きゅうりはみずみずしくて美味しいが、水分だけで栄養はほとんど無いイメージがあるよな。せっかく野菜を食べるなら栄養も摂りたいところです。実はきゅうりにもカリウムやビタミンCといった栄養が含まれているぞ。今回はきゅうりの栄養や特徴、豆知識まで野菜大好き管理栄養士のツキアオイと一緒に分かりやすく解説していきます。

ライター/ツキアオイ

1児の母として育児に奮闘中の管理栄養士ライター。きゅうりの丸かじりが大好きでおやつにしてしまうほど。病院や介護施設での経験を活かし、食に関して分かりやすく解説する。

きゅうりってどんな野菜?

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家庭料理でよく使用される野菜の一つであるきゅうりは、私たちにとって馴染みがありますよね。それ故に、きゅうりがどんな野菜か考える機会はあまり無かったかもしれません。ここからはきゅうりの特徴やルーツについて見ていきましょう。

世界一カロリーが低い果実

なんときゅうりは「最もエネルギー量(カロリー)が低い果実」としてギネス世界記録に登録されています。100g当たり14kcalと、同じウリ科の野菜であるカボチャの約1/7程度のエネルギー量(カロリー)です。そのためか、きゅうりには栄養が無いというイメージが広まったのかもしれませんね。

ちなみにこちらは「果実(果菜を含む)」としての記録です。全ての野菜の中で比較されたわけではありまんよ。

インドで生まれて中国から伝達

きゅうりの原産地はインドの北部。とても歴史が古く、3,000年以上も前から栽培されていました。その後アジアでも栽培されるようになり、日本へは6世紀頃に中国から伝わってきたとされています。きゅうりの野生種は現在もヒマラヤ山脈に自生していますが、とても苦くて食用にはできないようです。

きゅうりの語源は?

昔は「黄瓜」と書いていたことから「きゅうり」と呼ばれるようになったとする説が有力です。これは、きゅうりが完熟した黄色になるまで待ってから収穫していた事から来ています。完熟したきゅうりは苦味があって食べづらいです。そのため現在日本で食されている緑色のきゅうりは、熟す前の未熟な状態で収穫しているのですよ。

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きゅうりの栄養とその効能は?

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カロリーが低くてもきゅうりには様々な栄養素が含まれていますよ。特に皮に多く含まれている栄養素もあるので、丸ごと食べてほしい野菜の一つです。ここからはきゅうりの栄養と効能について見ていきましょう。

きゅうりの95%は水分!

成分の約95%が水分であるきゅうりはみずみずしさを味わう野菜です。身体を冷やす働きがあるだけでなく水分補給にもなりますよ。暑い夏が旬であるのは理にかなっていますね。ちなみに牛乳の水分含有量は88%。つまり、きゅうりには牛乳より多くの水分が含まれていることになりますよ。

その1.むくみ解消に役立つカリウム

きゅうりにはカリウムが100gあたり200㎎含まれています。カリウムには塩分(ナトリウム)を排泄する働きがあるため、血圧が高めの方には特に心がけて摂って欲しい栄養素です。また、利尿作用もあるのでむくみの解消に役立ちますよ。

カリウムは水に溶けて流れやすい性質を持っています。より多くのカリウムを摂取するためには塩もみなどはせずにそのまま食べるのが効果的ですよ。

その2.皮膚を強くするビタミンC

驚くほど多いわけではありませんが、ビタミンCも比較的多く含まれています。コラーゲンの合成を助けるのがビタミンCの主な働きのひとつです。コラーゲンは皮膚を丈夫にしたりハリやツヤを与えるといった皮膚の健康を保つ役割をしていますよ。

ちまたではきゅうりに含まれる「アスコルビン酸酸化酵素(アスコルビナーゼ)」という酵素がビタミンCを破壊するといった誤解があるようです。しかし、この酵素はビタミンCを酸化する働きがあるだけで破壊するわけではありません。酸化したビタミンCであっても体内での働きは変わらないので安心して食べてくださいね。

その3.皮にはβカロテンも含まれる!

きゅうりの皮にはβカロテンが豊富に含まれています。βカロテンは体内でビタミンAの働きをする栄養素。老化防ぐ働き(抗酸化作用)や免疫力を高める効果がありますよ。余すことなく栄養を摂るためにも皮は捨てずに食べてくださいね。

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きゅうりの豆知識3選

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世界中で食べられているきゅうりは、どの国が主な生産国か知っていますか?また、巻き寿司の定番、かっぱ巻きはなぜきゅうり巻きではないのでしょうか?ここからはそんな疑問について詳しく解説していきましょう。

1.中国が世界の8割を生産!

