他にどういうフレームワークがあるのでしょう。Rubyにもいくつかフレームワークがありますが、Railsの事例が圧倒的です。それ以外のプログラミング言語を含めると、Python言語のDjangoやPHPのLaravel、JavaScriptのNode.jsが有名。多くのWebアプリがフレームワークを使っています。

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Railsを使っている有名サービス

色々なWebアプリやサービスでフレームワークを使っていますが、Railsはどこで使われているのでしょう。過去に使われていたものも含めて、よく知られているようなサービスもあります。おもなRailsを使っているをリストにしました。実際に利用しているサービスもあるかもしれませんね。

・cookpad(料理レシピ)
・Gnosy(ニュース)
・Airbnb(宿泊できる場所のマッチング)
・Shopify(ネットショッピングサイト構築)
・Twitter(SNS、現在はJava言語に移行)

RubyやRailsを使うには?

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RubyやRailsの特徴を見てきましたが、実際に使うにはどうしたらよいでしょうか。ここではインストールの仕方や、Railsを使ったアプリケーション作成がどのような感じになるかを見ていきましょう。

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まずはインストール

Railsを使うにはRubyとRailsのインストールが必要です。Rubyは公式サイトからダウンロードしてインストールできます。環境によって違うので、詳しくは公式サイトやWebの解説記事を参照してください。

RubyをインストールしてしまうとRailsのインストールは簡単です。Rubyにはgemというパッケージ管理ツールがあります。パッケージとは有志が用意してくれた便利なパーツです。このパーツ(gem)を組み合わせてプログラムをつくります。Railsもこのgemを使ってインストール可能です。サイトを探してダウンロードし、それを展開するといった作業をコマンドだけでできるので簡単ですね。

Railsで始めるプログラミング

インストールしたら動かしたくなりますよね。「でもプログラミングって難しそう…。」と思ったあなた、ご安心ください。そのためのRailsです。

インストール後、コマンドプロンプトから「rails new hello」と打つだけで、helloというWebアプリを作ってくれます。続いて「rails s」と打てば、そのアプリが使っているパソコン上で動き出すのです。コマンドを2つ打っただけで動くWebアプリができるのですから不思議ですよね。

ただ、これはあくまでWebアプリの骨組み。動作確認のためにメッセージを表示するだけのものになります。実際に使えるアプリにするには肉付けが必要です。ただ、ここまでをフレームワークなしで作るには様々な知識が必要になります。Webアプリの細かい仕組みを知らなくても、フレームワークの使い方を学ぶだけなので簡単です。そのため、Railsをはじめとしたフレームワークが広く使われています。

Railsのデメリット、敷かれたレールからは抜け出せない

ここまでRailsがなぜ生まれ、活用されているのか確認してきました。とても便利そうですよね。ただ、Railsにもデメリットがあります。それはRailsがあらかじめ想定している骨格の範囲外のことをするのは難しいということです。

Railsに限らず、フレームワークはある特定の用途で便利になるように設計します。そのため、それ以外の用途には使えないのです。フレームワークの内容は公開されているので改造することもできますが、それではフレームワークを使うメリットが薄くなってしまいます。

鉄道は多くの人や貨物を一度に運ぶことができて便利な反面、決められた駅以外には行けないですよね。同様に、Railsやフレームワークは、あらかじめ決められた線路から外れたことをするのは難しいのです。そのため、目的に合わせてフレームワークを選ぶ必要があります。

Railsは簡単便利にWebアプリケーションを作るための道具

RailsはWebアプリを簡単に作るためのフレームワークです。Railsを使うことで未経験でも過去のノウハウを盛り込んだ品質のよいWebアプリを作ることができます。インストールも使い方も簡単です。そのRailsはRubyというプログラミング言語で作られており、Railsにさまざまな機能を追加して使えるWebアプリにするためにもRubyを使います。

よいことばかりのRailsやフレームワークですがデメリットも。あらかじめ決められている骨格に肉付けする範囲ではとても便利ですが、骨組みから変えることは難しいです。その場合は別のフレームワークを使うか、0から作ることになります。

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IT・プログラミング雑学

RubyとRailsの違いとは?簡単にアプリが作れる?特徴や使い方もプログラマーがわかりやすく解説

RubyとRailsってあるよな。プログラミング言語とフレームワークという違いがあるらしいが、フレームワークってプログラミング言語とどう違うんだと思わないか。それを使うと何がうれしいのかわかりづらいよな。RubyとRailsの生まれた背景やその特徴、使い方までプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。会社内で使うWebアプリの作成経験もあります。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさんです。

RubyとRailsの違いは?

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世の中には色々なWebアプリやWebサービスがあります。それらはプログラミング言語を使って作成されているわけです。Rubyもそのプログラミング言語のひとつ。そして、RailsはRubyでプログラミングする際に使うフレームワークです。

ざっくりと説明するとこのような説明になりますが、フレームワークとは?Webアプリをどうやって作るの?という疑問がわいてきますよね。ここではRubyやRailsの特徴や、そもそもフレームワークとは何か、そしてどう使うのかを解説していきます。

Ruby:プログラミング言語

Rubyは1995年にまつもとゆきひろが開発したプログラミング言語です。オブジェクト指向スクリプト言語とも呼ばれています。その後の新機能の追加も頻繁です。

オブジェクト指向をはじめ、様々なプログラミング言語のよい部分を取り入れているのが特徴。日本で生まれたプログラミング言語ですが世界で使われています。国際電気標準会議(IEC)で国際規格として認められた日本で初めてプログラミング言語です。世界で通用するプログラミング言語ということですね。

Rails:Rubyのフレームワーク

RailsはRubyで主にWebアプリをつくるためのフレームワークです。正式名称は「Ruby on Rails」で、RoRとか単にRailsと略します。

この「Rails」とはレール、つまり線路のこと。鉄道は自動車と違い線路のあるところにしか行けないですよね。その代わり、自動車やバスと比べると多くの人や荷物を運ぶことができます。Railsもこの仕組みに乗ることで簡単にアプリを作成できるので「Ruby on Rails」と名付けられました。自分で運転しなくても、列車に乗れば楽に目的地に到着できるというわけです。

フレームワークってなに?簡単アプリ作成術

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Railsはフレームワークです。では、フレームワークとはなんでしょう?英語では骨格や枠組みといった意味になります。RailsはWebアプリやモバイルアプリをつくるための骨格ということです。ここではフレームワークとは何かを説明していきます。

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