オレンジ色で丸みを帯びた形をしている秋のフルーツ「柿」。りんごやブドウと並ぶ、秋の味覚です。「さるかに合戦」「桃栗三年柿八年」「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」昔話・ことわざ・俳句と柿はその中で存在感を放ちながら、題材に使われるほど昔から身近な存在だったんです。「柿が赤くなると医者が青くなる」なんて言葉もあるな!この記事では、柿の歴史や栄養・効能を果物大好きパティシエのmei.mと一緒に解説していきます。

ライター/mei.m

15年近くウェディングケーキを作ってきたパティシエで、現在は2児のママ。フルーツが大好きで、味見と称して様々な果物を食べてきました。生まれ育った実家には大きな柿の木があり、柿は小さい頃から慣れ親しんできた果物。

柿ってどんな果物?

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柿は「カキノキ科」の落葉果樹です。現在では1000種を超える品種が、西日本を中心に各地で栽培されています。

5~6月頃に白や黄色の花が咲き、果実の収穫は10月~11月頃です。果皮はオレンジ色で、果肉もオレンジ色、品種によっては柿の成分により黒っぽく見えるものもありますよ。種は入っているものと「種なし柿」と呼ばれる種の無いものがあります。食感はシャキッとしたものからトロっとしたものまで様々ですね。有名な品種としては「富有」や「平核無」などが挙げられます。

日本では柿の木があるお庭を目にする機会も少なくない一般的な果物ですが、「桜が国花」「キジが国鳥」というように、実は柿は「国果」に指定されているのです。ご存じでしたか?私たちに馴染み深い柿は日本を代表する果物だったのですね。

「甘柿と渋柿」どこが違うの?

様々な品種のある柿ですが、柿は大きく「甘柿」と「渋柿」の2種類に分けられます。「渋柿」はその名の通り「渋い柿」なのですが、なぜ柿によって渋さが違うのかご存じでしょうか?

柿の中の渋みのもとは「タンニン」という成分です。渋みのもとと言われると渋柿に多く含まれていそうですが、実は甘柿・渋柿ともにタンニンの含有量は同じ。しかし、それぞれのタンニンの性質が異なります

熟した甘柿の中に含まれるタンニンは「不溶性」といって、口の中で渋み成分であるタンニンが溶け出しません。反対に、渋柿に含まれるタンニンは「水溶性」で、口の中で渋み成分が溶け出し、渋く感じるのです。渋柿は熟してもタンニンが不溶性に代わりにくいため、アルコールなどによる渋抜き作業を行ってから出荷されます。

柿の歴史

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日本には柿に関連する様々な昔話・ことわざ・俳句などがありますね。そのことからも「昔から存在する果物」とイメージされる方も多いはず。では、実際どのくらい昔から、柿は私たちの生活に関わってきたのでしょうか?

柿の歴史は有史以前から

柿の原産地は東アジアです。その発祥は中国や朝鮮半島・日本などいろいろな説がありますが、現在日本で栽培されている柿は、1300年程前に中国からやってきた種と考えられています。

日本での柿の歴史は古く有史以前にさかのぼり、最古の柿の種は縄文時代の遺跡から発掘されました。また、当時の木簡の出土から、奈良時代には柿の栽培がなされていたようです。しかし、その頃はすべて渋柿だったため、現在のような生食というより干し柿や熟柿にして、主に祭祀のお供えに使っていたといわれています。

甘柿は鎌倉時代に渋柿の偶然の変異により誕生しました。甘柿の発祥の地は日本なのですね!その後、江戸時代には品種改良も進み、およそ200種の品種が栽培されるようになりました。

世界の「カキ」

日本が起源とされている甘柿は、16世紀にポルトガル人によってヨーロッパへ持ち込まれ、その後アメリカ大陸に普及していきました。現在の柿の生産量は、第1位の中国が大部分を占めますが、次いで、スペイン・韓国・日本・アゼルバイジャン・ブラジル・ウズベキスタン…と世界中の様々な地域で愛される果物です。

ちなみに、海外では柿を何と呼ぶかご存じですか?そう、日本の「柿」は世界でも「KAKI」なのです!学名は「ディオスピロス・カキ(Diospyros Kaki)」、意味は「神様の食べ物」というそうですよ。日本から世界に広まるフルーツは珍しいのですが、私たちの馴染みある果物が素敵な表現をされていて嬉しいですね。

栄養いっぱい!柿の効能

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柿は栄養成分がとってもたくさん含まれており、昔から「柿が赤くなれば、医者が青くなる」と言われてきました。ビタミンCの含有量は柑橘類の約2倍、主要な果物の中でもトップクラスです。ほかに、カリウム・タンニン・ビタミンAなども柿の代表的な栄養成分ですね。では具体的に柿にはどのような効能があるのでしょうか?

