この記事では「目に障る」について解説する。

端的に言えば目に障るの意味は「目の毒になる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「目に障る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「目に障る(めにさわる)」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「目に障る」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「目に障る」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「目に障る」の意味は?

「目に障る」というキーワードを精選国語辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.目の毒になる。転じて、見て不愉快になる。「相手の一挙手一投足が―・る」
2.視界を妨げる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「目に障る」

「目に障る」は目の毒になる、転じて見て不愉快になること、または視界を妨げることを意味する慣用句です。大まかに分けてニ種類の意味をもった言葉となっているため、見聞きした際はどちらの意味で使われているのか、前後の文脈に注意しながら読み取っていきましょう。

場合によって見て不愉快になる様子を表すなど、ネガティブな意味合いを含む言葉となっているため使用する際は注意が必要です。「目に障る」は書籍・新聞等の文章中を中心として使われている言葉となっています。この機会に「目に障る」の意味・用法をしっかりと確認し、自身の語彙力を高めていきましょう。

「目に障る」の語源は?

次に「目に障る」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「目に障る」の語源は現在はっきりとはしていません。「目に障る」の語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。また語源とあわせて、「目に障る」がいつ頃から使われだした言葉なのか、発生時期についても確認しておきましょう。

1223年頃の海道記には「一山中に数山を阻て、千巖の嶺眼にさはり」としてこの言葉が登場しています。このことから「目に障る」が非常に古くから現在と同様の意味で使われている言葉であることが分かりますね。こちらの点についても、あわせて覚えておきましょう。

\次のページで「「目に障る」の使い方・例文」を解説!/

「目に障る」の使い方・例文

「目に障る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.場違いな衣装を着る彼の姿が目に障る。
2.部屋に残された、別れた彼との写真が目に障る。
3.伸びた髪が目に障る。

「目に障る」は例文のように、見ていて不愉快になる、または視界を妨げることを表して使われている言葉です。現在は視界を妨げるという意味では使われることが少なく、基本的には見ていて不愉快になることを表して使われていることが多いため、こちらの点についても覚えておきましょう。

また口語においては使われることがほとんどないため、実際に使用する際はこちらの点についても注意が必要です。例文から「目に障る」の実際の使用場面をイメージし、自身でも使用することができるようにしていきましょう。

「目に障る」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

続いて「目に障る」の類義語・違いについて確認していきましょう。「目に障る」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「目に障る」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「気に障る(きにさわる)」:いやな気持ちを起こさせる

「気に障る」はいやな気持ちを起こさせるという意味をもった慣用句です。こちらも不愉快になる様子を表す言葉となっており、「目に障る」と似た意味をもった類義語となっています。こちらは目に障ると異なり、「見る」という点に重点が置かれていないため違いに注意しましょう。

\次のページで「その2「目障り(めざわり)」:見て不愉快になる」を解説!/

その2「目障り(めざわり)」:見て不愉快になる

「目障り」は見て不愉快であること、物を見るのに邪魔であることを意味する慣用句です。こちらも見て不愉快になること、視界の邪魔になることを意味する言葉となっており、「目に障る」とほぼ同じ意味をもった類義語となっています。使用頻度等に違いがあるため注意しましょう。

その3「癪に障る(しゃくにさわる)」:物事が気に入らず腹が立つ

「癪に障る」は物事が気に入らず腹が立つことを意味する慣用句です。こちらも不愉快になる様子を意味する言葉となっており、「目に障る」と似た意味をもった類義語となっています。他に、胸または腹に急激な痛みが起こりそうになるという意味ももっている点に注意しましょう。

その4「胸糞が悪い(むなくそがわるい)」:胸がむかむかするほど不快

「胸糞が悪い」は胸がむかむかするほど不快であるという意味をもった慣用句です。こちらも不愉快になる様子を意味する言葉となっており、「目に障る」と似た意味をもった類義語となっています。より幅広い場面で使われている言葉となっているため、注意して覚えておきましょう。

その5「耳障り(みみざわり)」:聞いて不愉快になる

「耳障り」は聞いて気に障り、不快に感じることを意味する慣用句です。こちらも不愉快になる様子を意味する言葉となっており、「目に障る」と似た意味をもった類義語となっています。こちらは見て不愉快になることではなく、聞いて不愉快になることを表す点に注意して覚えておきましょう。

「目に障る」の対義語は?

image by iStockphoto

つづいて「目に障る」の対義語についても確認していきましょう。「目に障る」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「目の薬(めのくすり)」:見て心の慰みになる

「目の薬」は見ることによって心の慰みになるものを意味する慣用句です。「目に障る」が見ていて不愉快になることを意味していたのに対し、こちらは見ていて心の慰みになることを意味しています。反対の意味をもつ対義語として、こちらの言葉についてもあわせて覚えておきましょう。

\次のページで「「目に障る」を使いこなそう」を解説!/

「目に障る」を使いこなそう

この記事では「目に障る」の意味・使い方・類語などを説明しました。「目に障る」は見ていて不愉快になること、視界を妨げることを意味している慣用句です。単に不愉快になることを意味するのではなく、見ることによって不愉快になることを表す点に注意して覚えておきましょう。

また類義語には「気に障る」、「目障り」、「癪に障る」、「胸糞が悪い」、「耳障り」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

" /> 【慣用句】「目に障る」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

【慣用句】「目に障る」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「目に障る」について解説する。

端的に言えば目に障るの意味は「目の毒になる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「目に障る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「目に障る(めにさわる)」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「目に障る」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「目に障る」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「目に障る」の意味は?

「目に障る」というキーワードを精選国語辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.目の毒になる。転じて、見て不愉快になる。「相手の一挙手一投足が―・る」
2.視界を妨げる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「目に障る」

「目に障る」は目の毒になる、転じて見て不愉快になること、または視界を妨げることを意味する慣用句です。大まかに分けてニ種類の意味をもった言葉となっているため、見聞きした際はどちらの意味で使われているのか、前後の文脈に注意しながら読み取っていきましょう。

場合によって見て不愉快になる様子を表すなど、ネガティブな意味合いを含む言葉となっているため使用する際は注意が必要です。「目に障る」は書籍・新聞等の文章中を中心として使われている言葉となっています。この機会に「目に障る」の意味・用法をしっかりと確認し、自身の語彙力を高めていきましょう。

「目に障る」の語源は?

次に「目に障る」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「目に障る」の語源は現在はっきりとはしていません。「目に障る」の語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。また語源とあわせて、「目に障る」がいつ頃から使われだした言葉なのか、発生時期についても確認しておきましょう。

1223年頃の海道記には「一山中に数山を阻て、千巖の嶺眼にさはり」としてこの言葉が登場しています。このことから「目に障る」が非常に古くから現在と同様の意味で使われている言葉であることが分かりますね。こちらの点についても、あわせて覚えておきましょう。

\次のページで「「目に障る」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: