赤身魚と白身魚は身の色素が違う
ここまで「赤身魚」と「白身魚」の違い、関連する「青魚」と「光り物」について、そして「赤身魚」と「白身魚」の味と栄養素について語ってきました。
筆者はお寿司屋さんに行くと「白身魚」を注文してから「赤身魚」を注文します。段階的に味や脂の濃厚さを高めて味わおうと思うからです。みなさんも「赤身魚」と「白身魚」の違いを理解した上で、自分なりに魚料理の楽しみ方を見つけてみてください。
魚の説明でよく聞く「赤身魚」と「白身魚」。
なんとなくどういう魚を指すのか想像はついても、はっきりとした見分け方を知らない人は多いんじゃないか。今回は「赤身魚」と「白身魚」の違いについて、雑学好きライターのおおつけと一緒に解説していきます。
ライター/おおつけ
現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。
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お刺身やお寿司など、和食には魅力的な魚料理がたくさんありますね。そんな魚たちに対してよく使われる言葉が「赤身魚」と「白身魚」。ただこの2つの違いを説明できる人は、料理が得意な人や釣り好きな人以外には少ないのではないでしょうか。ここでは「赤身魚」と「白身魚」の違いについて解説していきます。
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「赤身魚」とは、名前の通り身(魚肉)が赤く見える魚のことです。赤く見える理由は赤い色素が多いから。身にミオグロビンという筋肉色素タンパクが多いのです。ミオグロビンは筋肉に酸素を運ぶ役目を担っており、水中を泳ぐための筋肉が発達している魚に豊富に含まれています。代表的な魚はマグロやカツオ、ブリ、アジなど長距離を休みなく泳ぐ魚です。
ちなみに人間の血液が赤く見えるのは、ヘモグロビンという血液色素タンパクが多いため。ヘモグロビンが鉄分を豊富に含むのと同様に、ミオグロビンも鉄分がたくさん含まれています。
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「赤身魚」に対して、「白身魚」は身が白く見える魚のことを指します。白く見える理由は赤い色素をあまり含まないため。岩場や砂場に隠れて、エサや敵に対して瞬間的に飛びつくタイプの泳ぎ方をする魚に多いです。「赤身魚」が長距離ランナーなら、「白身魚」は短距離スプリンターと表現できます。代表的な魚はタイやタラ、カレイ、ヒラメなどです。
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「赤身魚」と「白身魚」の違いについてはおわかりいただけだと思います。ここで気になってくるのは、「よく青魚や光り物という言葉も聞くけど、何が違うの?」ということですよね。ここでは関連ワードとして、「青魚」と「光り物」という言葉の意味についても迫っていきます。
「青魚」は背中の部分が青く光っている魚のことです。「赤身魚」や「白身魚」と異なる点は、身の色ではなく外観の色で識別していること。「青物」とも言います。代表的な魚はアジやサバ、イワシ、サンマなどです。
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これに対して「光り物」はお腹の部分が銀色に光っている魚のことを言います。こちらも外観の色で識別しているんですね。代表的な魚はアジやサバ、イワシ、サンマなどです。お気づきの人もいるかもしれませんが、アジやサバやイワシは「青魚」であって「光り物」でもあります。背中とお腹どちらも条件を満たせば、「青魚」と「光り物」どちらにも含まれることもあるんですね。
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見た目の色の違いで呼称が変わる魚たちですが、味と栄養素の違いも気になりますよね。ここでは「赤身魚」と「白身魚」について、味と栄養素についても解説していきます。
「赤身魚」は長距離を泳ぐために栄養素が豊富です。具体的には酸素を供給するための鉄分、泳ぎ続ける筋肉を構成するタンパク質、さらにエネルギーを蓄積する脂肪分など。そのため濃厚な旨味や脂を堪能することができます。栄養素が豊富な分、変質のペースも早いため「赤身魚」は鮮度が落ちるのが早いです。
「赤身魚」は筋肉質なため、加熱するとキュッと身が締まります。そのため肉類と同様の加熱調理もおすすめです。マグロがステーキやカツなど肉類向けの調理法が合う理由はここにあります。
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「白身魚」は大量の酸素供給やエネルギーの蓄積を必要としないため、鉄分と脂肪分が控えめです。しかし瞬発力を発揮するために筋肉が必要なため、タンパク質は豊富。魚肉ソーセージが「高タンパク低カロリー」なのは、「白身魚」が原料であることが多いから。
「赤身魚」に比べて味わいは淡白ですが、逆にどんな料理にも合う万能プレーヤーとも言えます。タイの昆布じめなど、旨味成分を吸わせる料理も効果的です。加熱するとホロホロとして食べやすいため煮つけなどに向いています。
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ここまで「赤身魚」と「白身魚」の違い、関連する「青魚」と「光り物」について、そして「赤身魚」と「白身魚」の味と栄養素について語ってきました。
筆者はお寿司屋さんに行くと「白身魚」を注文してから「赤身魚」を注文します。段階的に味や脂の濃厚さを高めて味わおうと思うからです。みなさんも「赤身魚」と「白身魚」の違いを理解した上で、自分なりに魚料理の楽しみ方を見つけてみてください。
ここまで「赤身魚」と「白身魚」の違い、関連する「青魚」と「光り物」について、そして「赤身魚」と「白身魚」の味と栄養素について語ってきました。
筆者はお寿司屋さんに行くと「白身魚」を注文してから「赤身魚」を注文します。段階的に味や脂の濃厚さを高めて味わおうと思うからです。みなさんも「赤身魚」と「白身魚」の違いを理解した上で、自分なりに魚料理の楽しみ方を見つけてみてください。