1.美肌効果

柿にたくさん含まれているビタミンCは、体の組織を丈夫にしたり傷を修復する働きのほか、肌にハリや潤いを与えるたんぱく質「コラーゲン」の生成を助けます。さらにメラニン色素の合成を抑え、シミ予防も期待できます。美肌作りにビタミンCは欠かせませんね!


また、ビタミンCと共に、柿のオレンジ色の元であるβカロテン(ビタミンA)にも、皮膚を健康に保ち、シミやしわなどを防ぐ効果があります。ビタミンCもβカロテンどちらも、抗酸化作用というがんや老化の原因である活性酸素の発生を抑える作用がありますので、年齢と共に弱まってしまう抗酸化パワーを助け、老化防止にも役立ちますよ!

2.風邪予防

柿に含まれるビタミンCは体の免疫機能を高めβカロテンは粘膜を丈夫にしてウイルスなどが体内に侵入するのを防ぎます。またビタミンC・βカロテン共に抗酸化作用があるため、健康な細胞を攻撃する活性酸素を抑え、体の免疫機能を守ってくれるのです。

さらに柿には、より抗酸化作用の高い「β-クリプトキサンチン」が多く含まれています。これらカロテンとビタミンCは一緒に摂取すると相乗効果を発揮し、一層高い効果が期待できますよ。まさに柿は一石二鳥ですね!

3.二日酔いの予防と改善

柿の渋み成分であるタンニンは、赤ワインやお茶に含まれることで知られていますね。タンニンはアルコールを分解する作用があり、ビタミンCとの相乗効果でアルコールの排出も促進してくれます。

さらに、柿にはタンニン以外にも、アルコールの分解を助ける酵素カタラーゼが含まれ、二日酔い予防にはもってこい!また、カリウムも豊富なので、利尿作用により二日酔い予防にも効果があるとされています。

\次のページで「葉っぱにも栄養たっぷり」を解説!/

葉っぱにも栄養たっぷり

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柿の木は果実に目が行きがちですが、果実だけでなく「葉っぱ」も利用されます。奈良県の名産品「柿の葉寿司」や「柿の葉茶」などが有名ですね。柿の葉には、ミカンの30倍ものビタミンCが含まれているそうです。

さらに、柿の葉っぱのポリフェノールにはアレルギーの反応を抑制する効果があり、花粉症対策に有効と言われています。柿の葉茶のビタミンCは熱にも強く、健康・美容に効果があるノンカフェイン飲料です。花粉症でお困りの方は、機会があればぜひ試してみてくださいね。

柿を食べすぎるとどうなる?

柿は栄養豊富な果物ですが、食べ過ぎると良くないことも!?ここでは、たくさん食べたいときに気になる点を解説します。

カロリーと糖質

柿と主要な果物のカロリーと糖質量を見てみましょう。

果物名:100gあたりのカロリー/100gあたりの糖質量
・柿:63kcal/14.3g
・バナナ:93kcal/21.4g
・リンゴ:56kcal/13.1g
・ミカン:49kcal/10.8g
・メロン:42kcal/9.8g
・イチゴ:34kcal/7.1g

上記から分かる通り、カロリー・糖質共に、主要な果物の中では高めですね。お菓子を食べるよりはカロリーは抑えられますが、果物なので糖類もたくさん含まれています。1日の果物摂取量の推奨は200~300g、間食の摂取カロリーは1日200kcalといわれていますので、1日1個程度を目安に考えておきましょう。

\次のページで「便秘になる!?」を解説!/

便秘になる!?

