この記事では「聞いて千金見て一文」について解説する。

端的に言えば聞いて千金見て一文の意味は「聞くのと見るのとは大違い」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好きで歴史好き、名古屋出身で7年間のライター経験を持つeastflowerを呼んです。一緒に「聞いて千金見て一文」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/eastflower

今回の記事を担当するのは語学好きで英語、中国語が得意な7年目のライター、eastflower。「聞いて千金見て一文」の言葉の起源やどんな場面で使えるのかをわかりやすく解説していく。

「聞いて千金見て一文」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「聞いて千金見て一文」(きいてせんきんみていちもん)の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「聞いて千金見て一文」の意味は?

まずは、「聞いて千金見て一文」の辞書の意味を見ていきましょう。

1. 話に聞くのと実際に見るのとは大きな相違があること。

出典:広辞苑(岩波書店)「聞いて千金見て一文」

「聞いて千金見て一文」の「千金」(せんきん)とは、千枚の黄金や江戸時代の通貨の「千両」のことで、「一文」(いちもん)の方も江戸時代に流通した銅銭のことです。

この場合の「千金」は非常に多額のお金、「一文」は少額の小銭の例えとして使われています。「聞いて千金見て一文」とは、聞いていた話では非常に価値の高いものだと認識していたのに、実際に見てみるとわずかな価値しかないものだとわかったという意味なのです。

「聞いて千金見て一文」の語源は?

次に語源を確認しておきましょう。「聞いて千金見て一文」は話に聞くのと実際に見たのとは大きな相違があるという意味。昔から多くの人々に共有されてきた概念だと思いますね。

しかし、この慣用句には、「一文」という貨幣単位が登場することから「一文銭」(いちもんせん)が実際に流通し始める江戸時代なのだと考えられます。「一文銭」 は早い時代に中国から伝わっていますが、一般の人々が認識するようになったのが江戸時代からだったのでしょう。

\次のページで「「聞いて千金見て一文」の使い方・例文」を解説!/

「聞いて千金見て一文」の使い方・例文

「聞いて千金見て一文」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1. 話では何も心配することのない生命保険だったはずなのに、実際にガンになってみたら保険の適用にならなくて。まさに聞いて千金見て一文。治療費に随分かかったよ。

2. 聞いて千金見て一文なんてよくあることさ。テレビで見てたのと実際に行って見たものがあまりに違うと感じたこともある。例えば、シンガポールのシンボルのマーライオン。その場に立ってみたら思ってたのよりもかなり小さかったな。

「聞いて千金見て一文」の意味する聞くのと実際に見るのとは大きな違いがあることは、日常生活でもよく経験することですよね。そんな例を取り上げてみました。

「聞いて千金見て一文」の類義語は?違いは?

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それでは、「聞いて千金見て一文」の類義語を見ていきましょう。

\次のページで「「聞いて極楽見て地獄」:聞くのと見るのと大違い」を解説!/

「聞いて極楽見て地獄」:聞くのと見るのと大違い

「聞いて千金見て一文」の類義語のひとつとしてよく使われるのが「聞いて極楽見て地獄」(きいてごくらくみてじごく)という表現です。「聞いて極楽見て地獄」の「極楽」(ごくらく)も「地獄」(じごく)も仏教に起因する概念で「極楽」とは「極楽浄土」(ごくらくじょうど)を略した表現。

「極楽」は、「阿弥陀如来」(あみだにょらい)を信仰し、悟りを開いた仏教徒が死後に行く幸せな場所のことです。一方、「地獄」(じごく)とは、生前、悪行を行ったり人を傷つけた人々が死後に行く世界のことですね。

「聞いて極楽見て地獄」とは、聞いた話では幸せそうな場所だと認識していたが実際に行ってみるとひどいところだったという意味になりますね。

「聞いて千金見て一文」の対義語は?

