この記事では臨時職員と非常勤職員の違いについてみていきます。どちらも公務員の非正規雇用で使われることの多い言葉ですが、両方の違いについてはどこが違うのか分かりにくいと感じる人も多い。そこで、同じ非正規雇用でも勤務形態にどのような違いがあるのか詳しく調べてみることにした。雇用の内容を確認しながら、文学部卒のライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

公務員の勤務の仕方が気になる学生時代の春休みに税務署でアルバイトをしたことのある文学部卒のライター。

臨時職員と非常勤職員について

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臨時職員と非常勤職員は、地方自治体の役所などで非正規雇用されている職員のこと。給料はパートタイマーのように時給で計算されることが多いです。ただし、両者は仕事内容や労働時間、雇用期間などについて細かい違いが見られます。

臨時職員の特徴

臨時職員について、4点ほど特徴を挙げていきます。

1.緊急の採用

臨時職員は正規の公務員が一時的に休暇を取るなどして欠ける場合に、緊急で採用される職員のこと。例えば、正規雇用の職員が産前産後休業や育児休業などで休みを取っている場合などが考えられますね。その休みを取っている人の代わりに補充して採用される人のことをいいます。

2.勤務期間は6ヶ月が基本

臨時職員の勤務期間は基本的に6ヶ月。ただし、1回の更新が認められ最大で1年間勤務することもできます。人によっては1年間が過ぎても、一定期間退職してから、再雇用することもあるとのこと。

3.フルタイム勤務

臨時職員は地方公務員法22条によって任用されます。職に就いている間は、正規雇用の職員とほぼ同じような立場で働くため、フルタイムで勤務し、配属先によっては残業を依頼されることもあるようです。仕事の内容は一般事務職員のアシスタント業務が主で、コピー取りやパソコンを使った文書などの作成補助、備品管理などがあります。

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4.副業は禁止

正規の公務員と同じ立場で働くので、もちろん副業は禁止。一般的なアルバイトとは違いますので注意が必要です。

非常勤職員の特徴

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非常勤職員について、特徴を4点にまとめています。

1.専門知識が必要

非常勤職員は、定められた期間に専門的な知識がある人を必要とした場合に雇われる非正規の職員です。地方公務員法で認められた特別職の地方公務員とされています。主な業務は、自治体で運営する保育所や学童保育などの保育士、図書館の司書などの職員、消費生活センターなどの相談員などがあり、資格を持った専門のスタッフによる業務が多いです。

2.勤務期間は1年が基本だが自治体によって違いがある

勤務期間は1年とされている役所が多いですが、自治体によって違いがあります。非常勤職員の条例を地方自治体ごとに定めているので、雇用期間が1年以上にわたる場合もあるようです。

3.勤務日や時間が決まっている

非常勤職員の勤務日や勤務時間は、一週間のうち決まった曜日や一定の時間のみ勤務することがほとんど。個々の自治体によって条例を確認する必要がありますね。

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4.副業はOK

非常勤職員は副業が認められていることが多いです。専門的な知識を生かして掛け持ちで仕事をしている人もいるようですよ。

臨時職員や非常勤職員の仕事に就くには

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次の仕事を探すまでのつなぎとして、もしくは、専門知識を生かして仕事をしたいなどといった希望がある場合、臨時職員や非常勤職員の仕事に就きたいという方もいるようですね。これらの仕事を探すには、ハローワークなどの求人情報地方自治体のホームページを閲覧する市町村役場の広報誌を見るなどの方法があります。

募集は欠員が生じたタイミングで、不定期に求人情報が出されることも多いです。面接や採用試験の日程、採用担当への連絡先などが載せられているので、こまめに確認するとよいでしょう。

臨時職員や非常勤職員と紛らわしい派遣社員との違い

地方自治体の役場や関連の団体では、派遣社員も働いています。派遣社員は、人材派遣会社に登録して、地方自治体の仕事場に派遣された非正規雇用の社員であること。

同じ非正規であっても雇用されている元が民間の会社であるという点で、地方自治体から任用を受けた臨時職員や非常勤職員とは違います。臨時職員や非常勤職員を募集していない場合でも、派遣社員として公的な仕事場で働く方法もあるのですね。

正規の公務員との違い

正規雇用されている公務員との違いは、主に待遇面にあるようです。また、ステップアップができるかどうかもみていきましょう。

\次のページで「臨時職員や非常勤職員は待遇面で劣る」を解説!/

臨時職員や非常勤職員は待遇面で劣る

臨時職員や非常勤職員は、正規雇用の公務員よりも待遇面で劣る傾向にあります。給料は日給月給で計算され、ボーナスの支給は基本的に無し。年収200万円に満たない人もいるようです。

