今回は牡蠣についてみていきます。牡蠣がなぜ海のミルクと呼ばれているのか知ってるか?それは色と栄養価の高さなんです。牡蠣にはすごい栄養素が含まれている。牡蠣を食べることで得られる効果についても、料理が趣味の主婦ライターいわさゆこと一緒に解説していきます。

ライター/いわ さゆこ

4人の子を持つ主婦ライターいわさゆこです。趣味は読書と料理。海のミルクと呼ばれている牡蠣の栄養価はすごいですが、子供たちはちょっぴり苦手。味付けや調理法の工夫が必要な食材ですね。

牡蠣ってどんな食材?

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牡蠣はウグイスガイ目イタボガキ科とベッコウガキ科に属する二枚貝の総称、あるいはカキ目もしくはカキ上科に属する種の総称です。さまざまな栄養素が多量に含まれているため、海のミルクと呼ばれています。食用としての歴史は長く、世界中で食されてきた貝の一つです。

カキフライや鍋物の具、釜飯にして食べたり、網焼きや生で食すことができます。

牡蠣に含まれる栄養成分は?

牡蠣にはアミノ酸、タウリン、グリコーゲン、ビタミン類やミネラルなど健康には欠かせない栄養素がたくさん含まれていることをご存じでしょうか。中でも、含有量が多い代表的な栄養素5つをご紹介します。

1.グリコーゲン

牡蠣に豊富に含まれているグリコーゲンは、パワーの源になる糖類の一種です。グリコーゲンは肝臓や骨格筋などに蓄えられており、エネルギー源として活用され、グリコーゲンを含む食品を定期的に摂取することで疲れにくい体を作ることができます。

摂取後すぐに体内で利用される効率のいいエネルギーで、スタミナ維持や疲労回復に効果的です。空腹時やエネルギーが消費されたときには、糖質を供給する働きもあり、血糖値を安定させる効果もあります。

2.亜鉛

亜鉛の含有量は牡蠣が魚介類の中でもでトップクラスです。亜鉛は体内のタンパク質の合成や酵素・ホルモンの分泌に必要不可欠なミネラル。遺伝情報を伝えるDNAの転写に関わり生殖機能や性欲を正常に保つなどの効能もあります。

ダイエットや栄養不足で亜鉛が足りなくなると、味覚障害を起こしてしまうこともありますので注意が必要です。口中には味を感じる「味らい」という器官がありますが、この器官は新陳代謝が活発に行われています。

亜鉛が足りなくなると細胞の生まれ変わりに支障をきたし、味覚の低下をおこすことがあるのです。また、亜鉛不足で肌荒れや肝臓の異常を引き起こす可能性があります。

3.タウリン

タウリンは、タンパク質を合成するアミノ酸の一種。人間の体内でも作り出すことができますが、必要量には達しておらず食事から取り入れる必要があるのです。主に疲労回復に効果があるとされていて、医薬部外品の栄養ドリンク剤の成分としてもよく知られています。乳酸の増加を防ぎ、スタミナ増強、疲労回復に効果的です。

胆汁酸とむすびつきコレステロールや中性脂肪を減らす効果のほか、心臓や肝臓の機能を高める、血圧を下げる効果などがあります。また、タウリンは目の網膜にも存在する成分で、網膜を守る役割も担っているのです。

\次のページで「4.鉄分」を解説!/

4.鉄分

貧血対策として知られる鉄分は、牡蠣にも豊富に入っています。赤血球をつくって全身に酸素を運ぶ役割を担うので、貧血予防や疲労回復に欠かせない栄養素です。また、筋肉中のミオグロビンというタンパク質の構成成分として、血液中の酸素を筋肉に取り込む働きもあります。

5.ビタミンB群

牡蠣には、多くのビタミンB群も含まれていますよ。ビタミンB12は動物性食品に含まれるビタミンで、葉酸と一緒に赤血球のヘモグロビンをつくる働きを助けます。脳からの指令を伝える神経機能を正常に保つ役割も持ち合わせているのです。

ビタミンB1、B2も豊富に含まれており、B1は糖質からのエネルギー生産と、皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きをします。B2も皮膚と粘膜の健康維持を助けながら、たんぱく質を体内でエネルギーにする働きを担っているのです。ビタミンB群は水溶性のビタミンのため、一度にたくさん摂取しても尿などで排出されるので、摂り過ぎの心配はありません。

牡蠣を食べるとどんな効果があるの?

