この記事では「オイスターソース」について解説していきます。中華料理の調味料としてよく聞くオイスターソース。料理に使うと旨味が増して、いつもの料理のランクアップができるという事です。オイスターという名の通り「牡蠣」を原料とする調味料で「牡蠣油」とも呼ばれるんです。そんなオイスターソースの栄養や特徴、使い方と注意点を学習していこう。
料理が大好きで、毎日炒め物多めの献立を作っている元管理栄養士ライターhanakoと一緒に解説していきます。

ライター/hanako

保育園や病院の給食室での勤務経験を持つ元管理栄養士。現在は大学研究室で実験補助のパートをしながら、家族のために日々おいしい食事を目指して奮闘中。おいしそうな調味料に目がない。

オイスターソースってどんな調味料?

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中華料理の調味料としてよく耳にするオイスターソース。スーパーなどで見かけることも多いですが、一体どんな調味料なのでしょう?ここではオイスターソースの発祥から原材料、味や特徴を解説していきましょう。

中国発祥の調味料の1つ

諸説ありますが、オイスターソースは今からおよそ130年ほど前に中国の広東省で発祥したといわれています。牡蠣の調理中に偶然発見され、さらに食塩や砂糖などを加えたものが現在のオイスターソースです。広東省で発祥し、その後マカオを拠点に広がり、今では中華料理には欠かせない調味料の1つとなりました。

中華料理は主に広東料理、四川料理、上海料理、北京料理という四大中華と呼ばれる4種類が有名です。このうちの広東料理の煮込みや炒め物にオイスターソースはよく使用されています。

オイスターソースの原材料は何?作り方は?

オイスターソースの名の通り主原料は「牡蠣」です。牡蠣を塩漬けにしてその上澄み液を発酵・熟成させる方法、または、生の牡蠣をゆでた煮汁や抽出したエキスを煮詰めて調味料を加える方法などがあります。

オイスターソースで有名なメーカー「李錦記」(リキンキ)をはじめ、現在では牡蠣が特産物である広島県や宮城県などの日本国内でも製造されているので、色々と試して味比べをしてみるのも良いですね。

オイスターソースの味や特徴は?

オイスターソースは茶色~黒っぽくドロッとした粘度を持っていることが特徴と言えるでしょう。味は深い牡蠣の旨味と甘味、磯の香りが特徴的です。魚介の材料、フカヒレや燕の巣などの高級干物類を多く用いる広東料理ではオイスターソースの旨味やコクが料理の味を一層引き立ててくれます。また、お肉や野菜との相性も良いのでまさに万能調味料と言えますね。

オイスターソースの牡蠣のように、魚介をベースにした調味料は他にもあります。タイのナンプラー、ベトナムのヌクマム、日本の魚醤などで、いずれも魚を原料と独するため深いコクがあるのとともに独特の生臭さや塩辛いものも多いようです。

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オイスターソースにはどんな栄養があるの?

「牡蠣」を原料とするオイスターソース。原料の「牡蠣」は栄養豊富といわれますが、調味料であるオイスターソースにはどんな栄養が含まれているのでしょうか?三大栄養素や特徴的なビタミン、ミネラルまでオイスターソースの栄養について学習してみましょう。

オイスターソースの主な成分は?

まずは食品栄養成分表で見てみましょう。

オイスターソース大さじ1(18g)あたり
・エネルギー:18.9kcal
・たんぱく質:1.4g
・脂質:0.1g
・炭水化物:3.3g
・ビタミンB12:0.4μg
・マグネシウム:11.34mg
・鉄:0.22mg
・亜鉛:0.3mg
・ナトリウム:810mg

出典:日本食品標準成分表2020版(八訂)

オイスターソースは炭水化物が多く、脂質が低いことが特徴ですね。また、亜鉛不足には牡蠣を食べると良いと聞くこともありますが、オイスターソースに含まれる亜鉛量は微量なので、必要摂取量の亜鉛に対する食塩含有量を考えると、オイスターソースから亜鉛を摂取するのを目的とすることは避けた方がよいでしょう。

塩分含有量とビタミン

塩分含有量はオイスターソース大さじ1(18g)あたり2.1gとなっています。ウスターソースは大さじ1(17g)あたり1.5g、中濃ソースは大さじ1(18g)あたり1.0gであることから少し高めの塩分となりますね。濃口しょうゆの大さじ1(18g)は2.4gとなっていますので醤油よりは塩分が少ないということがわかりますね。

ビタミンで多く含まれているのがビタミンB12です。ビタミンB12は赤血球のヘモグロビンを作り出したり脳神経を正常に維持する役割をしていますよ。

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オイスターソースの旨味の正体

牡蠣をふんだんに使って作られるオイスターソースですが、その深い旨味の正体は主にグルタミン酸というアミノ酸です。グルタミン酸は旨味の三大成分の1つですが、海のミルクと呼ばれる栄養豊富な牡蠣にはこのグルタミン酸が多く含まれるのですね。

旨味成分のグルタミン酸は、肉や魚に含まれる旨味成分のイノシン酸やキノコ類に含まれるグアニル酸との相乗効果でより深い風味となります。

オイスターソースはカロリーが高い?

オイスターソースのカロリーは大さじ1(18g)あたり、エネルギー18.9kcalでしたね。脂質は0.1gしか含まれていないことから、これは炭水化物由来のカロリーと言えます。糖質制限の食事を心掛けている場合は、使用量に注意して取り入れていくと良さそうですね。

参考までに、この19kcalを運動で消費する場合、ウォーキングなら8分自転車は3分ストレッチは9分くらい相当となりますよ。

また、製造方法によって、でんぷんが多く使われていたりするとカロリーは高くなります。スーパーなどで手に取った際には、商品に表示されている成分表示で確認してみるのも良いかもしれませんね。

オイスターソースの使い方と注意点

オイスターソースに詳しくなってきましたね。ここではオイスターソースの使い方や注意点を見てみましょう。

1.オイスターソースは加熱するの?