勤務日数が限られている場合もあり、フルタイムでの勤務が認められていないことも。正規の職員に認められる共済制度や福利厚生も適用されないことが多いです。(ただし、一定の条件を満たした臨時職員であれば共済組合員になれることも。)

正規職員へのステップアップは難しいことも

臨時職員や非常勤職員の場合、正規の公務員として働きたいと考えることもあるでしょう。その場合、非正規雇用で働いてきたことで優遇されることはありません。公務員採用試験を受けて面接などを受け合格した上で、地方自治体に採用されなくてはなりません。

しかし、公務員の仕事の把握ができていることから、仕事に就きたい理由を伝えることはできるでしょう。働きながら公務員採用試験に合格できるように勉強をしている人は多いです。

会計年度任用職員とは

会計年度任用職員とは、2020年4月から適用された制度で、非正規雇用である臨時職員と非常勤職員の両方を指すことになりました。これにより、非正規雇用にも地方公務員法が適用されることになり、臨時職員・非常勤職員の採用を行う条件や労働条件をすべての自治体で一律にまとめることになったのです。労働や賃金が正規雇用の公務員と同じ基準が適用され、給与やボーナスの水準の上昇や共済年金の加入など待遇面の改善が期待できるようになりました。

地方公務員法の38条が適用されるため、服務規程が厳しくなります。例えば、政治的行為の制限を受けたり、フルタイムの職員は副業を禁止されたりといった例があげられますね。(パートタイムの職員については、生計の安定や多様な働く機会の確保のため、副業は認められています。)

臨時職員と非常勤職員は勤務形態・雇用期間・仕事内容に違いがある

臨時職員は一時的な人員の補充での採用やフルタイムでの勤務、働く期間が最長で1年で正規の職員の補助業務をする非正規雇用の職員。非常勤職員は専門的な知識を有する人を採用する、雇用期間は条例で決められていて労働時間は週のうち決められた日時のみ。それぞれ採用される理由や勤務形態、雇用期間や仕事の内容などに違いがあります。

ただし、2020年4月から待遇改善のために一律に会計年度任用職員という制度でまとめられました。フルタイムの場合は副業が禁止のように服務規程が厳しく適用され、パートタイムは副業がOKなどのように柔軟な対応がされています。今後はどのように変化するか注視する必要があるでしょう。

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雑学

3分で分かる臨時職員と非常勤職員の違いとは!特徴や派遣社員との違いも公務員の非正規雇用について文学部卒のライターが詳しくわかりやすく解説!

この記事では臨時職員と非常勤職員の違いについてみていきます。どちらも公務員の非正規雇用で使われることの多い言葉ですが、両方の違いについてはどこが違うのか分かりにくいと感じる人も多い。そこで、同じ非正規雇用でも勤務形態にどのような違いがあるのか詳しく調べてみることにした。雇用の内容を確認しながら、文学部卒のライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

公務員の勤務の仕方が気になる学生時代の春休みに税務署でアルバイトをしたことのある文学部卒のライター。

臨時職員と非常勤職員について

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臨時職員と非常勤職員は、地方自治体の役所などで非正規雇用されている職員のこと。給料はパートタイマーのように時給で計算されることが多いです。ただし、両者は仕事内容や労働時間、雇用期間などについて細かい違いが見られます。

臨時職員の特徴

臨時職員について、4点ほど特徴を挙げていきます。

1.緊急の採用

臨時職員は正規の公務員が一時的に休暇を取るなどして欠ける場合に、緊急で採用される職員のこと。例えば、正規雇用の職員が産前産後休業や育児休業などで休みを取っている場合などが考えられますね。その休みを取っている人の代わりに補充して採用される人のことをいいます。

2.勤務期間は6ヶ月が基本

臨時職員の勤務期間は基本的に6ヶ月。ただし、1回の更新が認められ最大で1年間勤務することもできます。人によっては1年間が過ぎても、一定期間退職してから、再雇用することもあるとのこと。

3.フルタイム勤務

臨時職員は地方公務員法22条によって任用されます。職に就いている間は、正規雇用の職員とほぼ同じような立場で働くため、フルタイムで勤務し、配属先によっては残業を依頼されることもあるようです。仕事の内容は一般事務職員のアシスタント業務が主で、コピー取りやパソコンを使った文書などの作成補助、備品管理などがあります。

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