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牡蠣には豊富な栄養成分が含まれています。それでは、摂取することで体にはどのような効果として現れるのでしょうか? 

その1.疲労回復・滋養強壮

激しい運動や肉体労働による疲れの対処法としては、十分な睡眠と栄養補給が必要です。牡蠣には、栄養ドリンクによく使われるタウリンが豊富に含まれています。 タウリンは、乳酸の増加を防ぎ、疲労回復や滋養強壮に効果があるのです。

また、糖質は筋肉の疲労回復を早める効果があり、代謝を促すビタミンB群と一緒に摂ると効果的。牡蠣にはタウリンもビタミンB群も豊富に含まれていますよ。

その2.貧血予防

女性は特に月経による貧血になりやすい傾向にあります。貧血とは、鉄分などの栄養素が不足し、血液中の赤血球が減少することにより体内に酸素が運ばれにくい状態になっていることです。

酸素が運ばれないと酸欠状態で熱やエネルギーを作りづらくなってしまいます。頭痛やめまい、立ちくらみなどが起こってしまうので気を付なければなりません。

\次のページで「その3.美肌効果」を解説!/

その3.美肌効果

美容に気をつかう女性にとっては、美肌効果は嬉しいですよね。亜鉛を積極的に摂取すれば、皮膚のもととなるタンパク質の新陳代謝を促し、美肌につながります。

また、亜鉛にはホルモンバランスを整える効果があり、女性ホルモンのエストロゲンは肌にうるおいやハリを与える役割を担っているのです。タウリンによって毒素を分解する肝臓の働きを高め、体内のデトックス効果で肌荒れを予防します。

髪の毛もタンパク質からできているので、肌同様に美髪効果も期待できますよ!

牡蠣を食べる時に気を付ける事は?

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牡蠣を食べる上で、あたることを心配する方が多いのではないでしょうか?牡蠣を食べることで、食中毒にかかるリスクがあることは事実です。いくつかの点に気を付け安全に牡蠣を食しましょう。

1.食中毒に気を付けよう!

牡蠣を食べる上で気をつけなければいけない食中毒は以下の通りです。

・ノロウイルス
・腸炎ビブリオ
・貝毒

ノロウイルスや腸炎ビブリオは、感染すると激しい腹痛や下痢の症状が現れ、吐き気や嘔吐を伴うことがあります。感染を防ぐために、ノロウイルスは牡蠣の中心部が85~90℃になる状態で90秒以上加熱すること。また、腸炎ビブリオは60℃以上で10分以上加熱して死滅させることができるので覚えておきましょう。

貝毒に関しては、基本的に加熱調理をしても残るので、定期的に生産者や都道府県が検査をしています。貝毒が検出された海域からは出荷をしないようにし、貝毒による食中毒を防ぐ安全対策が行われているのです。

また、牡蠣アレルギーの人が食べてしまった場合、食後数時間以内に何らかのアレルギー症状が出ます。なかには、命にかかわるアナフィラキシーショックを起こす場合もあるので、牡蠣アレルギーを持っているかどうか調べておくといいかも知れません。

\次のページで「2.妊婦さんは食べてもいいの?」を解説!/

2.妊婦さんは食べてもいいの?

牡蠣には妊婦時に必要な葉酸、亜鉛、鉄分、そしてむくみや高血圧予防によいタウリンなどが豊富に含まれています。十分に加熱したものを食べるには問題ありません。

ただし、牡蠣は新鮮でも菌が混入するので、妊娠時は生食を避けてください。ノロウイルスやビブリオ菌という食中毒の原因となる菌が混入していることがありますので、調理時の衛生管理や調理法にも注意が必要です。

3.子供に食べさせるならいくつから?

