「買ったさつまいもが甘くて当たりだった」、または「あまり甘くなくて外れだった」なんて経験はないか?実は調理の仕方や保存の方法によっても甘さは変わってくるんです。この記事ではさつまいものおいしい食べ方や保存方法、下処理の仕方について管理栄養士のsakurayuと一緒に解説していきます。

ライター/sakurayu

管理栄養士。作ったことのあるさつまいも料理はバター炒めやレモン煮、油分少なめの大学芋など。さつまいものおいしい食べ方や保存方法、下処理の仕方について理由も含めて分かりやすく解説する。

さつまいものおいしい食べ方を調理法別に解説

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さつまいもには茹で・焼き・蒸しなど幅広い調理方法がありますが、それぞれにコツやポイントがあります。一体どうすればさつまいもをおいしく作れるのか、一緒にみていきましょう。

1.茹でるときは水から加熱

さつまいもは水から茹でるとより甘みが引き立ちます。火の強さは弱火にして、じっくり茹でていきましょう。沸騰させすぎるとさつまいもの形が崩れてしまう原因になります。

ポイントは切ってから茹でることです。理由は丸ごと茹でると時間がかかりすぎてしまうから。水に触れる面積が少ないので甘さや栄養が残りやすいメリットもあるのですが、そうであれば「焼く」または「蒸す」方が簡単です。切ってから茹でる場合は大きさにもよるものの、10~15分ほどで出来ます。

2.焼くときは低温でじっくりと

丸ごと焼く場合と切ってから焼く場合に分けてお話します。まず丸ごと焼く場合オーブンを160℃に設定し、余熱なしで80~90分焼くだけで出来上がります。さつまいもはアルミホイルで包んでから焼くと焦げにくく、水分が逃げません。

次に切ってから焼く場合。油をひいたフライパンに切ったさつまいもを並べ、中火で焼き目をつけたらひっくり返します。その後蓋をして弱火で3~5分焼けば出来上がり。蓋をして蒸し焼きすることでパサつきを防げます。どちらにせよ低温でじっくりと焼くことが美味しくなるポイントです。

3.蒸すのは鍋とザルがあれば可能

蒸し器が家に無くても大丈夫。水をはった深めの鍋の上にさつまいもを入れたザルを組み合わせ、フタをして加熱すれば簡単に蒸しさつまいもが作れます。水はさつまいもに直接浸からないようにしてくださいね。フタは布巾で覆うと、内側についた水滴が落ちないのでより本格的に蒸すことが出来ます。湯気が出る程度の火加減で10~20分加熱しましょう。

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4.揚げる前は水にさらす

さつまいもの揚げ物はカリカリとした食感も楽しめるのが魅力です。揚げるときはさつまいもを前もって水にさらすことで、表面のでんぷんを取り除きます。焦げ付きを防ぐことが出来ますよ。油はねを起こさないよう、さつまいもは水気をしっかりふき取ってから油の中に入れるようにしましょう。160℃で表面がきつね色になるまで揚げていきます。

5.電子レンジや炊飯器で簡単に

電子レンジはあっという間に加熱できるので、とにかく早く作りたい場合におすすめです。カットしたさつまいもに水を大さじ1ふりかけ、ラップをして600Wで3~4分かけると火が通ります。しかし電子レンジでの加熱は急激に温度が上がるため、パサついたり甘みが出にくかったりするデメリットも。この場合、さつまいもはそのまま食べるよりも料理やお菓子に使う方が良いと言えるでしょう。

炊飯器の場合はお釜の底から3~4cmの高さまで水を入れ、さつまいもを並べスイッチを押すだけ。さつまいもは大きさによっては半分に切って、重ならないように並べます。玄米モードにすると、よりじっくり火が通るので美味しくできますよ。

さつまいもの保存方法

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さつまいもは保存方法や環境によって、甘みに変化が起きてしまう野菜です。せっかくなら甘くておいしい状態で食べたいですよね。これから保存の温度や期間について詳しくみていきましょう。

おすすめは常温

さつまいもは寒さに弱い食材だというのはご存じでしょうか?寒いシーンに食べるイメージから、意外と思われるかもしれません。

冷蔵庫のように5℃以下の寒い中で保存するとさつまいもは「低温障害」を起こし、黒く変色し味も苦くなってしまします。よって夏場以外は常温保存がおすすめです。直射日光の当たらない、風通しが良い場所で保存しましょう。またさつまいもは水分がつくと傷みやすいため、泥がついていても洗わずに保存すると長持ちします。

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冷蔵・冷凍しても大丈夫?

さつまいもは気温が20℃を超えると発芽することがあり、そのためにエネルギーが使われて甘さが弱くなってしまいます。夏場は気温が高くなるので野菜室で保存しましょう。寒さ対策として1本ずつ新聞紙でくるんでおくと良いです。

生のままでの冷凍は、解凍した時に筋っぽさが残るためおすすめしません。火を入れた状態で重ならないよう並べて冷凍保存しましょう。ペースト状にするとコロッケやポタージュを作る時にすぐ使用しやすいです。

どのくらい日持ちするの?

