にんにくってどんな食べ物?スタミナがつくと言われる理由は?栄養・効能も元保育士がわかりやすく解説
ライター/榎木えふ
現在は我が子の育児を楽しむ元保育士。身体にいいことしているなと嬉しくなるので、食材の栄養成分や効果を調べながら食事するのが好き。長らく食育に携わった経験を踏まえて食に関する知識をわかりやすく発信していく。
にんにくってどんな食べ物?
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まずはにんにくの基本的な情報をおさえておきましょう。特徴や歴史について解説します。
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にんにくの特徴
にんにくは、玉ねぎと同じように主に鱗茎(りんけい)と呼ばれる球根の部分を食べる食材です。うろこのような形の鱗片(りんぺん)が6~10個程度集まっていて、外側が白い皮に覆われています。何と言っても、大きな特徴は強い香りがすることでしょう。生では刺激の強いにおいですが、火を通すと食欲をそそる香ばしい香りが漂います。
にんにくは野菜の仲間
にんにくは淡色野菜に分類される野菜の仲間です。ニラやネギと同じ、ユリ科ネギ属の植物に分類されます。ネギ属の植物は特有のにおい成分を持っているため強い香りがありますよ。
昔は野草の野蒜(のびる)やネギに似た山菜である行者にんにく(小蒜)と区別するために大蒜(おおびる)とも呼ばれていました。蒜(ひる)とはネギを指す言葉です。にんにくと呼ばれるようになったのは仏教用語で我慢を意味する「忍辱(にんにく)」が由来という説が有力で、強烈なにおいに耐えながら食べるものと言われていたことによるようですよ。
にんにくの歴史は?
にんにくの原産地は中央アジアとも西アジアの地中海沿岸とも推定されていますが、紀元前の古代エジプトではすでににんにくが利用されていて、ピラミッドを作る労働者の健康維持と疲労回復のためににんにくが与えられていたことが古文書に記されています。
日本へはインドや中国・朝鮮半島を経て飛鳥時代以降に伝わったと言われていて、西暦400年頃の古事記や奈良時代の万葉集にはすでににんにくの使い方やおいしい食べ方が書かれているようです。一般市民に広く食べられるようになったのは明治時代以降とされています。
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にんにくはどのように利用される?
にんにくは食用として料理に使われることはもちろんですが、大蒜(たいさん)と言って健胃・発汗・利尿・整腸の漢方薬としても古くから使われています。トウガラシと同様に強いにおい成分によって害虫・害獣を寄せ付けない効果を目的とした使われ方もありますよ。
また、にんにくの強い匂いは世界中で魔除けとして使われています。昔は病気というものが魔物や悪魔のしわざだと考えられていたので、抗菌作用が高いにんにくの効果が病気を追い払う=魔除けと考えたことが由来と言われていますよ。吸血鬼がにんにくを嫌うという話も有名ですね。
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にんにくに含まれる栄養素や成分は?
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にんにくは水分が60%以上含まれていて主要な成分は炭水化物です。スタミナがつく・滋養強壮によいと言われる栄養素が小さなひとかけらに詰まっているので、詳しくみていきましょう。
その1.ビタミンの中ではB6が豊富
にんにくのビタミンにはビタミンB1・B2、B6・E・Cが含まれていますが、中でも多く含まれているのはビタミンB6。タンパク質の分解を助けてエネルギーを作るためのビタミンなので、タンパク質をよく食べる人ほどビタミンB6は多く必要になります。免疫機能を正常に維持したり、皮膚や粘膜の健康を保つ作用もありますよ。
100gあたり1.53㎎のビタミンB6が含まれていて、ビタミンB6が多く含まれる食べ物のランキングでは1位から10位までのうち4つがにんにくやその加工品であるというデータもあるほどです。
その2.ミネラル類は無難
骨や歯を丈夫にするカルシウム、カルシウムの吸収を助けるリン、体内の水分とナトリウムの排出に関わるカリウムなどが含まれていますが、特出して多いものではありません。にんにくだけをたくさん食べることも少ないので、他の食材と合わせてバランスをとりましょう。
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