この記事では「汗になる」について解説する。

端的に言えば「汗になる」の意味は「働いたり動き回ったりして汗を流す」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

建設系広報誌の企画や校閲を6年経験したMaicodoriを呼んです。一緒に「汗になる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Maicodori

建設系広報誌の企画・校閲などに6年以上携わり、言葉の意味や使い方を調べることが得意なWEBライター。年間100冊を超える豊富な読書量も活かし、「汗になる」の意味をわかりやすく伝える。

「汗になる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「汗になる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「汗になる」の意味は?

「汗になる」には、次のような意味があります。

1. 働いたり動き回ったりして汗を流す。
2. 汗の出るほど、恥ずかしさ、恐ろしさを感じる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「汗になる

「汗になる」は「あせになる」と読み、何かの物事において働いたり動き回ったりして汗を流した際に使用する言葉です。今回は上述した1の意味について主に解説していきます。ビジネスシーンにおいても日常生活においてもよく使用される言葉ですから、正確に意味を覚えておきましょう。

「汗になる」の語源は?

次に「汗になる」の語源を確認しておきましょう。「汗になる」の語源は明確ではありませんが、2つの単語がくっついた慣用句ですから、それぞれの意味を確認しておきましょう。

まず「汗」は物理的な身体現象としての汗ですね。国語辞書では「皮膚の汗腺から分泌される液。水と、微量の食塩・尿素などからなり、皮膚の乾燥を防ぎ、また、体温の調節をする。」と示されています。次に「なる」は「今までと違った状態・形に変わる。」という意味です。

そのため「汗になる」は丁寧に言いまわすと「(身体から出る)汗に(今までとは違って)変わった」という意味となり、この汗に変わった要因が転じて「労働」や「動き回った」状況で使用されることになったと考えられます。

「汗になる」の使い方・例文

「汗になる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1. 仙台で必死に汗になって働いていて、やっと東京に戻れるかと思ったら、今度は名古屋だって。いい加減にしてほしいよ。
2. コトバンクでいろいろな定義をしていくためには、1つ1つ汗になって検討していくしかないんだよ。サボっていては完成しないからね。
3. 精選したお肉が入荷するというお知らせがあったからメニューに記載したのに、今さら入らないなんて。またメニューを考え直すのは汗になるなあ。

どの例文においても「汗になる」は必死に働いたり動き回ったりしている場面で使用されていることがわかりますね。また、実際の身体現象としての「汗」をかかなくても、比喩的に使用することができることもわかるでしょう。

「汗になる」の類義語は?違いは?

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それでは次に、「汗になる」の類義語を3つほどピックアップしましたので、見ていきましょう。

「汗を流す」:一生懸命に身体を動かす

今回まず最初にご紹介する類義語が「汗を流す」(あせをながす)です。こちらもよく口語で使用する慣用句ですが、念のため国語辞書で意味を確認しておきましょう。

\次のページで「「額に汗する」:汗を流して仕事に励む」を解説!/

1. 一生懸命に身体を動かす。労苦をいとわず働く。
2. 湯や水を浴びて汗を洗い落とす。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「汗を流す

「汗になる」の類義語としては1ですね。ほとんど同じ意味を有していることがわかりますが、「汗をかく」は上述した2のような身体の「汗」を実際に洗うという意味も有していますから、文脈によって読み違えないよう注意しましょう。

「額に汗する」:汗を流して仕事に励む

次にご紹介する類義語が「額に汗する」(ひたいにあせする)です。こちらも国語辞書で意味を確認しておきましょう。

汗を流して仕事に励む。一生懸命に仕事をする。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「額に汗する

「額に汗する」は頑張って働くという意味で「汗になる」と類似していますが、比較すると「額に汗する」を使用する場面は「仕事」に限定されているという点が「汗になる」との違いと言えるでしょう。

「奔走」:忙しく走り回ること

今回最後にご紹介する類義語が「奔走」(ほんそう)です。「ほんそう」とちゃんと読めたでしょうか、こちらも念のため意味を確認しておきましょう。

1. 忙しく走り回ること。物事が順調に運ぶようにあちこちかけまわって努力すること。
2. もてなすこと。饗応。馳走。
3. 大切にすること。かわいがること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「奔走

「汗になる」の類義語としては1ですね。「奔走」も忙しく動き回るという点では「汗になる」と類似しており、同じような意味で使用できると言えるでしょう。

「汗になる」の対義語は?

さて、同義語の次は対義語(反対語)を見ていきましょう。

\次のページで「「サボる」:怠ける」を解説!/

「サボる」:怠ける

「汗になる」の対義語としては「サボる」が挙げられますね。「怠ける。怠けて休む。」という意味ですから、汗もかかないという意味で対義関係にあることがわかるでしょう。なお「サボる」は「サボタージュ」という単語が動詞化したものですから、この由来も合わせて覚えておくことをおすすめします。

「汗になる」の英訳は?

