現代社会

芦田均内閣が倒れた原因となった「昭和電工事件」とは?事件の概要や戦後の政権交代などを歴史好きライターが分かりやすくわかりやすく解説

昭和電工に関連するその他の事件

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昭和電工事件にも、昭和電工が歴史の教科書などに登場することがあります。最後に、そのような事件について簡単にふれていくことにしましょう。

1.新潟水俣病

1950年代から70年代にかけて、日本では公害が多く発生しました。その中で、特に被害が大きかったものを「四大公害病」と呼びます。水俣病・四日市ぜんそく・イタイイタイ病と、新潟水俣病(第二水俣病)の4つです。新潟水俣病は、熊本県で先に発生が確認された水俣病に症状が似ていたことからその名が付きました。

新潟水俣病の原因となったのは、有機水銀の流出でした。有機水銀が原因となったのは、水俣病も同じです。阿賀野川の上流にあった昭和電工の工場が有機水銀を川に排出して、食物連鎖で有機水銀が濃縮された川魚を、阿賀野川下流の住民が食べたのが原因でした。新潟水俣病の訴訟は、21世紀の今も続いています。

2.トリプトファン事件

1990(平成2)年前後に、アメリカでEMS(好酸球増加筋肉痛症候群)の発症が多数報告されました。当局が調査に乗り出すと、発症者の多くがL-トリプトファンと呼ばれる必須アミノ酸を摂取していたことが判明します。発症者が摂取していたL-トリプトファンは、昭和電工が製造したものでした。

トリプトファンが直接の原因となって発症したのかは、わかっていません。不純物があったとも、過剰摂取が原因ともいわれますが、はっきりとした原因は不明のままです。たとえそうであったとしても、大規模な健康被害がアメリカで起きたのに変わりありません。死者38名を含む、数千人が被害を受けることになりました

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昭和電工が国内大手の化学工業会社であることを見逃してはならない。まず、日本で初めてアルミニウムの商用生産を始めたのが昭和電工だ。石油化学製品の製造は国内随一だし、ハードディスク事業は世界トップクラスだ。負の部分ばかり注目されがちだが、社会への貢献度も大きいのだ。

昭和電工事件の責任を取って芦田均内閣は総辞職した

復興金融金庫から多額の融資を受けるため、昭和電工は多くの政財界人に贈賄を行いました。発覚後には警察の捜査が進み、昭和電工の社長や政界の大物などが次々と逮捕される事態へと発展します。その影響は当時の政権にも及び、芦田内閣は総辞職に追い込まれました。芦田ものちに逮捕され、判決は無罪でしたが、昭和電工事件で政権が交代することになったのです。

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