牡蠣は離乳食初期の赤ちゃんが食べられるようなペーストにしにくく、また、弾力があるため後期になっても噛みにくく食べやすい食材とは言えません。

弾力がある部分を避ければ、離乳完了期ごろから加熱した牡蠣を食べることはできます。しかし、まだ抵抗力が弱いのでいつも以上に加熱時間を意識して調理した物を食べさせるようにしましょう。調理に自信がない場合は避けた方が無難ですね。

栄養があるからと言って、まだ免疫力が低い乳児のうちに無理に食べさせる必要はありません。体力や免疫力がついてくる2歳頃になったら少量ずつ食べさせてみてもいいですね。

栄養の宝庫!健康面や美容面でのメリットたくさんの牡蠣を食べよう!

牡蠣には食中毒のリスクもありますが、健康維持に必要な栄養が豊富に含まれていることがわかりましたね。日々の食事に牡蠣を取り入れて足りない栄養素を補っていきましょう。牡蠣を食べる時は加熱用の牡蠣を生食しないことはもちろん、清潔な調理器具を使い、手洗いも忘れずに行ってくださいね。

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家庭科

海のミルク牡蠣!そのすごい栄養効果は?効果効能・注意点も主婦歴15年のママライターが詳しくわかりやすく解説!

今回は牡蠣についてみていきます。牡蠣がなぜ海のミルクと呼ばれているのか知ってるか?それは色と栄養価の高さなんです。牡蠣にはすごい栄養素が含まれている。牡蠣を食べることで得られる効果についても、料理が趣味の主婦ライターいわさゆこと一緒に解説していきます。

ライター/いわ さゆこ

4人の子を持つ主婦ライターいわさゆこです。趣味は読書と料理。海のミルクと呼ばれている牡蠣の栄養価はすごいですが、子供たちはちょっぴり苦手。味付けや調理法の工夫が必要な食材ですね。

牡蠣ってどんな食材?

image by iStockphoto

牡蠣はウグイスガイ目イタボガキ科とベッコウガキ科に属する二枚貝の総称、あるいはカキ目もしくはカキ上科に属する種の総称です。さまざまな栄養素が多量に含まれているため、海のミルクと呼ばれています。食用としての歴史は長く、世界中で食されてきた貝の一つです。

カキフライや鍋物の具、釜飯にして食べたり、網焼きや生で食すことができます。

牡蠣に含まれる栄養成分は?

牡蠣にはアミノ酸、タウリン、グリコーゲン、ビタミン類やミネラルなど健康には欠かせない栄養素がたくさん含まれていることをご存じでしょうか。中でも、含有量が多い代表的な栄養素5つをご紹介します。

1.グリコーゲン

牡蠣に豊富に含まれているグリコーゲンは、パワーの源になる糖類の一種です。グリコーゲンは肝臓や骨格筋などに蓄えられており、エネルギー源として活用され、グリコーゲンを含む食品を定期的に摂取することで疲れにくい体を作ることができます。

摂取後すぐに体内で利用される効率のいいエネルギーで、スタミナ維持や疲労回復に効果的です。空腹時やエネルギーが消費されたときには、糖質を供給する働きもあり、血糖値を安定させる効果もあります。

2.亜鉛

亜鉛の含有量は牡蠣が魚介類の中でもでトップクラスです。亜鉛は体内のタンパク質の合成や酵素・ホルモンの分泌に必要不可欠なミネラル。遺伝情報を伝えるDNAの転写に関わり生殖機能や性欲を正常に保つなどの効能もあります。

ダイエットや栄養不足で亜鉛が足りなくなると、味覚障害を起こしてしまうこともありますので注意が必要です。口中には味を感じる「味らい」という器官がありますが、この器官は新陳代謝が活発に行われています。

亜鉛が足りなくなると細胞の生まれ変わりに支障をきたし、味覚の低下をおこすことがあるのです。また、亜鉛不足で肌荒れや肝臓の異常を引き起こす可能性があります。

3.タウリン

タウリンは、タンパク質を合成するアミノ酸の一種。人間の体内でも作り出すことができますが、必要量には達しておらず食事から取り入れる必要があるのです。主に疲労回復に効果があるとされていて、医薬部外品の栄養ドリンク剤の成分としてもよく知られています。乳酸の増加を防ぎ、スタミナ増強、疲労回復に効果的です。

胆汁酸とむすびつきコレステロールや中性脂肪を減らす効果のほか、心臓や肝臓の機能を高める、血圧を下げる効果などがあります。また、タウリンは目の網膜にも存在する成分で、網膜を守る役割も担っているのです。

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