店頭に一年中並んでいるオリーブオイルですが、旬があることはあまり知られていないでしょう。種類によっても味わいや香りに違いがあって、購入するときに迷ってしまうのではないでしょうか。今回は日本の食卓にも欠かせないオリーブオイルの原産地や旬、高品質なものを購入したい場合の選び方を、栄養士・調理師ライターみつここと一緒に解説していきます。

ライター/みつここ

ヘルシーでおいしい食事を心がけているwebライターです。最近は、オリーブオイルを使った料理にも挑戦中。栄養士と調理師の資格を活かし、わかりやすく解説していきます。

オリーブオイルの原産地は?旬はあるの?

スーパーなど店頭に一年中並んでいるオリーブオイル。そんなオリーブオイルの「旬」を意識して購入している方は、少ないのではないでしょうか?次の章で、オリーブオイルの主な原産地と旬をみていきましょう。

主な原産地は地中海沿岸地域

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オリーブオイルの主な原産地は、スペイン、イタリア、ギリシャなどの地中海沿岸の地域で、オリーブが最も育ちやすい気候といわれています。その中でもスペインは、生産量、栽培面積、輸出量が世界1位で、なんと2位のイタリアの倍以上!特に南部アンダルシア地方は、スペインのオリーブ生産量の75%を占めており、高品質なものが多いです。

それぞれの原産地によって、味わいなどの特徴が異なります。

日本の原産地は?

香川県の小豆島は、「日本のオリーブ栽培発祥の地」として知られており、110年以上の歴史があります。今では香川県の各地で栽培されており、オリーブの出荷量は日本全体の9割で、オリーブオイルの生産量も全国1位です。小豆島の温暖な気候が地中海沿岸地域に近い、ということがオリーブ栽培成功の理由の一つだと言われています。

旬は11~12月

オリーブの実の収穫時期が、オリーブオイルの旬ですが、生産量第1位のスペインでの収穫時期は、9月頃から2月頃まで。その収穫されたオリーブの実から作られたオイルが日本に届くのが11月から12月頃で、この時期がオリーブオイルの旬ということになります。旬のオリーブオイルは、搾りたての新鮮な味わいと香りです。購入する際には、ぜひチェックしてみてくださいね。

オリーブオイルにはどんな種類がある?

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オリーブオイルの種類は大きく分けて2種類。「エキストラバージンオリーブオイル」と「ピュアオリーブオイル」です。この2つは製法が異なり、どちらも生食・加熱できますが、香りや味わいに違いがあるため人によって好みが分かれます。それぞれの特徴をみていきましょう。

\次のページで「1.最高品質のエキストラバージンオリーブオイル」を解説!/

1.最高品質のエキストラバージンオリーブオイル

オリーブの実を絞ってろ過しただけのものを「バージンオイル」といいますが、その中でも成分や香りの基準を満たしている最高品質のオイルが「エキストラバージンオリーブオイル」です。オリーブオイル特有の豊かな味や香りを生かし、パンにつけたりドレッシングなど生食でそのまま使用するのがおすすめ。オリーブ果汁100%なので、とてもフレッシュな味わいを堪能できますね。

2.ブレンドされたピュアオリーブオイル

「ピュアオリーブオイル」とは、オリーブの実を絞って取り出したオイルを精製して香りや味を取り除いたものや、「エキストラバージンオリーブオイル」または「バージンオリーブオイル」を混ぜてブレンドしたものです。オリーブオイル独特の風味が控えめなので、苦手な方も料理に取り入れやすいでしょう。

良いオリーブオイルの選び方5つのポイント

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高品質なエキストラバージンオリーブオイルは、香り豊かでとても美味しいです。そんな優れたオリーブオイルを選ぶポイント5つを詳しく解説します。

その1.遮光されている容器を使っているか

オリーブオイルは、日光や蛍光灯の光にさらされると酸化が進みます。そのため、光を通しにくい濃い色のボトルや金属の容器に入っているものを選ぶと良いでしょう。また、空気に触れても劣化してしまうため、酸素を通しやすいプラスチック容器は避けたほうが良いです。

その2.表面のラベルをチェック

オリーブオイルに貼っているラベルには、重要な情報が記載されています。表面にはイタリア産であるかのように書かれていても、裏面を見てみると原産国の記載がなかったり、全く違う場所が書かれている場合があるので注意が必要です。

また、品質が一定の基準に達したオイルに与えられる、認証マークもチェックしましょう。認証マークには、エコリーフマークやオーガニックマークなどさまざまなマークがあります。

\次のページで「その3.酸度が0.8%以下」を解説!/

その3.酸度が0.8%以下

酸度とは、オイルの鮮度を表す数値で、オイルの中に脂肪酸が何%遊離しているか示したものです。この数値が低いほど新鮮で良質なオリーブオイルとされています。エキストラバージンオリーブオイルの国際基準は、酸度0.1~0.8%以下です。高品質なオリーブオイルを購入したい場合は、酸度が0.8%以下のものを選ぶようにしましょう

