

端的に言えば「世間を張る」の意味は「見栄を張る」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
建設系広報誌の企画や校閲を6年経験したMaicodoriを呼んだ。一緒に「世間を張る」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/Maicodori
建設系広報誌の企画・校閲などに6年以上携わり、言葉の意味や使い方を調べることが得意なWEBライター。年間100冊を超える豊富な読書量も活かし、「世間を張る」の意味をわかりやすく伝える。
「世間を張る」の意味は?
「世間を張る」には、次のような意味があります。
広く世間づきあいをする。また、世間体を気にして見栄を張る。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「世間を張る」
「世間を張る」は「せけんをはる」と読み、他者と広く付き合うことや、世間を気にして見栄を張る際に使用する慣用句です。このように「広く付き合う」と「見栄を張る」という2つの意味がありますから、文脈に応じて正確に把握するようにしましょう。ちなみに「見栄を張る」は「うわべを飾る。外観を繕う」という意味ですね。
「世間を張る」の語源は?
次に「世間を張る」の語源を確認しておきましょう。「世間を張る」の語源は明確ではありませんが、2つの言葉がくっついた慣用句ですから、それぞれの意味を確認してみます。
まず「世間」はここでは「人々との交わり。また、その交わりの範囲。」という意味ですね。次に「張る」は「広がりのびる」と「外見を飾る」の双方となります。
そのため「張る」の解釈によって「広く付き合う」と「見栄を張る」という2つの意味となることが理解できましたね。
「世間を張る」の使い方・例文
「世間を張る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1. 彼は世間を張るのが非常に上手でね。人脈がとても構築されているから、1回打ち合わせに来てもらっても良いかもしれない。
2. この成果は誰が作ったんだい?そんなに世間を張っても、成果がこれではどうしようもないだろう。みんなで作り直そう。
3. 世間を張るのが上手な彼女は、お金持ちの彼氏といつも豪遊しているよ。やることやってから遊んで欲しいんだけれど。
例文の1では「広く付き合う」という意味で、例文の2と3では「見栄を張る」という意味で「世間を張る」が使用されていることがわかりますね。このように意味が若干違いますから、しっかりと覚えておきましょう。

「世間を張る」について、まずは意味と読み方、語源、使い方と例文を見てきた。「広く付き合う」と「見栄を張る」という微妙に違う2つの意味があるから注意しておけよ。「世間」と「張る」はそれぞれ様々な意味を持っているから、ついでに確認しておくと良いな。引き続き類義語や英訳なども見てみよう。
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