パソコンの記憶領域をつかさどるパーツ「メモリ」。
そんな「メモリ」には「SRAM」と「DRAM」という種類がありますが、いったいこの2つの違いは何なんでしょうな。
今回は「SRAM」と「DRAM」の違いについて、現役エンジニアのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

そもそもRAMって何?

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パソコンを購入すると、必ず中に入っているパーツがメモリという記憶装置です。このメモリは「SRAM」と「DRAM」に大別されます。しかしまず「RAM」が何なのかわからない人も多いでしょう。ここではまず「RAM」の概要について解説していきます。

RAM:データに直接アクセスできるメモリ

そもそも「RAM」とはCPU(パソコンの脳みそ的なパーツ)から直接データにアクセスできるメモリのことです。例えて言うならCDやDVDは曲を選んで再生できますが、VHSやカセットテープは巻き戻しなどが必要なため曲を選んで再生できませんよね。「RAM」は前者のようにアドレス(メモリ上の住所)に各データを保存することで、アクセスを容易にしているメモリなんです。そのため高速な処理が可能になります。

CPUからの命令は優先度が高く高速な処理が求められるため、パソコンの処理スペックに直結しているパーツなんです。

SRAMとDRAMの違い

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「RAM」が何を意味しているかをご理解いただけたところで、何となく「SRAM」と「DRAM」が「RAM」から派生した言葉だというイメージはついたのではないでしょうか。では具体的に「SRAM」と「DRAM」の違いに迫ってみましょう。

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SRAM:リフレッシュ処理を必要としないメモリ

「SRAM」を一言で表すと、リフレッシュ処理を必要としないメモリです。リフレッシュ処理とはデータを保持するために、定期的にデータを読み出し、再度書き込む処理のこと。「SRAM」とは「Static RAM(静的RAM)」の略称になります。静的であるということはつまり、リフレッシュを行わないということを意味しているんです。

DRAM:リフレッシュ処理を必要とするメモリ

これに対して「DRMA」は「Dynamic RAM(動的RAM)」の略称で、動的つまりリフレッシュ処理が必要なメモリです。

「DRAM」にはコンデンサという電荷を蓄える電子部品が使われています。このコンデンサの電荷はそのままにしている自然放電されてしまい、それと同時に記録していたデータが失われてしまうのです。そのために一定時間ごとにデータを読み出し、電荷とともに再注入する必要があります。

それぞれの用途は?

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桜木先生が感じていた通り、このままでは「SRAMだけ使えばいいのでは?」という疑問を抱きかねませんね。ここでは「SRAM」と「DRAM」がそれぞれどのような用途で使われているのか解説していきます。きっとどちらも重要だと言うことがご理解いただけるはずです。

SRAM:キャッシュメモリ

「SRAM」は「キャッシュメモリ」として使われることがほとんどです。「キャッシュメモリ」とはCPUと後述の「メインメモリ」の仲介をするメモリのこと。

リフレッシュ処理を必要としないキャッシュメモリは常に動作しているため、瞬間的なデータの読み込みを必要とする際に活躍します。しかし「SRAM」は容量が大きくありません。そのため頻繁に使われるデータのみを一時的に置いておくメモリと言えます。

DRAM:メインメモリ

これに対して「DRAM」は「メインメモリ」、つまり「キャッシュメモリ」の後ろ側にあるメモリに当たります。「メインメモリ」はリフレッシュ処理が必要なため、CPUからの命令に対して常にスタンバイしているわけではありません。そのため処理スピードとしては「キャッシュメモリ」に劣ります。しかし容量が大きいため、「キャッシュメモリ」にお目当てのデータがなかった場合、「メインメモリ」にデータを探しに行くのです。

「SRAM」が「よく使うものを置いておくテーブル」だとすれば、「DRAM」は「たまに使うものをしまっておく引き出し」と表現できるでしょう。

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SRAMとDRAMはリフレッシュ処理の有無が違う

ここまでの解説で「RAM」とは何のか、「SRAM」と「DRAM」は何が違うのか、そしてそれぞれの用途は何なのかをご理解いただけたと思います。リフレッシュ処理の有無が、用途の違いを生んでいたのですね。

現代ではパソコンだけでなく、スマホやタブレットと言った携帯デバイスでも「SRAM」や「DRAM」は使用されています。技術の向上とともに処理スピードが上がっているデバイスたちですが、その裏には「SRAM」や「DRAM」の活躍があることを忘れてはいけませんね。

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IT・プログラミング雑学

3分でわかるSRAMとDRAMの違い!リフレッシュ処理って何?特長や用途の違いも現役エンジニアがわかりやすく解説

パソコンの記憶領域をつかさどるパーツ「メモリ」。
そんな「メモリ」には「SRAM」と「DRAM」という種類がありますが、いったいこの2つの違いは何なんでしょうな。
今回は「SRAM」と「DRAM」の違いについて、現役エンジニアのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

そもそもRAMって何?

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パソコンを購入すると、必ず中に入っているパーツがメモリという記憶装置です。このメモリは「SRAM」と「DRAM」に大別されます。しかしまず「RAM」が何なのかわからない人も多いでしょう。ここではまず「RAM」の概要について解説していきます。

RAM:データに直接アクセスできるメモリ

そもそも「RAM」とはCPU(パソコンの脳みそ的なパーツ)から直接データにアクセスできるメモリのことです。例えて言うならCDやDVDは曲を選んで再生できますが、VHSやカセットテープは巻き戻しなどが必要なため曲を選んで再生できませんよね。「RAM」は前者のようにアドレス(メモリ上の住所)に各データを保存することで、アクセスを容易にしているメモリなんです。そのため高速な処理が可能になります。

CPUからの命令は優先度が高く高速な処理が求められるため、パソコンの処理スペックに直結しているパーツなんです。

SRAMとDRAMの違い

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「RAM」が何を意味しているかをご理解いただけたところで、何となく「SRAM」と「DRAM」が「RAM」から派生した言葉だというイメージはついたのではないでしょうか。では具体的に「SRAM」と「DRAM」の違いに迫ってみましょう。

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