今回はピッツァとピザの違いについてみていきます。宅配ピザが浸透してからは、ピザも身近な食事になったよな。でも、店によってはメニューに「ピッツァ」って書いてないか?みんなはピッツァとピザの違いを聞かれたら、どう答えるでしょう。「発音の違い」とか、「何語で言うか」とかか?同じ食べ物を指しているようですが、実は違いは呼び方だけじゃなのです。そこで今回は元パン職人の早坂佳歩と一緒に、それぞれの原点から食べるときのマナーまで、わかりやすく解説していきます。

ライター/早坂佳歩

会計事務所に勤務しながら副業webライターとして活動している。パン屋では大きな四角いピザを焼いていた。マルゲリータ大好きな元パン職人がわかりやすく解説していく。

ピッツァとピザの違いは発音だけじゃない!

image by iStockphoto

「Pizza」を「ピッツァ」と呼ぶか「ピザ」と呼ぶか。おしゃれなお店だと「ピッツァ」と呼んでいるイメージがしますよね。これは発音の違いだと思っている人が多いですが、実は違う食べ物なのです。生まれた国や焼き方、なんと食べ方まで違います。

みなさんの思い浮かべている「Pizza」はピッツァでしょうか、ピザでしょうか。それでは違いをひとつずつみていきましょう。

違いその1:発祥の地

「Pizza」の読み方で「ピッツァ」はイタリア語「ピザ」は英語です。言語の違いからも、生まれた国がなんとなくわかりますね。

ピッツァ:イタリア

ピッツァとピザ、先に誕生したのはピッツァです。16世紀頃のイタリアで、フォカッチャのようなパンにバジルやラードなどをトッピングしたことにより、ピッツァの原形が生まれます。その後イタリアではトマトやチーズの製造が盛んになり、今のトマトベースピッツァが定着したのです。

イタリアンピッツァの王道はやはりマルゲリータですよね。バジルの緑、モッツァレラチーズの白、トマトソースの赤がイタリアの国旗をイメージして作られているのです。

ピザ:アメリカ

image by iStockphoto

1900年代、イタリア系移民がアメリカでピザ屋を開いたのがピザの始まりとされています。ニューヨークやシカゴなど各地で専門店が増え、デリバリーピザの文化が生まれ、アメリカ独自の進化を遂げていきました。

クリスピー生地の「ニューヨークピザ」や、分厚い生地の「シカゴピザ」などのアメリカンピザは、日本でも食べられますよね。今やピザはアメリカを代表する食文化にもなっています。

\次のページで「違いその2:焼き方」を解説!/

違いその2:焼き方

「焼き方でピッツァかピザかが変わるの?」と思いますよね。最も歴史の古いナポリピッツァには伝統を守るための厳しい条件があり、それをクリアしないとピッツァとは呼べないのです。

ピッツァ:窯焼き

image by iStockphoto

ピッツァは石窯の床面で直焼きします。そのためピッツァの裏面には焦げ目がつき、この焦げ目もナポリピッツァの条件のひとつです。柄の長いヘラのようなものを窯に入れて、ピッツァを回転させながら焼いているのを見たことはありませんか?場所により焼き加減を調整して、最高のタイミングで出す、まさに職人技ですね。

ピッツァは生地を味わうというコンセプトがあり、窯で焼くことで表面はカリカリ中はもっちりとした食感に仕上がります。

ピザ:オーブン

ピザは一般的にオーブンで焼き上げます。パンのようにふわふわとした仕上がりです。アメリカの家庭には大きなオーブンがあることも多いため、日常的にピザが焼ける環境にありますね。ピザはピッツァとは違い具材を楽しむものなので、トッピングをたくさん盛り付けて分厚くなる傾向があります。

違いその3:食べ方

日本でのピザの食べ方はアメリカンスタイルで、イタリアでは違うマナーがあります。もし本場で食べる機会があったとき、現地の人に笑われないようにしましょう。

ピッツァ:ナイフとフォーク

ピッツァは複数人でシェアすることなく、ひとり一枚を熱々のうちに食べきるのがマナーです。冷めないように焼き立てがすぐ出てくるので、切れ目は入っていません。食べるときは手ではなくナイフとフォークを使いましょう。

\次のページで「ピザ:切り分けて手づかみ」を解説!/

ピザ:切り分けて手づかみ

image by iStockphoto

ピザはデリバリーが主流なため自宅で食べることが多く、マナーなどはあまりありません。アメリカンピザはサイズが大きくボリューミーで、複数人で食べることが前提となっています。そのため均等にカットされていて、手で持って食べるのが一般的です。アメリカでは大きなピザの1ピースだけをテイクアウトできるところもあり、手軽に食べられるのが特徴ですね。

自宅で美味しくピザを焼くには?