柿には便を柔らかくする作用を持つペクチンが含まれており、柿の繊維質と共に整腸効果が期待できます。一方で、柿に含まれるタンニンは便を固める性質を持っていますので、こちらは下痢の改善を助けるでしょう。

しかし、相反する効果を持つことで、体質によっては便秘をひどくする可能性もあるので食べ過ぎにはご注意ください。また、タンニンを大量に摂りすぎると、胃の中で石になってしまうことがあるので、ほどほどに。

柿の食べ過ぎによる結石は有名で、「柿胃石」と呼ばれていますよ。

体を冷やすって本当?

柿は漢方では「寒性」の食べ物とされ、体を冷やすといわれる理由には2つの性質が関係するようです。

1つ目はタンニン。様々な効能を持つタンニンですが、鉄分の吸収を妨げるという欠点があるのです。そのため、大量に摂取すると貧血を起こす可能性があり、血行不良による冷えにつながるのではないかと言われています。

2つ目の理由が、カリウムによる利尿作用です。柿のなる時期は寒くなり始め、トイレの回数も増える頃ですよね。そこで柿を食べることによりカリウムが作用し、体内の温度を保つ働きのあるナトリウムが熱と共にますます体外に排出されやすくなってしまう可能性があります。柿を食べたから直接的に体温が下がる、という効能があるわけではなく、「食べ過ぎに注意しましょう」という言い伝えの側面が強いようです。

栄養たっぷりの柿を食べて、夏の疲れた体をリカバリーしよう!

古代から人々に愛され、日本が誇る果物「柿」。その豊富な栄養は、夏の疲れた体を癒し、寒い冬を迎えるための準備をしてくれます。まさに秋にぴったりな味覚を、世界中の人々と味わいましょう!

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秋の味覚「柿」!その古い歴史と豊富な栄養素・効能を果物大好きパティシエが詳しくわかりやすく解説

オレンジ色で丸みを帯びた形をしている秋のフルーツ「柿」。りんごやブドウと並ぶ、秋の味覚です。「さるかに合戦」「桃栗三年柿八年」「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」昔話・ことわざ・俳句と柿はその中で存在感を放ちながら、題材に使われるほど昔から身近な存在だったんです。「柿が赤くなると医者が青くなる」なんて言葉もあるな!この記事では、柿の歴史や栄養・効能を果物大好きパティシエのmei.mと一緒に解説していきます。

ライター/mei.m

15年近くウェディングケーキを作ってきたパティシエで、現在は2児のママ。フルーツが大好きで、味見と称して様々な果物を食べてきました。生まれ育った実家には大きな柿の木があり、柿は小さい頃から慣れ親しんできた果物。

柿ってどんな果物?

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柿は「カキノキ科」の落葉果樹です。現在では1000種を超える品種が、西日本を中心に各地で栽培されています。

5~6月頃に白や黄色の花が咲き、果実の収穫は10月~11月頃です。果皮はオレンジ色で、果肉もオレンジ色、品種によっては柿の成分により黒っぽく見えるものもありますよ。種は入っているものと「種なし柿」と呼ばれる種の無いものがあります。食感はシャキッとしたものからトロっとしたものまで様々ですね。有名な品種としては「富有」や「平核無」などが挙げられます。

日本では柿の木があるお庭を目にする機会も少なくない一般的な果物ですが、「桜が国花」「キジが国鳥」というように、実は柿は「国果」に指定されているのです。ご存じでしたか?私たちに馴染み深い柿は日本を代表する果物だったのですね。

「甘柿と渋柿」どこが違うの?

様々な品種のある柿ですが、柿は大きく「甘柿」と「渋柿」の2種類に分けられます。「渋柿」はその名の通り「渋い柿」なのですが、なぜ柿によって渋さが違うのかご存じでしょうか?

柿の中の渋みのもとは「タンニン」という成分です。渋みのもとと言われると渋柿に多く含まれていそうですが、実は甘柿・渋柿ともにタンニンの含有量は同じ。しかし、それぞれのタンニンの性質が異なります

熟した甘柿の中に含まれるタンニンは「不溶性」といって、口の中で渋み成分であるタンニンが溶け出しません。反対に、渋柿に含まれるタンニンは「水溶性」で、口の中で渋み成分が溶け出し、渋く感じるのです。渋柿は熟してもタンニンが不溶性に代わりにくいため、アルコールなどによる渋抜き作業を行ってから出荷されます。

柿の歴史

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日本には柿に関連する様々な昔話・ことわざ・俳句などがありますね。そのことからも「昔から存在する果物」とイメージされる方も多いはず。では、実際どのくらい昔から、柿は私たちの生活に関わってきたのでしょうか?