オイスターソースは加熱しなくても食べることができます。しかし、オイスターソースはその濃厚な磯の風味やコクがありますので、サラダなどにかけるドレッシングというよりは、濃いめの味噌や醤油と合わせて棒棒鶏のタレや、つけダレの隠し味に使うと旨味効果が出ることでしょう。また、ごま油を加えることにより、さらに風味が良くなりますよ。

2.妊娠中や赤ちゃんも食べられるの?

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妊娠中は生食は控えるように言われることがありますが、牡蠣は栄養豊富で妊娠中にもおすすめの食材です。加熱が不十分であるとウイルスによる食中毒の心配もありますが、市販されているオイスターソースは製造過程で加熱殺菌されているので安心して食べられます。ただ、塩分含有量が高いので摂取しすぎには注意が必要です。

赤ちゃんについては、離乳食の後期あたりから食べることができます。ただし、オイスターソースの原料は牡蠣ですので、牡蠣アレルギーなどアレルギー症状が出る可能性もあるので注意が必要です。食塩含有量も高いので、風味付け程度で少しずつ様子を見ながら食べていくと良いですね。

\次のページで「オイスターソースはどんな料理に使われる?」を解説!/

オイスターソースはどんな料理に使われる?

オイスターソースは魚介はもちろん、肉や野菜との相性も良いですね。中華料理では煮込みや炒め物に用いられることが多いようです。他にも使用方法はあるのでしょうか?

中華料理だけじゃない使い方

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中華料理での使い方は、煮込むとき・炒め物の味付けが一般的な使い方です。有名な料理では、ピーマンと牛肉を炒めた青椒肉絲の味付けを想像するとイメージしやすいかもしれません。他にはスープやチャーハンの隠し味に使うと、ぐっと旨味が増しますね。

また、日本料理では肉じゃがやおでんなどの隠し味としても使うことが出来ます。オイスターソースを加えることでいつもの味付けに深みが増すことでしょう。

旨味たっぷりのオイスターソースを使って料理の幅を広げよう!

オイスターソースの原料から使い方まで詳しく知ることができましたね。「牡蠣」の旨味が凝縮されていることで、色々な材料との相性が良く、美味しさをアップさせてくれることが分かりました。中華料理だけでなく、いつも作っている料理にも少し加えて料理の幅を広げましょう!

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オイスターソースの旨味の正体って何?栄養や特徴・注意点も元管理栄養士がわかりやすく解説

この記事では「オイスターソース」について解説していきます。中華料理の調味料としてよく聞くオイスターソース。料理に使うと旨味が増して、いつもの料理のランクアップができるという事です。オイスターという名の通り「牡蠣」を原料とする調味料で「牡蠣油」とも呼ばれるんです。そんなオイスターソースの栄養や特徴、使い方と注意点を学習していこう。
料理が大好きで、毎日炒め物多めの献立を作っている元管理栄養士ライターhanakoと一緒に解説していきます。

ライター/hanako

保育園や病院の給食室での勤務経験を持つ元管理栄養士。現在は大学研究室で実験補助のパートをしながら、家族のために日々おいしい食事を目指して奮闘中。おいしそうな調味料に目がない。

オイスターソースってどんな調味料?

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中華料理の調味料としてよく耳にするオイスターソース。スーパーなどで見かけることも多いですが、一体どんな調味料なのでしょう?ここではオイスターソースの発祥から原材料、味や特徴を解説していきましょう。

中国発祥の調味料の1つ

諸説ありますが、オイスターソースは今からおよそ130年ほど前に中国の広東省で発祥したといわれています。牡蠣の調理中に偶然発見され、さらに食塩や砂糖などを加えたものが現在のオイスターソースです。広東省で発祥し、その後マカオを拠点に広がり、今では中華料理には欠かせない調味料の1つとなりました。

中華料理は主に広東料理、四川料理、上海料理、北京料理という四大中華と呼ばれる4種類が有名です。このうちの広東料理の煮込みや炒め物にオイスターソースはよく使用されています。

オイスターソースの原材料は何?作り方は?

オイスターソースの名の通り主原料は「牡蠣」です。牡蠣を塩漬けにしてその上澄み液を発酵・熟成させる方法、または、生の牡蠣をゆでた煮汁や抽出したエキスを煮詰めて調味料を加える方法などがあります。

オイスターソースで有名なメーカー「李錦記」(リキンキ)をはじめ、現在では牡蠣が特産物である広島県や宮城県などの日本国内でも製造されているので、色々と試して味比べをしてみるのも良いですね。

オイスターソースの味や特徴は?

オイスターソースは茶色~黒っぽくドロッとした粘度を持っていることが特徴と言えるでしょう。味は深い牡蠣の旨味と甘味、磯の香りが特徴的です。魚介の材料、フカヒレや燕の巣などの高級干物類を多く用いる広東料理ではオイスターソースの旨味やコクが料理の味を一層引き立ててくれます。また、お肉や野菜との相性も良いのでまさに万能調味料と言えますね。

オイスターソースの牡蠣のように、魚介をベースにした調味料は他にもあります。タイのナンプラー、ベトナムのヌクマム、日本の魚醤などで、いずれも魚を原料と独するため深いコクがあるのとともに独特の生臭さや塩辛いものも多いようです。

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