この記事では「足を踏み入れる」について解説する。

端的に言えば足を踏み入れるの意味は「入り込む」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「足を踏み入れる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「足を踏み入れる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「足を踏み入れる」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「足を踏み入れる」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「足を踏み入れる」の意味は?

「足を踏み入れる」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.入り込む。また、新たに関係するようになる。「未知の分野に―・れる」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「足を踏み入れる」

「足を踏み入れる」は入り込む、または新たに関係するようになることを意味する慣用句です。部屋・場所に入り込むことを表すほか、それまで関係のなかった新しい業界・分野に入ることも表す言葉となっています。2種類の意味をもった言葉となっているため、どちらの意味で使われているのか前後の文脈から読み取っていきましょう。

単に空間に入り込むことを指すだけでなく、より抽象的に新しい分野に入り込むことも表す点に注意が必要です。「足を踏み入れる」は書籍・新聞等の文章中を中心として使われている言葉となっています。この機会に「足を踏み入れる」の意味・用法を確認しておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「足を踏み入れる」の語源は?

次に「足を踏み入れる」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「足を踏み入れる」の語源ははっきりとはしていません。「足を踏み入れる」の語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。またあわせて「足を踏み入れる」がいつ頃から使われだした言葉なのか、登場時期についても確認しておきましょう。

1902年の田山花袋・重右衛門の最後には「折角身持が治をさまり懸けた重右衛門が再び遊廓に足を踏み入れるやうに為り…」としてこの言葉が登場しています。このことから、「足を踏み入れる」は古くから現在と同様の意味で使われていた言葉であることが分かりますね。こちらも確認しておきましょう。

\次のページで「「足を踏み入れる」の使い方・例文」を解説!/

「足を踏み入れる」の使い方・例文

「足を踏み入れる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.酒場に足を踏み入れる。
2.未開の大地に足を踏み入れる。
3.芸術の分野に足を踏み入れる。

「足を踏み入れる」は例文のように、ある場所に入り込む、またはそれまで関係のなかった業界や分野に関わることを表して使われている言葉です。小説等では、人物がある場所に入り込む様子を表して、情景描写の中で使われていることが多い表現となっています。こちらについても確認しておきましょう。

「足を踏み入れる」はどちらの意味においても、現在も一般的に使われている表現となっています。例文から「足を踏み入れる」の実際の使用場面をイメージし、自身でも使用することができるようにしていきましょう。

「足を踏み入れる」の類義語は?違いは?

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続いて「足を踏み入れる」の類義語・違いについて確認していきましょう。「足を踏み入れる」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「足を踏み入れる」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「立入る」:ある場所・物事に入り込む

「立入る」はある場所・ある物事に入り込むことを意味する言葉です。こちらも場所や物事に入り込む様子を表した言葉となっており、「足を踏み入れる」とよく似た意味をもった類義語となっています。こちらは他に、干渉することを表す意味ももっている点に注意して覚えておきましょう。

\次のページで「その2「踏込む(ふみこむ)」:ある状態・場所に入り込む」を解説!/

その2「踏込む(ふみこむ)」:ある状態・場所に入り込む

「踏込む」は勢いよく足を踏み出す、ある状態・場所に入り込む、物事の核心に迫るといった意味をもつ言葉です。こちらもある場所に入り込む様子を表す言葉となっており、「足を踏み入れる」とよく似た意味をもった類義語となっています。こちらはより幅広い場面で使われている言葉であるため注意しましょう。

その3「乗込む(のりこむ)」:乗り物の中に入る

「乗込む」は乗り物の中に入る、敵の領分に勇んで入り込むことを意味する言葉です。こちらもある場所に入り込むことを意味する言葉となっており、「足を踏み入れる」と似た意味をもった類義語となっています。使用する場面に少し違いがあるため、注意して使い分けていきましょう。

その4「参入(さんにゅう)」:市場などに新たに加わる

「参入」は高貴な人のところに訪問すること、市場などに新たに加わることを意味する言葉です。こちらもそれまで関係のなかった業界・分野に新たに加わることを表す言葉となっており、「足を踏み入れる」と少し似た意味をもった類義語となっています。ある場所に入り込むという意味はないため注意しましょう。

その5「入り込む」:奥深く入る

「入り込む」は中へ入る、奥深く入るという意味をもった言葉です。こちらもある場所の中へ入ることを表す言葉となっており、「足を踏み入れる」と似た意味をもった類義語となっています。こちらはより幅広い場面で使われている言葉となっているため、注意して覚えておきましょう。

「足を踏み入れる」の対義語は?

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つづいて「足を踏み入れる」の対義語についても確認していきましょう。「足を踏み入れる」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「踏み止まる(ふみとどまる)」:足に力を入れてその場にとどまる

「踏み止まる」は足に力を入れてその場にとどまるという意味をもった言葉です。「足を踏み入れる」がある場所に入り込むことを表していたのに対し、こちらは足にぐっと力を入れてその場にとどまることを意味しています。対義語として、こちらの言葉についてもあわせて覚えておきましょう。

\次のページで「「足を踏み入れる」を使いこなそう」を解説!/

「足を踏み入れる」を使いこなそう

この記事では「足を踏み入れる」の意味・使い方・類語などを説明しました。「足を踏み入れる」はある場所に入り込む、または新たに関係することを意味する慣用句です。2種類の意味をもった慣用句となっているため、見聞きした際は前後の文脈に注意しながら、正しく読み取っていきましょう。

また類義語には「立入る」、「踏込む」、「乗込む」、「参入」、「入り込む」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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【慣用句】「足を踏み入れる」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「足を踏み入れる」について解説する。

端的に言えば足を踏み入れるの意味は「入り込む」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「足を踏み入れる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「足を踏み入れる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「足を踏み入れる」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「足を踏み入れる」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「足を踏み入れる」の意味は?

「足を踏み入れる」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.入り込む。また、新たに関係するようになる。「未知の分野に―・れる」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「足を踏み入れる」

「足を踏み入れる」は入り込む、または新たに関係するようになることを意味する慣用句です。部屋・場所に入り込むことを表すほか、それまで関係のなかった新しい業界・分野に入ることも表す言葉となっています。2種類の意味をもった言葉となっているため、どちらの意味で使われているのか前後の文脈から読み取っていきましょう。

単に空間に入り込むことを指すだけでなく、より抽象的に新しい分野に入り込むことも表す点に注意が必要です。「足を踏み入れる」は書籍・新聞等の文章中を中心として使われている言葉となっています。この機会に「足を踏み入れる」の意味・用法を確認しておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「足を踏み入れる」の語源は?

次に「足を踏み入れる」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「足を踏み入れる」の語源ははっきりとはしていません。「足を踏み入れる」の語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。またあわせて「足を踏み入れる」がいつ頃から使われだした言葉なのか、登場時期についても確認しておきましょう。

1902年の田山花袋・重右衛門の最後には「折角身持が治をさまり懸けた重右衛門が再び遊廓に足を踏み入れるやうに為り…」としてこの言葉が登場しています。このことから、「足を踏み入れる」は古くから現在と同様の意味で使われていた言葉であることが分かりますね。こちらも確認しておきましょう。

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