この記事ではさくらんぼを「食べる時」に着目します。
さくらんぼをおいしく食べる方法や保存場所、反対に、どういうものが傷んで食べられないさくらんぼなのか知っているか?
デリケートな果物であるさくらんぼは、適切に扱わないとすぐにカビや腐敗で傷んでしまうんです。また、食べたい食べ方によっても保存の仕方が変わったり、種を取り除く作業も必要になってくる。
それぞれのポイントを押さえながら、最後までおいしく味わうための取り扱い方を、果物大好きパティシエのmei.mと詳しく解説していきます。

ライター/mei.m

15年近くウェディングケーキを作ってきたパティシエで、現在は2児のママ。フルーツが大好きで、味見と称して様々な果物を食べてきました。特にさくらんぼは、好きなものランキング1~2位を争うほどに大好物。

さくらんぼのおいしい食べ方は?

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さくらんぼは何といっても新鮮なまま生食するのが一番おいしい食べ方です。きめ細かい味わいだけでなく、皮のはじける食感やジューシーな果汁、鼻に向ける独特な香りなど、生のさくらんぼでしか感じることができません。良いさくらんぼほど、ぜひ生食をおすすめします!

ここでは、生のさくらんぼをおいしく食べる上で気にしたい点を解説していきますね。

おいしいさくらんぼを準備する

さくらんぼは置いておいても追熟しないため、成熟しているものを選びましょう。さくらんぼの旬は一般的に5月から7月ですが、1本の木で成熟された果実が収穫できるのは2週間から1か月程度とされ、その期間は品種ごとに少しずつずれています。ですから、食べる時に旬を迎えてる品種を用意して、新鮮なうちにいただきましょう!

なるべくその日のうちに食べよう

さくらんぼを美味しく食べるには、鮮度が大切です!さくらんぼは収穫した直後から鮮度と共に味が落ちていきますので、出来るだけ早く食べたほうが良いでしょう。また、冷やしすぎると甘みが減ってしまうので、冷やしすぎないことも大切です。食べる直前に冷水にさっと通すか、冷蔵庫で30分くらい冷やすとおいしくいただけます。

さくらんぼの洗い方

生食だと、虫やほこり、農薬が気になる方もいますよね。さくらんぼも食べる前に水でさっと洗いましょう。しかし、さくらんぼは水につけすぎると旨味が損なわれるので、洗いすぎに注意です!へたが付いたままザルに入れ、水を張ったボウルの中で、ザルごと揺らすように洗います。デリケートな果皮が傷まないように、優しく洗いましょう。

さくらんぼの保存方法

「新鮮が一番」と言われても、回数を分けて食べたいときや、一度に食べたいときもありますよね。そんな時はどのように保存したらよいでしょうか?ずばり、さくらんぼの鮮度を守るのは「温度変化」がキーワードです。

さくらんぼは急激な温度変化に弱いため、基本的に常温で買ってきたものは常温保存クール便などで届いた場合は冷蔵保存が良いでしょう。ここでは、出来るだけさくらんぼの味を損なわせない保存方法を詳しく解説します。

その1.基本は常温

保存に一番適した温度は10℃前後と言われています。洗わずに、通気性の良いザルなどに移して、乾燥防止に濡れた布をかけ、10℃前後の直射日光を避けた風通しの良く涼しい場所での保存が望ましいです。常温で保存する場合、おいしく食べられる日持ちの目安は2~3日程になります。

\次のページで「その2.冷蔵庫なら野菜室へ」を解説!/

その2.冷蔵庫なら野菜室へ

クール便で届いた場合、または常温保存に適した場所がない場合は、冷蔵庫で保存します。直接冷気が当たらないように新聞紙や布を巻いて、冷蔵庫に入れましょう。もし野菜室のある冷蔵庫の場合は、野菜室のほうが好ましいです。

ただし、野菜室でも温度は5~7℃くらい。さくらんぼにとって冷蔵庫は寒すぎるので、あっという間に味が落ちてしまいます。長くても1晩ほどで食べ切りましょう

その3.違った食感が楽しめる冷凍もおすすめ

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常温や冷蔵以上に長期保存したい場合は、冷凍保存もおすすめです。「さくらんぼを冷凍するの!?」と思われるかもしれませんが、生のさくらんぼとは違ったシャーベットのような食感でおいしくいただけますよ!

さくらんぼを冷凍保存する場合の手順はとっても簡単。枝の付いたままのさくらんぼをやさしく水洗いして、水気をよくふき取り、冷凍保存袋に入れ、冷凍庫へ。約1か月ほどは保存できます。食べる時は3分ほど常温で解凍してからいただきましょう。

その4.ジャムやコンポートにすれば長く楽しめる

さくらんぼをたくさんもらったり、買ったさくらんぼが酸っぱかったりして、生食で食べ切れないときは、ひと手間加えて加工してしまいましょう。保存がきいて、大量消費もできますよ!