次に「聞いて千金見て一文」の対義語を見ていきましょう。

「評判通りの」:聞いた話と違わないこと

「聞いて千金見て一文」は、聞いていた話と実際に体験してみたのとでは差があるという意味でしたね。ですから対義語は聞いたことと実際に見たところに差がないという意味を持つ言葉になるでしょう。

そんな意味を持つ言葉のひとつに「評判通りの」(ひょうばんどおりの」があります。「評判」(ひょうばん)は、「世間の評価」や「うわさ」や「名高いと評価されていること」などの意味ですよね。どちらかというと「評判」は、外部から聞こえてくる話ですよね。「評判通りの」は実際に体験してみたところ、聞いていた噂と差がなかった。聞いていた話通りだったという意味で使われています。

「聞いて千金見て一文」の英訳は?

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次に「聞いて千金見て一文」の英訳を見ていきましょう。

\次のページで「There's a big difference between seeing and hearing:見るのと聞くのと差がある」を解説!/

There's a big difference between seeing and hearing:見るのと聞くのと差がある

「聞いて千金見て一文」は、話に聞くのと実際に見るのとでは大きな相違があるという意味でしたね。まず、「大きな差があります」を英語にすると「There is a big difference」になります。「差」や「相違」はおなじみな単語「difference」。「異なった」や「違った」を意味する「difference」の形容詞「different」も、よく出てくる単語ですよね。

なにかとなにかの間を表現する際は、前置詞「between」を使います。「聞くことと見ることの間」は「between seeing and hearing」としましょう。全体で「There\'s a big difference between seeing and hearing」と言えば、「見ることと聞くのとでは大きな差があります。」の意味として相手に正確に言いたいことが伝えられると思いますね。

「聞いて千金見て一文」を使いこなそう

この記事では「聞いて千金見て一文」の意味や使い方などを見てきました。聞いていたことと実際は大きな差があるということでしたね。耳から聞いた情報は人の想像力をふくらませるものですよね。ですから、実態を正確に把握したり、本当に良いものなのかを吟味(ぎんみ)したい場合には実際に自分の目で確認するという行為が必要なのかもしれませんね。

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【慣用句】「聞いて千金見て一文」の意味や使い方は?例文や類語もWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「聞いて千金見て一文」について解説する。

端的に言えば聞いて千金見て一文の意味は「聞くのと見るのとは大違い」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好きで歴史好き、名古屋出身で7年間のライター経験を持つeastflowerを呼んです。一緒に「聞いて千金見て一文」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/eastflower

今回の記事を担当するのは語学好きで英語、中国語が得意な7年目のライター、eastflower。「聞いて千金見て一文」の言葉の起源やどんな場面で使えるのかをわかりやすく解説していく。

「聞いて千金見て一文」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「聞いて千金見て一文」(きいてせんきんみていちもん)の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「聞いて千金見て一文」の意味は?

まずは、「聞いて千金見て一文」の辞書の意味を見ていきましょう。

1. 話に聞くのと実際に見るのとは大きな相違があること。

出典:広辞苑(岩波書店)「聞いて千金見て一文」

「聞いて千金見て一文」の「千金」(せんきん)とは、千枚の黄金や江戸時代の通貨の「千両」のことで、「一文」(いちもん)の方も江戸時代に流通した銅銭のことです。

この場合の「千金」は非常に多額のお金、「一文」は少額の小銭の例えとして使われています。「聞いて千金見て一文」とは、聞いていた話では非常に価値の高いものだと認識していたのに、実際に見てみるとわずかな価値しかないものだとわかったという意味なのです。

「聞いて千金見て一文」の語源は?

次に語源を確認しておきましょう。「聞いて千金見て一文」は話に聞くのと実際に見たのとは大きな相違があるという意味。昔から多くの人々に共有されてきた概念だと思いますね。

しかし、この慣用句には、「一文」という貨幣単位が登場することから「一文銭」(いちもんせん)が実際に流通し始める江戸時代なのだと考えられます。「一文銭」 は早い時代に中国から伝わっていますが、一般の人々が認識するようになったのが江戸時代からだったのでしょう。

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