さつまいもは上手に保存すれば3ヵ月~半年は持ちます。しかしそれは土が付いたままの場合。スーパーで売っているさつまいもはほとんどがきれいに洗ったものなので、傷みやすくなっています。

購入したら1週間程度で食べきるようにしましょう。また、柔らかくなったり変なにおいがするのは腐っている証拠なので、たとえ1週間経っていなくても食べられません。冷凍の場合は長持ちしますが、1ヵ月以内には食べきるようにしましょう。

さつまいもの下処理

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たけのこやナスなど、野菜によっては「あく抜き」をする必要があるのですが、さつまいもはどうなのでしょうか。ここではさつまいもの正しい下処理についてみていきます。

その1.変色は水に浸けて防ごう

「さつまいもを切ってそのまま放置したら、切り口が黒くなってしまった…」という経験はありませんか?これはヤラピンやクロロゲン酸、タンニンと呼ばれる「あく」の成分が原因で、変色するだけでなく渋みや苦みにもつながります。さつまいもは切ったら水に10分ほどさらしましょう。あくが抜けて、色合いを保つことが出来ます。水が濁らなくなるまで、数回水を入れ替えるとより効果的です。

その2.甘くするには塩水に浸けよう

さつまいもは約3%の塩水で1時間浸けるだけで甘くなります。「甘くしたいのに塩水?」と思われる方もいるかもいれませんね。これは味の「対比効果」によるものです。対比効果とは、2種類以上の違う味が混ざることで、片方の味を強く感じる現象のこと。さつまいもに塩分をしみ込ませることで本来の甘みが引き立ちます。

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さつまいもをおいしく食べる秘訣は調理にあり!

同じさつまいもでも、調理方法によって仕上がりに差が出ることがお分かりいただけたでしょうか?おいしさを十分引き出すがゆえ、方法によっては少し時間がかかるものもあります。料理の目的に応じて使い分けたり、あなたの出来そうなことから始めてみてくださいね。

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家庭科

さつまいものおいしい食べ方は?冷凍しても大丈夫?保存や下処理の方法も管理栄養士がわかりやすく解説

「買ったさつまいもが甘くて当たりだった」、または「あまり甘くなくて外れだった」なんて経験はないか?実は調理の仕方や保存の方法によっても甘さは変わってくるんです。この記事ではさつまいものおいしい食べ方や保存方法、下処理の仕方について管理栄養士のsakurayuと一緒に解説していきます。

ライター/sakurayu

管理栄養士。作ったことのあるさつまいも料理はバター炒めやレモン煮、油分少なめの大学芋など。さつまいものおいしい食べ方や保存方法、下処理の仕方について理由も含めて分かりやすく解説する。

さつまいものおいしい食べ方を調理法別に解説

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さつまいもには茹で・焼き・蒸しなど幅広い調理方法がありますが、それぞれにコツやポイントがあります。一体どうすればさつまいもをおいしく作れるのか、一緒にみていきましょう。

1.茹でるときは水から加熱

さつまいもは水から茹でるとより甘みが引き立ちます。火の強さは弱火にして、じっくり茹でていきましょう。沸騰させすぎるとさつまいもの形が崩れてしまう原因になります。

ポイントは切ってから茹でることです。理由は丸ごと茹でると時間がかかりすぎてしまうから。水に触れる面積が少ないので甘さや栄養が残りやすいメリットもあるのですが、そうであれば「焼く」または「蒸す」方が簡単です。切ってから茹でる場合は大きさにもよるものの、10~15分ほどで出来ます。

2.焼くときは低温でじっくりと

丸ごと焼く場合と切ってから焼く場合に分けてお話します。まず丸ごと焼く場合オーブンを160℃に設定し、余熱なしで80~90分焼くだけで出来上がります。さつまいもはアルミホイルで包んでから焼くと焦げにくく、水分が逃げません。

次に切ってから焼く場合。油をひいたフライパンに切ったさつまいもを並べ、中火で焼き目をつけたらひっくり返します。その後蓋をして弱火で3~5分焼けば出来上がり。蓋をして蒸し焼きすることでパサつきを防げます。どちらにせよ低温でじっくりと焼くことが美味しくなるポイントです。

3.蒸すのは鍋とザルがあれば可能

蒸し器が家に無くても大丈夫。水をはった深めの鍋の上にさつまいもを入れたザルを組み合わせ、フタをして加熱すれば簡単に蒸しさつまいもが作れます。水はさつまいもに直接浸からないようにしてくださいね。フタは布巾で覆うと、内側についた水滴が落ちないのでより本格的に蒸すことが出来ます。湯気が出る程度の火加減で10~20分加熱しましょう。

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