おすすめは、砂糖とレモン汁があれば作れるジャムやコンポート。失敗が少なく、簡単に出来る上、デザートにトッピングしたり、飲み物に加えたり、色んなアレンジも楽しめます。

やはり、おいしいさくらんぼは生食をおすすめしたいですが、食べきれない場合は、水洗いや種取りなどの下処理をして冷凍しておけば、保存期間も長く、ジャムやコンポートなどの加工に便利ですよ!

食べる前にさくらんぼの種を取りたい時は?

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さくらんぼをジャムやコンポートに加工する場合はあらかじめ種を取っておく必要があります。また、小さい子どもが食べる場合にも、種を除いて与えたほうが安全ですよね。さくらんぼの種取りというと、専用の種取り器(チェリーストーナー)を想像してしまいそうですが、身近なものでも簡単に取ることができます

1.包丁を使った方法

どこのご家庭にもある包丁を使った種の取り方です。特別な器具は何もいらないので、急な時にも使えますね。使用する包丁は、大きいものより小さいものの方がより種を取りやすいです。

用意するもの:さくらんぼ・包丁・まな板
1.さくらんぼの枝を取り、洗って、水気をよく拭き取ります。
2.包丁を枝を外した部分に当て、刃を入れ、種に沿うように1周切り込みを入れます。
3.切り込みが真ん中になるように持ち、両手でねじ回すように開けると半分になります。
4.残った種を指で取ります。

\次のページで「2.割り箸を使った方法」を解説!/

この方法だと種を取り除いた断面がきれいに残ります。少し手間がかかりますが、半分にして飾りに使用するときにおすすめの取り方です。

2.割り箸を使った方法

割り箸は1膳ではなく、2つに折った片方だけを使います。もし、さくらんぼが大量にあるようなら、ひと工夫!ペットボトルなど容器を用意して、飲み口の上にさくらんぼをヘタの部分が上になるように置き、上から下へ種を押し出すようにすると、種はそのままペットボトルの中に落ちます。片付けもスムースですよ。

用意するもの:さくらんぼ・割り箸(1本)
1.さくらんぼの枝を取り、洗って、水気をよく拭き取ります。
2.枝の付いていた部分に割り箸の細い方を当てて、ぐっと差し込みます。
3.種が反対から押し出されます。

あまり力もいらず、スピーディに出来上がりますが、実に穴が開いてしまうため、見た目が気にならない場合に使いたい方法です。割り箸以外にも、竹串やつまようじでも代用できますよ。

3.ストローを使った方法

さくらんぼの形を1番きれいに残せる取り方です。さくらんぼにストローを差し込むので、さくらんぼの大きさに合わせたストローを用意しましょう。小さすぎたり大きすぎると、種が上手く外れなかったり、余分な果肉まで落としてしまいます。

用意するもの:さくらんぼ・先を斜めにカットした太めのストロー
1.さくらんぼの枝を取り、洗って、水気をよく拭き取ります。
2.枝の付いていたところから、斜めに切ったストローを差し込みます。(貫通させず、種に当たったとことで止めます。)
3.種を実から剝がすイメージで、ストローを数回まわします。
4.ストローを種と一緒に引き抜きます。

この方法は枝と反対側の果皮が傷つかず、さくらんぼの丸みがきれいに仕上がります。お菓子のトッピングなど見た目にこだわる場合におすすめな取り方です。

種を取った後の用途や用意できる器具・さくらんぼの大きさなどによって「どの方法で種を取るか」使い分けたら良いですね。

\次のページで「傷んでいるさくらんぼの見分け方は?」を解説!/

傷んでいるさくらんぼの見分け方は?

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ここまで「さくらんぼは大変デリケートな果物であり、傷みやすい」ということを学んできました。では最後に、実際どのようなさくらんぼが傷んでいる状態なのでしょうか。原因と状態を知って、さくらんぼを見分けましょう。

さくらんぼが傷む原因

さくらんぼは様々な要因で風味が無くなったり、変色してしまいます。特に冷蔵から常温へ移動させる場合、急激な温度の変化はさくらんぼ自体にもダメージを与えてしまいますが、同時に、さくらんぼの周りに出来た結露もさらなる傷みの原因にもなるのです。また反対に、乾燥させるのも劣化のもとになりますよ。本当に難しいですね。

他にも、傷がついているものや、パックにぎゅうぎゅう詰めになっている・傷んださくらんぼが同じパックの中にある場合などもカビや腐敗の原因になりますので、保管する場合はあらかじめよく見て選別しておき、余裕を持った大きさの容器に広げましょう。

こんなさくらんぼは要注意!