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最後に、「汗になる」を英訳するとどうなるかを見ていきましょう。

「work diligently」:一生懸命働く

「汗になる」を英語で言いまわす場合には「work diligently」が良いでしょう。「一生懸命働く」という意味で使用可能ですよ。「work hard」も同じように使用できますから、合わせて覚えておくと良いでしょう。以下に例文を見てみます。

・No matter how diligent I work at this company, there is never any chance of promotion, and moreover, there is always the possibility that I will be fired. It's hard to get motivated.
この会社でいくら汗になるように仕事をしても、昇級するチャンスなんてないし、さらに言えばクビになってしまう可能性が常にあるんだ。モチベーションが上がらないよ。

・The secretary in that lab works diligently every day and leaves at 5:30 p.m. exactly. And after that, she picks up her children and cooks for them, which is amazing.
あの研究室の秘書は毎日汗になって働いて、17時半きっかりに帰っていく。しかもその後、子どもを迎えにいって料理もするっていうんだから、すごいよ。

・The experience of working diligently at something can be a very important success story later in life.
何かの物事で汗になる経験をするということは、その後の人生で非常に重要な成功体験になる可能性があります。

「汗になる」を使いこなそう

この記事では「汗になる」の意味・使い方・類語などを説明しました。簡単に復習しておきましょう。

「汗になる」は何かの物事において働いたり動き回ったりして汗を流した際に使用する言葉でした。ビジネスシーンでも日常生活でも、何かしら頑張って「汗になる」経験は人生の中で必要ですから、そのようなチャンスが来たら嫌がったり避けたりせずに、積極的にチャレンジしてみることをおすすめします。

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国語言葉の意味

【慣用句】「汗になる」の意味や使い方は?例文や類語を元校閲者がわかりやすく解説!

この記事では「汗になる」について解説する。

端的に言えば「汗になる」の意味は「働いたり動き回ったりして汗を流す」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

建設系広報誌の企画や校閲を6年経験したMaicodoriを呼んです。一緒に「汗になる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Maicodori

建設系広報誌の企画・校閲などに6年以上携わり、言葉の意味や使い方を調べることが得意なWEBライター。年間100冊を超える豊富な読書量も活かし、「汗になる」の意味をわかりやすく伝える。

「汗になる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「汗になる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「汗になる」の意味は?

「汗になる」には、次のような意味があります。

1. 働いたり動き回ったりして汗を流す。
2. 汗の出るほど、恥ずかしさ、恐ろしさを感じる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「汗になる

「汗になる」は「あせになる」と読み、何かの物事において働いたり動き回ったりして汗を流した際に使用する言葉です。今回は上述した1の意味について主に解説していきます。ビジネスシーンにおいても日常生活においてもよく使用される言葉ですから、正確に意味を覚えておきましょう。

「汗になる」の語源は?

次に「汗になる」の語源を確認しておきましょう。「汗になる」の語源は明確ではありませんが、2つの単語がくっついた慣用句ですから、それぞれの意味を確認しておきましょう。

まず「汗」は物理的な身体現象としての汗ですね。国語辞書では「皮膚の汗腺から分泌される液。水と、微量の食塩・尿素などからなり、皮膚の乾燥を防ぎ、また、体温の調節をする。」と示されています。次に「なる」は「今までと違った状態・形に変わる。」という意味です。

そのため「汗になる」は丁寧に言いまわすと「(身体から出る)汗に(今までとは違って)変わった」という意味となり、この汗に変わった要因が転じて「労働」や「動き回った」状況で使用されることになったと考えられます。

「汗になる」の使い方・例文

「汗になる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1. 仙台で必死に汗になって働いていて、やっと東京に戻れるかと思ったら、今度は名古屋だって。いい加減にしてほしいよ。
2. コトバンクでいろいろな定義をしていくためには、1つ1つ汗になって検討していくしかないんだよ。サボっていては完成しないからね。
3. 精選したお肉が入荷するというお知らせがあったからメニューに記載したのに、今さら入らないなんて。またメニューを考え直すのは汗になるなあ。

どの例文においても「汗になる」は必死に働いたり動き回ったりしている場面で使用されていることがわかりますね。また、実際の身体現象としての「汗」をかかなくても、比喩的に使用することができることもわかるでしょう。

「汗になる」の類義語は?違いは?

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それでは次に、「汗になる」の類義語を3つほどピックアップしましたので、見ていきましょう。

「汗を流す」:一生懸命に身体を動かす

今回まず最初にご紹介する類義語が「汗を流す」(あせをながす)です。こちらもよく口語で使用する慣用句ですが、念のため国語辞書で意味を確認しておきましょう。

\次のページで「「額に汗する」:汗を流して仕事に励む」を解説!/

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