和食でも多く使用されるきゅうりですが、日本の年間生産量は世界で10位に位置しています。第1位は中国。世界の年間生産量の8割を占めています。次いでトルコ、ロシアと続きますが、両国を合わせても5%に届きません。中国の生産量は年々増加しており、付随して世界全体の生産量も増加し続けています。

2.きゅうりなのにかっぱ巻き?

かっぱ巻きが作られた当初は「きゅうり巻き」と呼ばれていました。しかし、いつしか「かっぱ巻き」と呼ばれるようになったのです。

これは想像上の動物である河童(かっぱ)が「きゅうりが好物であるから」「きゅうりの切り口が河童の皿に似ているから」といったことからきているのだとか。現在ではかっぱ巻きという名称が定着し、寿司屋では単に「かっぱ」と呼んでいるそうですよ。

3.昔は嫌われていた?

江戸時代、きゅうりはあまり好ましい食べ物とされていませんでした。それはきゅうりの切り口が徳川家の家紋に似ていたため武士が恐れて食べなかったようです。きゅうりより先に伝わっていた白瓜やマクワウリが好んで食べられていました。

広く食べられるようになったのは江戸時代末期。当初苦かったきゅうりの品種改良が行われて人気の野菜となりました。現在でも愛され続け、国内収穫量の多い野菜の一つとなっていますよ。

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きゅうりにも栄養はある!夏野菜ならではの効能を生かそう!

この記事ではきゅうりの歴史や栄養、豆知識について解説しました。水分が多く夏に味わうには最適な野菜であるきゅうり。みずみずしく濃い緑色をしたきゅうりは、暑い季節の食欲をそそりますよね。夏バテ予防には水分を摂ることや食欲を維持することが必要です。他の野菜に秀でて多く含まれている栄養素はありませんが、ビタミンやミネラル等総合的に見て様々な栄養素が含まれています。年間を通して食べられるので、食卓に取り入れて水分や栄養を補ってくださいね。

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家庭科

きゅうりに栄養はある?特徴や効果効能・豆知識も野菜大好き管理栄養士がわかりやすく解説!

きゅうりはみずみずしくて美味しいが、水分だけで栄養はほとんど無いイメージがあるよな。せっかく野菜を食べるなら栄養も摂りたいところです。実はきゅうりにもカリウムやビタミンCといった栄養が含まれているぞ。今回はきゅうりの栄養や特徴、豆知識まで野菜大好き管理栄養士のツキアオイと一緒に分かりやすく解説していきます。

ライター/ツキアオイ

1児の母として育児に奮闘中の管理栄養士ライター。きゅうりの丸かじりが大好きでおやつにしてしまうほど。病院や介護施設での経験を活かし、食に関して分かりやすく解説する。

きゅうりってどんな野菜?

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家庭料理でよく使用される野菜の一つであるきゅうりは、私たちにとって馴染みがありますよね。それ故に、きゅうりがどんな野菜か考える機会はあまり無かったかもしれません。ここからはきゅうりの特徴やルーツについて見ていきましょう。

世界一カロリーが低い果実

なんときゅうりは「最もエネルギー量(カロリー)が低い果実」としてギネス世界記録に登録されています。100g当たり14kcalと、同じウリ科の野菜であるカボチャの約1/7程度のエネルギー量(カロリー)です。そのためか、きゅうりには栄養が無いというイメージが広まったのかもしれませんね。

ちなみにこちらは「果実(果菜を含む)」としての記録です。全ての野菜の中で比較されたわけではありまんよ。

インドで生まれて中国から伝達

きゅうりの原産地はインドの北部。とても歴史が古く、3,000年以上も前から栽培されていました。その後アジアでも栽培されるようになり、日本へは6世紀頃に中国から伝わってきたとされています。きゅうりの野生種は現在もヒマラヤ山脈に自生していますが、とても苦くて食用にはできないようです。

きゅうりの語源は?

昔は「黄瓜」と書いていたことから「きゅうり」と呼ばれるようになったとする説が有力です。これは、きゅうりが完熟した黄色になるまで待ってから収穫していた事から来ています。完熟したきゅうりは苦味があって食べづらいです。そのため現在日本で食されている緑色のきゅうりは、熟す前の未熟な状態で収穫しているのですよ。

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