その4.価格が安すぎないか

高品質のものには、品質管理などの企業努力が必要でコストもかかります。そして、エキストラバージンオリーブオイルのような最高品質なものは希少なので、価格が高めです。価格が安いものは品質が低い、とは一概には言えませんが、あまりにも安すぎるものには注意してください。

その5.品評会での受賞歴があるか

オリーブオイルには、味や香り、酸度などを評価して優れたオイルを選出する品評会があります。さまざまな品評会がありますが、とくに国際的で大規模な品評会で受賞したオイルは、良質で信頼できるものだと言えるでしょう

ただし、生産規模によっては品評会に出品できない場合もあり、受賞歴がないからといって必ずしも品質が低いとは言えません。購入する際の一つの目安として、ぜひチェックしてみてくださいね。

偽物が出回っているので注意

日本に偽物のエキストラバージンオリーブオイルがたくさん出回っている、と言われている理由は、日本とその他の国で、エキストラバージンオリーブオイルの基準が違うためです。日本だけ、JAS(日本農林規格)の基準で分類しており、とくに酸度の基準が、IOC(世界基準)と大きく異なっています

IOCのエキストラバージンオリーブオイルの基準を満たしていないものでも、日本の基準では満たしていることになっているため、世界基準の本物のエキストラバージンオリーブオイルが店頭に並ぶことが少ないのです。世界基準で選ばれたオイルを購入したい場合は、酸度を確認したほうが良いでしょう。

オリーブオイルの旬を知り、良質なものを選ぼう!

今回は、オリーブオイルの種類、原産地や選び方について解説しました。オリーブオイルにも旬があるということは、なかなか知られていないのですが、種類や時期によって品質に違いがあるということがわかりましたね。より優れたものを購入したい場合は、ラベルに記載されている情報をチェックし、酸度も確認しましょう。良質なエキストラバージンオリーブオイルは味や香りも豊かで、食事も楽しめそうですね。

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家庭科

オリーブオイルにはどんな種類がある?原産地や選び方も栄養士・調理師ライターがわかりやすく解説

店頭に一年中並んでいるオリーブオイルですが、旬があることはあまり知られていないでしょう。種類によっても味わいや香りに違いがあって、購入するときに迷ってしまうのではないでしょうか。今回は日本の食卓にも欠かせないオリーブオイルの原産地や旬、高品質なものを購入したい場合の選び方を、栄養士・調理師ライターみつここと一緒に解説していきます。

ライター/みつここ

ヘルシーでおいしい食事を心がけているwebライターです。最近は、オリーブオイルを使った料理にも挑戦中。栄養士と調理師の資格を活かし、わかりやすく解説していきます。

オリーブオイルの原産地は?旬はあるの?

スーパーなど店頭に一年中並んでいるオリーブオイル。そんなオリーブオイルの「旬」を意識して購入している方は、少ないのではないでしょうか?次の章で、オリーブオイルの主な原産地と旬をみていきましょう。

主な原産地は地中海沿岸地域

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オリーブオイルの主な原産地は、スペイン、イタリア、ギリシャなどの地中海沿岸の地域で、オリーブが最も育ちやすい気候といわれています。その中でもスペインは、生産量、栽培面積、輸出量が世界1位で、なんと2位のイタリアの倍以上!特に南部アンダルシア地方は、スペインのオリーブ生産量の75%を占めており、高品質なものが多いです。

それぞれの原産地によって、味わいなどの特徴が異なります。

日本の原産地は?

香川県の小豆島は、「日本のオリーブ栽培発祥の地」として知られており、110年以上の歴史があります。今では香川県の各地で栽培されており、オリーブの出荷量は日本全体の9割で、オリーブオイルの生産量も全国1位です。小豆島の温暖な気候が地中海沿岸地域に近い、ということがオリーブ栽培成功の理由の一つだと言われています。

旬は11~12月

オリーブの実の収穫時期が、オリーブオイルの旬ですが、生産量第1位のスペインでの収穫時期は、9月頃から2月頃まで。その収穫されたオリーブの実から作られたオイルが日本に届くのが11月から12月頃で、この時期がオリーブオイルの旬ということになります。旬のオリーブオイルは、搾りたての新鮮な味わいと香りです。購入する際には、ぜひチェックしてみてくださいね。

オリーブオイルにはどんな種類がある?

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オリーブオイルの種類は大きく分けて2種類。「エキストラバージンオリーブオイル」と「ピュアオリーブオイル」です。この2つは製法が異なり、どちらも生食・加熱できますが、香りや味わいに違いがあるため人によって好みが分かれます。それぞれの特徴をみていきましょう。

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