みんな店にズラッと並んださつまいもを見て「どれを選んだら良いのかわからない」と困ったことはないか?今回はさつまいもの旬の話から、品種の違いや新鮮なものの選び方について管理栄養士のsakurayuと一緒に解説していきます。

ライター/sakurayu

管理栄養士。さつまいもを買う時は必ずねっとり系の紅はるかを選んでいる。さつまいもの旬や品種、選び方についてわかりやすく解説する。

さつまいもの旬っていつ?産地はどこ?

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拾い集めた落ち葉の焚き火で焼き芋をつくる…こんな光景を思い浮かべて、さつまいもの旬は秋とイメージしている方も多いのではないでしょうか。ここではさつまいもの実際の旬の時期と生産地についてお話します。

さつまいもの旬は秋!

さつまいもの旬は秋!皆さんのイメージ通りですね。しかし食べ頃はもう少し先だというのもご存じでしょうか?実は採れたてよりも2~3ヶ月ほど貯蔵したさつまいもの方がおいしいのです。収穫時期は品種によって多少ずれはあるものの、8~11月頃。なので食べ頃は10~1月頃となります。

さつまいもの収穫量トップは鹿児島県

さつまいもは鹿児島県で1番多く収穫されており、2番目に茨城県、3番目に千葉県と続きます。

鹿児島県は芋焼酎やでんぷん、その他加工品用向けの品種の栽培が多く、そのまま食べるものとしては非常に糖度が高い品種「安納芋」が有名です。全国の30%以上の生産は鹿児島県が担っています。茨城県や千葉県は焼き芋と干し芋用の品種の生産で有名です。生産量トップ3の鹿児島県、茨城県、千葉県を合わせて、全国の生産量の70%以上を占めています。

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さつまいもの種類は?

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私たちにとって身近な存在のさつまいもですが、お店に並ぶたくさんの種類を見てどれを選べば良いのか迷った経験はないですか?今回はほくほく系・ねっとり系・しっとり系といった食感別、またオレンジ色・白色・紫色の色別に分けてみていきましょう。

ほくほく系:紅あずまなど

昔ながらの味わいが楽しめるほくほく系。さつまいもといえばほくほく系をイメージする方も多いでしょう。主な品種としては紅あずま、鳴門金時などが当てはまります。

紅あずまは甘さが十分あるものの水分量が少なく、粉っぽさを残しておりその素朴な味わいが人気。甘すぎるのが苦手な方におすすめです。鳴門金時は徳島県を代表する農産品で、栗のような食感が楽しめます。繊維質が少なく煮崩れしにくいのが特徴です。

しっとり系:シルクスイートなど

ほくほく系とねっとり系の中間とも言えるしっとり系。主な品種としてはシルクスイート、ひめあやかなどが当てはまります。

シルクスイートは2012年に登場した比較的新しいさつまいもです。「シルク」という名の通り、絹のようになめらかな食感を味わうことが出来ます。ひめあやかは1本のサイズが200g以下と小さく食べ切りやすいのが特徴。ちょっとしたおやつにありがたいですね。

ねっとり系:安納芋など

ねっとり系は貯蔵や加熱により甘みが増しやすく、ほくほく系やしっとり系よりも濃厚な甘さを持っています。主な品種は安納芋、紅はるかなど。

安納芋は種子島(鹿児島県)の特産品でコロンといた丸い形をしており、じっくり焼き上げると糖度が50度前後になります。バナナで糖度20度前後とされるので、非常に甘いことが分かるでしょう。食感はクリーミーという言い換えられるほどねっとりしています。

紅はるかは「はるかに甘い」品種として名付けられました。安納芋を超えるほどの強い甘さがありつつも、水分が適度に含まれていて食べやすいです。

オレンジ色:アヤコマチなど

かぼちゃのように濃いオレンジ色をしているさつまいももあります。オレンジ色の成分であるβ-カロテンには抗酸化作用があるので、健康や美容にうれしい効果も期待できますね。主な品種はアヤコマチ、サニーレッドなどが当てはまります。

アヤコマチは加熱するとより鮮やかなオレンジ色になるので、サラダにするなど色を活かした料理に使うと良いです。サニーレッドはパウダーとして加工され、鮮やかなオレンジ色のパンやお菓子をつくることができます。

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白色:黄金千貫など

じゃがいものように白い品種のさつまいもはでんぷんの含有量が多く、主に加工用として利用されています。主な品種は黄金千貫(こがねせんがん)やシロユタカなど。

黄金千貫は芋焼酎の原料に使われることが多いです。なんと現在販売されている芋焼酎の9割以上はこの品種からつくられています。多くの焼酎ファンをうならせているんですね。

