化学理科

物が燃える条件とは?燃焼と酸素の関係を化学系科学館職員がわかりやすく解説

no-img2″>
 <figcaption class=桜木建二

可燃物=可燃性がある(燃える)、酸素=助燃性がある。燃えるものと燃えるのを助けるものという関係にあるんだな。

燃焼の化学

image by PIXTA / 77689927

それでは燃焼という現象を化学的な視点で見ていきましょう。

燃焼とエネルギー

燃焼とは、可燃物と支燃物(酸素など、可燃物に結びついて可燃物を燃やすもの)が、結びつく化学反応です。そして化学変化が起こるとき、必ず熱の出入りが発生します。例えば燃焼熱は1molの物質が完全に燃焼した時に発生する熱、中和熱は中和によって1molの水が発生するときに発生する熱のことです。

塩酸に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和すると、熱が発生し溶液が温かくなります。これは中和が発熱反応だからです。一方、尿素を水に溶かすとその溶液は冷たくなります。これは尿素を水に溶かすときに起きる化学反応が吸熱反応だからです。さて、燃焼とエネルギーにはどんな関係があるのでしょうか。

image by Study-Z編集部

可燃物が熱を受け取ると、物質の構成粒子が行う熱運動のエネルギーが増えます。熱運動のエネルギー増えると粒子の運動は激しくなり、可燃物と酸素分子が衝突しやすくなるのです。そして衝突した可燃物と酸素分子の化学結合が変化して酸化物質となります。

原子の組み換えが起こるど、物質が持つエネルギーはどうなるのでしょうか。組み換えによって化学物質はより安定した構造となり、物質が持つ化学エネルギーは小さくなります。前後の物質が持つ化学エネルギーの差が熱や光のエネルギーとして放出されるのです。さらに化学反応によって発生した熱によって残りの可燃性物質と酸素が結びつく化学反応が起こる、と言うように連鎖的に組み換えが連鎖的に起こります。これが燃焼のメカニズムなのです

酸化とはどんな現象?

つづいて、酸化反応について解説します。酸化とは物質が酸素と化合する反応のことです。正確には物質が電子を失うことや水素が奪われる化学反応も酸化ですが、今回は燃焼がテーマという事で酸素と化合することに注目して解説していきます。

酸化還元について詳しく知りたい人にはこちらの記事がおすすめです。

それでは水素( H2)を例に酸化を考えていきましょう。水素を燃焼させると、酸化してとなります。化学でおなじみの水の化合の式がこちらです。

2H2 + O2 → 2H2O

水素の燃焼実験は実験用の水素と酸素の卓上ボンベがあれば簡単にできます。シャボン液を薄く塗った時計皿にシリンジを使って水素と酸素が体積比2:1となるように注入し、ライターなどで火をつけることで水素を燃焼させることができるのです。

簡単にできる実験ですが、かなり大きな音がします。そのため、実験するときには周囲への配慮が必要です。また、学校で行う燃焼実験としてスチールウールマグネシウムリボンの燃焼があげらます。

no-img2″>
 <figcaption class=桜木建二

可燃性のガスや液体を使う場合、空気中に可燃性の蒸気がたまると大変危険だ。火を使う実験の時は換気を忘れずにな。

完全燃焼と不完全燃焼

冬に寒くて締め切って換気が不十分な部屋でストーブを使った結果、一酸化炭素中毒が起きたというニュースを聞いたことがないでしょうか?エタノールやメタンガス、炭素を含む物質を完全に燃焼すると二酸化炭(CO2)が発生します。しかし、酸素が十分にない場合完全に酸化することができません。そのため不完全燃焼が起き、一酸化炭素(CO)が発生してしまうのです。

二酸化炭素といえば地球温暖化現象の原因物質としてマイナスなイメージを持っている人も多いでしょう。しかし、ドライアイスや炭酸の素として使われていることからわかるように、人間に有害なものではありません。一方、一酸化炭素が体内に入ると血液の酸素運搬能力が低下する一酸化炭素中毒を引き起こします。

二酸化炭素と一酸化炭素についてはこちらの記事をどうぞ。

no-img2″>
 <figcaption class=桜木建二

二酸化炭素自体は有害ではないが、濃度が高いと窒息のリスクがある。そのため、大量のドライアイスを使う場合は換気が必要だ。

燃焼の三大要素

燃焼の3つの要素、可燃物・熱・酸素。可燃性のある可燃物に対し、酸素には助燃性があります。どれか一つでも欠けると燃焼を続けることができません。そのため消火するときは酸素を遮断したり、水をかけて温度を冷やすといった方法が有効です。

燃焼は化学反応の基本で、火起こしや調理などで最も目にする機会も多い化学反応とも言えます。これを機に、燃焼のメカニズムを確認してみてくださいね。

1 2 3
Share: