人気のプログラミング言語「JavaScript」。
しかし「JavaScript」に関連してよく見かけるワードが「jQuery」です。
この両者の違いについて、現役システムエンジニアのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

JavaScriptとjQueryの違い

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プログラミングを学習していたり、業務で使っていると頻繁に見かけるワードが「JavaScript」です。そして「JavaScript」とセットでよく見かけるワードが「jQuery」。ここではこの2つの違いについて解説していきます。

JavaScript:プログラミング言語の1つ

「JavaScript」はプログラミング言語の1つです。世界で最も使われているプログラミング言語で、現代のIT技術の中核を担っているとも言えます。

人気の理由はたくさんありますが、代表的なものがフロントエンドとバックエンドのどちらでも利用できることです。フロントエンドとはWebサイト側、バックエンドはサーバーやデータベース側の処理を表す言葉。「JavaScript」だけでシステム開発が完結できるので人気なんですね。

jQuery:JavaScriptのライブラリの1つ

これに対して「jQuery」はプログラミング言語ではありません。「JavaScript」のライブラリの1つです。ライブラリとは使用頻度の高いプログラムをまとめたプログラムのこと。ライブラリ=図書館という名称の通り、本棚から本を取り出すように、必要に応じてプログラムを呼び出すことができます。

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jQueryを使うメリット

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「JavaScript」と「jQuery」の違いおよび関係性についてはおわかりいただけたと思います。実は「jQuery」のライブラリは「JavaScript」だけではありません。ここでは数多のライブラリの中で「jQuery」を使うメリットについて解説していきます。

1.コード効率化

例えば複雑な計算処理をシステム開発の度に実装するのは時間もコストもかかりますよね。しかし代表的な計算処理がまとめられている「jQuery」を使用することで、その実装を省略することができるんです。またソースも短くなるので読みやすく、バグも起こりにくくなります。

2.ブラウザごとの差異が起こりにくい

ブラウザとはWebサイトを閲覧するためのアプリケーションのことで「Google Chrome」や「Windows Edge」などがあります。これらのブラウザはたくさんのベンダー(開発会社)が独自に開発しているため、同じWebサイトを開いても各ベンダーのブラウザごとに表示や挙動が異なることも。

「jQuery」はクロスブラウザという、ブラウザごとの差異を抑える設計で開発されています。よって「jQuery」を使うことでブラウザごとの差異を気にせずコーディングできるんです。

jQueryが使われなくなっているって本当?

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ここまでの解説を読んで「jQuery」の魅力は十分感じられたはずです。しかし驚くべきことに、年々「jQuery」は使用されなくなっているという事実があります。一体なぜそんなことが起こったのでしょうか。ここでは「jQuery」が使われなくなっている理由について解説します。

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陳腐化して時代に合わなくなっている

「jQuery」は2006年にリリースされたライブラリですが、当然時代の流れに伴い陳腐化も進んでいます。代表的な事例が「jQuery」特有のソースの記述が、現在普及しているフレームワークに合わなくなっているということです。フレームワークとは英語で枠組みのこと。システム開発に必要な機能があらかじめ用意された枠組みという意味です。

また開発者がそれぞれのプラグイン(機能単位)を更新していないことも陳腐化の原因の一つ。最新のバージョンのブラウザに対応していなかったり、セキュリティ上の問題が発生する恐れもあります。

jQueryに代わるライブラリ

ここでは「jQuery」に代わって普及しているライブラリを紹介します。

1つ目はMeta社(旧Facebook社)が開発した「JavaScript」のライブラリ「React」です。「React」では「JavaScript」のソースの中に「HTML」という別言語の記述を埋め込むことが可能。「HTML」は完全フロントエンド言語なので、Webサイトのイメージをしやすい実装ができます。

もう1つは「Vue.js」というフレームワーク内のライブラリです。ボタンやフォームなどページ上の構成要素をコンポーネントと呼ばれる部品にすることが可能で、これにより保守性や流用性を高めることができます。

JavaScriptはプログラミング言語、jQueryはライブラリ

ここまで「JavaScript」と「jQuery」の違い、「jQuery」のメリット、そして「jQuery」が使われなくなっている潮流について解説してきました。両者の関係性がだいぶ理解できたのではないでしょうか。

プログラミング言語が一時期普及し陳腐化して使われなくなるのと同様に、ライブラリやフレームワークといった関連システムも時代の流れには逆らえません。今や私たちの生活と切っても切れない「JavaScript」も、いずれは役目を終えるかもしれません。ITという一見無機質な世界でも、適者生存という有機的な原理は働いています。プログラマーやシステムエンジニアにとって大事なことは、常に学ぶ姿勢を忘れず、時代の変化に適応していくことなんですね。

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IT・プログラミング雑学

3分でわかるJavaScriptとjQueryの違い!jQueryはもう使わない?jQueryに代わるライブラリも現役エンジニアがわかりやすく解説

陳腐化して時代に合わなくなっている

「jQuery」は2006年にリリースされたライブラリですが、当然時代の流れに伴い陳腐化も進んでいます。代表的な事例が「jQuery」特有のソースの記述が、現在普及しているフレームワークに合わなくなっているということです。フレームワークとは英語で枠組みのこと。システム開発に必要な機能があらかじめ用意された枠組みという意味です。

また開発者がそれぞれのプラグイン(機能単位)を更新していないことも陳腐化の原因の一つ。最新のバージョンのブラウザに対応していなかったり、セキュリティ上の問題が発生する恐れもあります。

jQueryに代わるライブラリ

ここでは「jQuery」に代わって普及しているライブラリを紹介します。

1つ目はMeta社(旧Facebook社)が開発した「JavaScript」のライブラリ「React」です。「React」では「JavaScript」のソースの中に「HTML」という別言語の記述を埋め込むことが可能。「HTML」は完全フロントエンド言語なので、Webサイトのイメージをしやすい実装ができます。

もう1つは「Vue.js」というフレームワーク内のライブラリです。ボタンやフォームなどページ上の構成要素をコンポーネントと呼ばれる部品にすることが可能で、これにより保守性や流用性を高めることができます。

JavaScriptはプログラミング言語、jQueryはライブラリ

ここまで「JavaScript」と「jQuery」の違い、「jQuery」のメリット、そして「jQuery」が使われなくなっている潮流について解説してきました。両者の関係性がだいぶ理解できたのではないでしょうか。

プログラミング言語が一時期普及し陳腐化して使われなくなるのと同様に、ライブラリやフレームワークといった関連システムも時代の流れには逆らえません。今や私たちの生活と切っても切れない「JavaScript」も、いずれは役目を終えるかもしれません。ITという一見無機質な世界でも、適者生存という有機的な原理は働いています。プログラマーやシステムエンジニアにとって大事なことは、常に学ぶ姿勢を忘れず、時代の変化に適応していくことなんですね。

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