この記事では「軒を争う」について解説する。

端的に言えば軒を争うの意味は「密集している」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「軒を争う」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「軒を争う」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「軒を争う」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「軒を争う」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「軒を争う」の意味は?

「軒を争う」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.草などが高く伸びて軒をおおい、すきもなく生い茂る。
2.軒と軒とが重なり合うように家が建てこむ。人家の密集している様子のたとえ。軒をきしる。軒を並べる。軒をつらねる。

出典:精選版 日本国語大辞典「軒を争う」

「軒を争う」は草などが高く伸び隙間もなく軒を覆うように茂る様子、または軒と軒が重なり合うようにして家が建て込む様子を表す慣用句です。2種類の意味をもった言葉となっているため、見聞きした際は前後の文脈に注意して、どちらの意味で使われているのか正しく読み取っていきましょう。

草が茂り軒を覆う意味は、古い書籍等に登場することがあります。「軒を争う」は書籍・新聞等の文章中を中心として使われている言葉です。口語においてはあまり使われていないため、注意しましょう。この機会に「軒を争う」の意味・用法をしっかりと確認しておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「軒を争う」の語源は?

次に「軒を争う」の語源を確認しておきましょう。「軒を争う」は、軒の張り出しを争うという意味から生まれた言葉とされています。またあわせて「軒を争う」がいつ頃から使われだした言葉なのか、その発生時期についてもあわせて確認し覚えておきましょう。

1001年~1014年頃の源氏物語・蓬生には「しげき蓬は、のきをあらそひて生ひのぼる」としてこの言葉が登場しています。こちらの点から「軒を争う」は非常に古くから使われている言葉であることが分かりますね。こちらの点についてもあわせて覚えておきましょう。

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「軒を争う」の使い方・例文

「軒を争う」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.大学前にはいくつもの店舗が軒を争うようにして建ち並んでいる。
2.駅前に出ると、真新しい住宅が軒を争っている。
3.川辺には草花が軒を争い生い茂っている。

「軒を争う」は例文のように、人家や店が軒と軒が重なり合うように建て込まれていること、または草などが高く伸びて隙間もなく生い茂る様子を表して使われている言葉です。人家・店が建て込まれているという意味では、小説等の文章中、情景描写などに使われていることがあります。

現在は草などが高く伸び生い茂るという意味では、ほぼ使われていないため、使用する際は注意しましょう。例文から「軒を争う」の実際の使用場面をイメージし、自身でも使用することができるようにしていきましょう。

「軒を争う」の類義語は?違いは?

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続いて「軒を争う」の類義語・違いについて確認していきましょう。「軒を争う」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「軒を争う」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「軒を並べる」:軒を接して多くの家がぎっしり並ぶ

「軒を並べる」は軒を接して多くの家がぎっしりと並んでいるという意味の慣用句です。こちらも建物が密集している様子を表す言葉となっており、「軒を争う」と似た意味をもった類義語となっています。使用頻度・細かいニュアンスが異なるため、注意して覚えておきましょう。

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その2「軒を連ねる」:家々が隙間なく建ち並ぶ

「軒を連ねる」は家々が隙間なく建ち並んでいる様子を表す慣用句です。こちらも建物が密集している様子を表す言葉となっており、「軒を争う」と似た意味をもった類義語となっています。「軒を並べる」と同義語となっているため、注意して覚えておきましょう。

その3「甍を争う(いらかをあらそう)」:大小の家がぎっしり並ぶ

「甍を争う」は棟瓦(むながわら)の高さを競うように大小の家がぎっしり並ぶことを意味する慣用句です。こちらも建物が密集している様子を表す言葉となっており、「軒を争う」と似た意味をもった類義語となっています。大小の家が並ぶ様子を表す点に注意して覚えておきましょう。

その4「立錐の余地もない(りっすいのよちもない)」:人・物が密集していてわずかな空間もない

「立錐の余地もない」は人や物が密集していて、わずかな空間もないことを意味する慣用句です。こちらも建物等が密集している様子を表す言葉となっており、「軒を争う」と似た意味をもった類義語となっています。より幅広い物が密集している様子を表す点に注意して覚えておきましょう。

その5「稠密(ちゅうみつ)」:一つのところに多く集まる

「稠密」は一つのところに多く集まっていること、混み合っていることを意味する慣用句です。こちらも密集している様子を表す言葉となっており、「軒を争う」と少し似た意味をもった類義語となっています。誤読してしまいやすいため、読みは「ちょうみつ」ではなく「ちゅうみつ」である点に注意しましょう。

「軒を争う」の対義語は?

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つづいて「軒を争う」の対義語についても確認していきましょう。「軒を争う」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「疎ら(まばら)」:物が少なく隙間が開いている

「疎ら」は物が少なく、隙間が開いていることを意味する言葉です。「軒を争う」が軒と軒とが重なり合うようにして建物が密集している様子を表していたのに対し、こちらは物が少なく隙間が開いている様子を表します。対義語としてこちらの言葉も覚えておきましょう。

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「軒を争う」を使いこなそう

この記事では「軒を争う」の意味・使い方・類語などを説明しました。「軒を争う」は草などが高く伸びすきもなく軒を覆うように茂る様子、または軒と軒が重なり合うように家が建て込む様子を表す慣用句です現在は基本的に、軒と軒が重なり合うように家が建て込むという意味で使われていることが多いため、こちらも覚えておきましょう。

また類義語には「軒を並べる」、「軒を連ねる」、「甍を争う」、「立錐の余地もない」、「稠密」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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国語言葉の意味

【慣用句】「軒を争う」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

「軒を争う」の使い方・例文

「軒を争う」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.大学前にはいくつもの店舗が軒を争うようにして建ち並んでいる。
2.駅前に出ると、真新しい住宅が軒を争っている。
3.川辺には草花が軒を争い生い茂っている。

「軒を争う」は例文のように、人家や店が軒と軒が重なり合うように建て込まれていること、または草などが高く伸びて隙間もなく生い茂る様子を表して使われている言葉です。人家・店が建て込まれているという意味では、小説等の文章中、情景描写などに使われていることがあります。

現在は草などが高く伸び生い茂るという意味では、ほぼ使われていないため、使用する際は注意しましょう。例文から「軒を争う」の実際の使用場面をイメージし、自身でも使用することができるようにしていきましょう。

「軒を争う」の類義語は?違いは?

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続いて「軒を争う」の類義語・違いについて確認していきましょう。「軒を争う」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「軒を争う」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「軒を並べる」:軒を接して多くの家がぎっしり並ぶ

「軒を並べる」は軒を接して多くの家がぎっしりと並んでいるという意味の慣用句です。こちらも建物が密集している様子を表す言葉となっており、「軒を争う」と似た意味をもった類義語となっています。使用頻度・細かいニュアンスが異なるため、注意して覚えておきましょう。

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