柿の歴史は有史以前から

柿の原産地は東アジアです。その発祥は中国や朝鮮半島・日本などいろいろな説がありますが、現在日本で栽培されている柿は、1300年程前に中国からやってきた種と考えられています。

日本での柿の歴史は古く有史以前にさかのぼり、最古の柿の種は縄文時代の遺跡から発掘されました。また、当時の木簡の出土から、奈良時代には柿の栽培がなされていたようです。しかし、その頃はすべて渋柿だったため、現在のような生食というより干し柿や熟柿にして、主に祭祀のお供えに使っていたといわれています。

甘柿は鎌倉時代に渋柿の偶然の変異により誕生しました。甘柿の発祥の地は日本なのですね!その後、江戸時代には品種改良も進み、およそ200種の品種が栽培されるようになりました。

世界の「カキ」

日本が起源とされている甘柿は、16世紀にポルトガル人によってヨーロッパへ持ち込まれ、その後アメリカ大陸に普及していきました。現在の柿の生産量は、第1位の中国が大部分を占めますが、次いで、スペイン・韓国・日本・アゼルバイジャン・ブラジル・ウズベキスタン…と世界中の様々な地域で愛される果物です。

ちなみに、海外では柿を何と呼ぶかご存じですか?そう、日本の「柿」は世界でも「KAKI」なのです!学名は「ディオスピロス・カキ(Diospyros Kaki)」、意味は「神様の食べ物」というそうですよ。日本から世界に広まるフルーツは珍しいのですが、私たちの馴染みある果物が素敵な表現をされていて嬉しいですね。

栄養いっぱい!柿の効能

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柿は栄養成分がとってもたくさん含まれており、昔から「柿が赤くなれば、医者が青くなる」と言われてきました。ビタミンCの含有量は柑橘類の約2倍、主要な果物の中でもトップクラスです。ほかに、カリウム・タンニン・ビタミンAなども柿の代表的な栄養成分ですね。では具体的に柿にはどのような効能があるのでしょうか?

1.美肌効果

柿にたくさん含まれているビタミンCは、体の組織を丈夫にしたり傷を修復する働きのほか、肌にハリや潤いを与えるたんぱく質「コラーゲン」の生成を助けます。さらにメラニン色素の合成を抑え、シミ予防も期待できます。美肌作りにビタミンCは欠かせませんね!


また、ビタミンCと共に、柿のオレンジ色の元であるβカロテン(ビタミンA)にも、皮膚を健康に保ち、シミやしわなどを防ぐ効果があります。ビタミンCもβカロテンどちらも、抗酸化作用というがんや老化の原因である活性酸素の発生を抑える作用がありますので、年齢と共に弱まってしまう抗酸化パワーを助け、老化防止にも役立ちますよ!

2.風邪予防

柿に含まれるビタミンCは体の免疫機能を高めβカロテンは粘膜を丈夫にしてウイルスなどが体内に侵入するのを防ぎます。またビタミンC・βカロテン共に抗酸化作用があるため、健康な細胞を攻撃する活性酸素を抑え、体の免疫機能を守ってくれるのです。

さらに柿には、より抗酸化作用の高い「β-クリプトキサンチン」が多く含まれています。これらカロテンとビタミンCは一緒に摂取すると相乗効果を発揮し、一層高い効果が期待できますよ。まさに柿は一石二鳥ですね!

3.二日酔いの予防と改善

柿の渋み成分であるタンニンは、赤ワインやお茶に含まれることで知られていますね。タンニンはアルコールを分解する作用があり、ビタミンCとの相乗効果でアルコールの排出も促進してくれます。

さらに、柿にはタンニン以外にも、アルコールの分解を助ける酵素カタラーゼが含まれ、二日酔い予防にはもってこい!また、カリウムも豊富なので、利尿作用により二日酔い予防にも効果があるとされています。

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