チルドや冷凍のピザも種類が豊富で、デリバリーより安くピザを楽しめます。せっかくピザを食べるなら、お店で焼いたもののように美味しく食べたいですよね。ピザを美味しく焼くポイントは、高温かつ短時間で焼くこと。オーブンを使って焼いてもいいですが、余熱に時間がかかってしまいます。

そこでおすすめなのが、魚焼きグリルです。魚焼きグリルは、家庭用調理機器の中で最も高温になります。狭いためすぐ温度が上がるのですね。上火と下火の両方で加熱できるので、裏面もカリッと焼けます。「オーブンがないから仕方なくトースターで…」という方はぜひ試してみてください。

日本の主流は「ピザ」

焼き方や食べ方の違いをみてみると、日本で多く食べられているのは「ピザ」だということがわかりますね。ただ、最近の宅配ピザは生地の種類が選べたり、違う味のピザが一枚になっていたり、いろいろと進化しています。テリヤキや明太子など、日本独自の味もありますよね。日本のピザは、アメリカンピザを日本人好みにアレンジした、新しい食文化であると言えるのではないでしょうか。

" /> ピッツァとピザは違う食べ物?歴史や焼き方・食べ方の違いなどを元パン職人がわかりやすく解説 – Study-Z
雑学

ピッツァとピザは違う食べ物?歴史や焼き方・食べ方の違いなどを元パン職人がわかりやすく解説

今回はピッツァとピザの違いについてみていきます。宅配ピザが浸透してからは、ピザも身近な食事になったよな。でも、店によってはメニューに「ピッツァ」って書いてないか?みんなはピッツァとピザの違いを聞かれたら、どう答えるでしょう。「発音の違い」とか、「何語で言うか」とかか?同じ食べ物を指しているようですが、実は違いは呼び方だけじゃなのです。そこで今回は元パン職人の早坂佳歩と一緒に、それぞれの原点から食べるときのマナーまで、わかりやすく解説していきます。

ライター/早坂佳歩

会計事務所に勤務しながら副業webライターとして活動している。パン屋では大きな四角いピザを焼いていた。マルゲリータ大好きな元パン職人がわかりやすく解説していく。

ピッツァとピザの違いは発音だけじゃない!

image by iStockphoto

「Pizza」を「ピッツァ」と呼ぶか「ピザ」と呼ぶか。おしゃれなお店だと「ピッツァ」と呼んでいるイメージがしますよね。これは発音の違いだと思っている人が多いですが、実は違う食べ物なのです。生まれた国や焼き方、なんと食べ方まで違います。

みなさんの思い浮かべている「Pizza」はピッツァでしょうか、ピザでしょうか。それでは違いをひとつずつみていきましょう。

違いその1:発祥の地

「Pizza」の読み方で「ピッツァ」はイタリア語「ピザ」は英語です。言語の違いからも、生まれた国がなんとなくわかりますね。

ピッツァ:イタリア

ピッツァとピザ、先に誕生したのはピッツァです。16世紀頃のイタリアで、フォカッチャのようなパンにバジルやラードなどをトッピングしたことにより、ピッツァの原形が生まれます。その後イタリアではトマトやチーズの製造が盛んになり、今のトマトベースピッツァが定着したのです。

イタリアンピッツァの王道はやはりマルゲリータですよね。バジルの緑、モッツァレラチーズの白、トマトソースの赤がイタリアの国旗をイメージして作られているのです。

ピザ:アメリカ

image by iStockphoto

1900年代、イタリア系移民がアメリカでピザ屋を開いたのがピザの始まりとされています。ニューヨークやシカゴなど各地で専門店が増え、デリバリーピザの文化が生まれ、アメリカ独自の進化を遂げていきました。

クリスピー生地の「ニューヨークピザ」や、分厚い生地の「シカゴピザ」などのアメリカンピザは、日本でも食べられますよね。今やピザはアメリカを代表する食文化にもなっています。

\次のページで「違いその2:焼き方」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: