
地球は赤道から北と南で北半球と南半球に分けることができる。日本があるのは北半球です。では北半球と南半球にはどんな違いがあるのでしょうか?同じ地球でも南と北ではいろいろと違うことがある。
今回は北半球について科学館職員のたかはしふみかが解説します。

ライター/たかはし ふみか
高校は化学部、大学は工学部化学系の科学館職員。理科教育に関わる仕事がしたかったので、科学館での仕事が大好き。
地球の赤道以北の半球をさす。南半球に対する語。緯度で示すと赤道の0度から北緯90度の間である。地球の全陸地の67.4%を占めて、南半球に比べて陸地が広く分布している。
(コトバンク「北半球」)
地球を、中央から南北、または東西に切半したその一方。
(コトバンク「半球」)

image by Study-Z編集部
赤道とは自転軸に対して垂直な平面が切断する、理論上の線のことです。この赤道で緯度0度となります。赤道、つまり地球の円周の長さは4万75㎞です。赤道から北極までは1万㎞で、1周で4万㎞となります。ずいぶんきりのいい数字だな、と思った方もいるかもしれません。というのも、もともと1mというのは北極から赤道までの距離を千万分の1としたものだからです。
ところで地球は自転している都合完全な球ではなく、赤道部分が少し膨れた楕円形となっています。そのため、赤道の円周は4万75㎞となっているのです。
#1 季節と北半半球・南半球

北半球と南半球では季節が異なります。北半球の日本は大まかに3~5月頃が春、6~8月頃が夏、9~11月頃が秋、12~2月頃が冬ですね。しかし南半球のオーストラリアでは、日本が夏になる6~8月頃が冬、12~2月頃が夏となるのです。そのため、日本では真っ赤なコートの暖かそうなサンタさんも、オーストラリアでは水着を着ています。ではなぜ季節が反対になるのでしょうか。

image by Study-Z編集部
地球は1日1回自転し、1年に1回公転しています。地球の地軸は23.4度傾いていて、これが季節を生み出す要因となっているのです。地軸が太陽側を向くと太陽の光を浴びやすく、夏となります。そのため、北極側が太陽に向いているときは北半球が夏・南半球が冬、反対に南極側が太陽を向いているときは南半球が夏、北半球が冬となるのです。
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#2 陸地・人口と北半球・南半球
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地球を赤道から北と南に分けたのが北半球と南半球です。地図で見ると、陸地の多くが北半球であることがわかります。地球上の陸地の総面積は147,244,000km²です。そのうち67.4%が北半球に、32.6%が南半球にあります。ちなみに、地球全体の面積のうち陸地の面積は約28.9%と地表の多くが海洋なのです。
続いて、人口を比べてみましょう。世界の人口の87%が北半球に住んでいます(2019年時点)。世界の人口ランキングを見てみると上位から中国(約14億人)、インド(13億6千万人)アメリカ合衆国(3億3千万人)と北半球ばかりランクインしています。南半球で最も人口が多いのは世界ランキング6位のブラジルで、約2億1千万人です。

なぜこんなに人口に差があるのでしょうか。それは南半球に陸地が少ないことに合わせ、温帯の地域が少ないことがあげられます。温帯とはケッペンの気候区分のひとつで、最寒月平均気温が-3℃以上18℃未満、最暖月平均気温が10℃以上の地域です。安定した気候で、動植物が生息しやすく農業に適しているため、農業や産業が張ってした地域の多くが温帯に属しています。温帯に属する陸地が北半球では43%なのに対し南半球は11%程度です。
さらに南半球の陸地には南極が含まれています。南極はオーストラリア大陸の2倍もある大きな大陸ですが、最低気温の記録が-89.2度という極寒の地です。そのため研究のために滞在する人がいるものの、定住している人はいません。そもそも南極は、南極条約によってどこの国にも属していません。
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