シロユタカは主にでんぷんの原料になります。普段使っている調味料やスナック菓子の原材料名を一度眺めてみてください。「加工でんぷん」や「でんぷん」と書かれていたら、シロユタカはその中に使われている可能性があります。

紫色:パープルスイートロードなど

紫いもとも呼ばれる、果肉が赤紫~紫色のさつまいも。その鮮やかな色合いは、視力を回復などの効能で知られるアントシアニンによるものです。主な品種はパープルスイートロードやアヤムラサキなどが当てはまります。

一般的に紫いもは甘くないといわれている中、パープルスイートロードは十分な甘みを持ち合わせているのが強み。お菓子やサラダなどにすると華やかな見た目になるのが想像できますね。

アヤムラサキは加工用として、天然色素やジュース、ペースト、パウダーなどに利用されます。

おいしいさつまいもの選び方は?

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先ほどさつまいもは収穫してから2~3ヵ月貯蔵したものの方がおいしいとお話しました。ここでは貯蔵する理由を解説した上で、お店でのおいしいさつまいもの選び方を解説します。

収穫直後は糖度が低い

収穫直後のさつまいもは水っぽく甘みが少ないです。2~3か月ほど貯蔵することで、余分な水分が抜けて甘みが増します。またでんぷんは貯蔵によってショ糖などに変化するので、より甘いさつまいもに。貯蔵した方が良いといわれるのはこのためだったのですね。

皮・ひげ根・重さに注目

さつまいもの皮は色味が均一で鮮やかなもの、表面に傷や黒ずみのないきれいなものを選びましょう。乾燥が進むと皮はシワシワになるので、ハリ・ツヤの良いものほど新鮮ということになります。

また持ち上げた時にずっしりと重みを感じ、でこぼこやひげ根が少ないものを選びましょう。ひげ根が多いものは繊維が多く筋っぽいことが多いです。

まれに端からあめ色の蜜が出ているものが見かけられますが、これは糖度が高い証拠です!見つけたらラッキーですよ。蜜のあとが乾いて黒ずんでいる場合もありますので、手にとって確認してみてください。

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自分好みのさつまいもを見つけてみよう

気になるさつまいもはありましたか?いくつか食べ比べをして自分好みの品種を探してみるのも楽しいと思います。おいしいさつまいもは皮の状態が良く、重くてひげ根がないものでしたね。お店に行ったときはぜひ「いも利き」をしてみてください。

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家庭科

さつまいもの旬と食べ頃は違う?糖度の高い品種は?産地や選び方も管理栄養士がわかりやすく解説

みんな店にズラッと並んださつまいもを見て「どれを選んだら良いのかわからない」と困ったことはないか?今回はさつまいもの旬の話から、品種の違いや新鮮なものの選び方について管理栄養士のsakurayuと一緒に解説していきます。

ライター/sakurayu

管理栄養士。さつまいもを買う時は必ずねっとり系の紅はるかを選んでいる。さつまいもの旬や品種、選び方についてわかりやすく解説する。

さつまいもの旬っていつ?産地はどこ?

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拾い集めた落ち葉の焚き火で焼き芋をつくる…こんな光景を思い浮かべて、さつまいもの旬は秋とイメージしている方も多いのではないでしょうか。ここではさつまいもの実際の旬の時期と生産地についてお話します。

さつまいもの旬は秋!

さつまいもの旬は秋!皆さんのイメージ通りですね。しかし食べ頃はもう少し先だというのもご存じでしょうか?実は採れたてよりも2~3ヶ月ほど貯蔵したさつまいもの方がおいしいのです。収穫時期は品種によって多少ずれはあるものの、8~11月頃。なので食べ頃は10~1月頃となります。

さつまいもの収穫量トップは鹿児島県

さつまいもは鹿児島県で1番多く収穫されており、2番目に茨城県、3番目に千葉県と続きます。

鹿児島県は芋焼酎やでんぷん、その他加工品用向けの品種の栽培が多く、そのまま食べるものとしては非常に糖度が高い品種「安納芋」が有名です。全国の30%以上の生産は鹿児島県が担っています。茨城県や千葉県は焼き芋と干し芋用の品種の生産で有名です。生産量トップ3の鹿児島県、茨城県、千葉県を合わせて、全国の生産量の70%以上を占めています。

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