実際にどのような状態が食べられないさくらんぼなのか、その目安の代表例を挙げてみます。

・黒い部分がある
・白いふわふわが付いている
・白や黒・茶色に変色している
・ぶよぶよしている
・臭いがおかしい(アルコールやカビの臭いがする。)
・汁っぽく、ぐじゅぐじゅしている

これらはカビたり、腐っている可能性があります。カビたり、腐っているさくらんぼは食中毒や腹痛などの原因になりますので、食べずに廃棄しましょう!

さくらんぼは鮮度が命!おいしいさくらんぼを食べよう

さくらんぼは「さっと冷やしてすぐ食べる」がおいしく食べる秘訣!初夏の頃には、鮮度が最も感じられるさくらんぼ狩りに出掛けてみるのも良いですね。また、家庭で保存するときは、農家の方々が丁寧に育てたさくらんぼへの愛情を引き継いで、丁寧に適切に扱いましょう。

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家庭科

さくらんぼの保存方法って?種の取り方や洗い方・傷んだ実の見分け方も果物大好きパティシエが詳しくわかりやすく解説

この記事ではさくらんぼを「食べる時」に着目します。
さくらんぼをおいしく食べる方法や保存場所、反対に、どういうものが傷んで食べられないさくらんぼなのか知っているか?
デリケートな果物であるさくらんぼは、適切に扱わないとすぐにカビや腐敗で傷んでしまうんです。また、食べたい食べ方によっても保存の仕方が変わったり、種を取り除く作業も必要になってくる。
それぞれのポイントを押さえながら、最後までおいしく味わうための取り扱い方を、果物大好きパティシエのmei.mと詳しく解説していきます。

ライター/mei.m

15年近くウェディングケーキを作ってきたパティシエで、現在は2児のママ。フルーツが大好きで、味見と称して様々な果物を食べてきました。特にさくらんぼは、好きなものランキング1~2位を争うほどに大好物。

さくらんぼのおいしい食べ方は?

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さくらんぼは何といっても新鮮なまま生食するのが一番おいしい食べ方です。きめ細かい味わいだけでなく、皮のはじける食感やジューシーな果汁、鼻に向ける独特な香りなど、生のさくらんぼでしか感じることができません。良いさくらんぼほど、ぜひ生食をおすすめします!

ここでは、生のさくらんぼをおいしく食べる上で気にしたい点を解説していきますね。

おいしいさくらんぼを準備する

さくらんぼは置いておいても追熟しないため、成熟しているものを選びましょう。さくらんぼの旬は一般的に5月から7月ですが、1本の木で成熟された果実が収穫できるのは2週間から1か月程度とされ、その期間は品種ごとに少しずつずれています。ですから、食べる時に旬を迎えてる品種を用意して、新鮮なうちにいただきましょう!

なるべくその日のうちに食べよう

さくらんぼを美味しく食べるには、鮮度が大切です!さくらんぼは収穫した直後から鮮度と共に味が落ちていきますので、出来るだけ早く食べたほうが良いでしょう。また、冷やしすぎると甘みが減ってしまうので、冷やしすぎないことも大切です。食べる直前に冷水にさっと通すか、冷蔵庫で30分くらい冷やすとおいしくいただけます。

さくらんぼの洗い方

生食だと、虫やほこり、農薬が気になる方もいますよね。さくらんぼも食べる前に水でさっと洗いましょう。しかし、さくらんぼは水につけすぎると旨味が損なわれるので、洗いすぎに注意です!へたが付いたままザルに入れ、水を張ったボウルの中で、ザルごと揺らすように洗います。デリケートな果皮が傷まないように、優しく洗いましょう。

さくらんぼの保存方法

「新鮮が一番」と言われても、回数を分けて食べたいときや、一度に食べたいときもありますよね。そんな時はどのように保存したらよいでしょうか?ずばり、さくらんぼの鮮度を守るのは「温度変化」がキーワードです。

さくらんぼは急激な温度変化に弱いため、基本的に常温で買ってきたものは常温保存クール便などで届いた場合は冷蔵保存が良いでしょう。ここでは、出来るだけさくらんぼの味を損なわせない保存方法を詳しく解説します。

その1.基本は常温

保存に一番適した温度は10℃前後と言われています。洗わずに、通気性の良いザルなどに移して、乾燥防止に濡れた布をかけ、10℃前後の直射日光を避けた風通しの良く涼しい場所での保存が望ましいです。常温で保存する場合、おいしく食べられる日持ちの目安は2~3日程になります。

\次のページで「その2.冷蔵庫なら野菜室へ」を解説!/

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