
端的に言えば軒を争うの意味は「密集している」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「軒を争う」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ
学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。
「軒を争う」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto
それでは早速「軒を争う」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「軒を争う」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。
「軒を争う」の意味は?
「軒を争う」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。
1.草などが高く伸びて軒をおおい、すきもなく生い茂る。
2.軒と軒とが重なり合うように家が建てこむ。人家の密集している様子のたとえ。軒をきしる。軒を並べる。軒をつらねる。
出典:精選版 日本国語大辞典「軒を争う」
「軒を争う」は草などが高く伸び隙間もなく軒を覆うように茂る様子、または軒と軒が重なり合うようにして家が建て込む様子を表す慣用句です。2種類の意味をもった言葉となっているため、見聞きした際は前後の文脈に注意して、どちらの意味で使われているのか正しく読み取っていきましょう。
草が茂り軒を覆う意味は、古い書籍等に登場することがあります。「軒を争う」は書籍・新聞等の文章中を中心として使われている言葉です。口語においてはあまり使われていないため、注意しましょう。この機会に「軒を争う」の意味・用法をしっかりと確認しておき、自身の語彙力を高めていきましょう。
「軒を争う」の語源は?
次に「軒を争う」の語源を確認しておきましょう。「軒を争う」は、軒の張り出しを争うという意味から生まれた言葉とされています。またあわせて「軒を争う」がいつ頃から使われだした言葉なのか、その発生時期についてもあわせて確認し覚えておきましょう。
1001年~1014年頃の源氏物語・蓬生には「しげき蓬は、のきをあらそひて生ひのぼる」としてこの言葉が登場しています。こちらの点から「軒を争う」は非常に古くから使われている言葉であることが分かりますね。こちらの点についてもあわせて覚えておきましょう。
こちらの記事もおすすめ

「源氏物語」を元大学教員がわかりやすく解説!平安時代の政治が見える?舞台は?光源氏のモデルは誰?3分で簡単源氏物語
\次のページで「「軒を争う」の使い方・例文」を解説!/