この記事では「方を付ける」について解説する。

端的に言えば方を付けるの意味は「決着をつける」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「方を付ける」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「方を付ける」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「方を付ける」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「方を付ける」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「方を付ける」の意味は?

「方を付ける」というキーワードを精選国語辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.事の決着をつける。始末をつける。「金で―・ける」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「方を付ける」

「方を付ける」は事の決着をつける、始末をつけるという意味の慣用句です。物事の決まり、結末をつける。物事の処理をする。「方を付ける」はこうした様子を表した表現です。特に金銭を使って事の決着をつけることを指して、「金で方を付ける」といった言い回しでよく用いられていますね。

「方を付ける」は書籍・新聞等の文章中を中心として使われている言葉です。字は「片を付ける」と書く場合もあるため、こちらの点についても覚えておきましょう。この機会に「方を付ける」の意味・用法を確認しておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「方を付ける」の語源は?

次に「方を付ける」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「方を付ける」の語源は現在はっきりとはしていません。「方を付ける」の語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。また語源とあわせて、「方を付ける」がいつ頃から使われだした言葉なのかという点についても確認しておきましょう。

1754年の談義本・八景聞取法問には、「わるく理屈ばると序病(ぢょやみ)の内に形(カタ)を付(ツケ)るが、サア返答は」として、この言葉が登場しています。こちらの点から、「方を付ける」は非常に古くから現在と同様の意味で使われている言葉であることが分かりますね。こちらの点についても、覚えておきましょう。

\次のページで「「方を付ける」の使い方・例文」を解説!/

「方を付ける」の使い方・例文

「方を付ける」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。例文からどのような場面で使われている言葉なのか、より具体的に確認し覚えておきましょう。

1.締め切りが近づいているので、今夜中に方を付けたい。
2.長時間にわたる論争に方を付ける。
3.不祥事に対して、金で方を付ける。

「方を付ける」は例文のように、事の決着・結末をつけるという意味で使われている言葉です。仕事・論争等を終わらせる。また金銭を使って、不祥事や問題を解決させる。「方を付ける」はこうした場面の様子を表して使う言葉となっているため、こちらの点についてしっかりと覚えておきましょう。

よく似た表現で同様の意味をもっている「けりを付ける」と比較すると、こちらは金銭で物事を解決に向かわせるという場面でより用いられている言葉となっています。例文から「方を付ける」の実際の使用場面をイメージし、自身でも使用することができるようにしていきましょう。

「方を付ける」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

続いて「方を付ける」の類義語・違いについて確認していきましょう。「方を付ける」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「方を付ける」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「けりを付ける」:結末をつける

「けりを付ける」は結末をつける、締めくくるという意味をもった言葉です。こちらも決着・結末をつける意味となっており、「方を付ける」とよく似た意味をもった類義語となっています。用法・使用頻度に細かい違いがあるため、それぞれ注意して使い分けていきましょう。

\次のページで「その2「仕上げる」:物事を最後の段階までし終える」を解説!/

その2「仕上げる」:物事を最後の段階までし終える

「仕上げる」は物事を最後の段階までし終えることを意味している言葉です。こちらも物事に決着をつけることを表す言葉となっており、「方を付ける」と似た意味をもった類義語となっています。こちらは他に財産・身分等を作り上げる意味ももっている点に注意しましょう。

その3「済ます」:為すべき物事を全部する

「済ます」は為すべき物事を全部してしまうことを意味している言葉です。こちらも物事を終わらせることを意味している言葉となっており、「方を付ける」と似た意味をもった類義語となっています。他にも借りた金を返すこと、間に合わせることなど、多彩な意味をもった言葉となっているため注意しましょう。

その4「始末」:物事に決まりをつける

「始末」は物事に決まりをつけることを意味する言葉です。こちらも物事に決着をつけることを意味している言葉となっており、「方を付ける」と似た意味をもった類義語となっています。他にも終始・事の次第・浪費しないよう気をつけることなど、意味を複数もっているため注意しましょう。

その5「幕を引く」:物事を終わらせる

「幕を引く」は物事を終わらせることを意味する言葉です。こちらも物事に決着をつけることを表す意味をもっており、「方を付ける」と似た意味をもった類義語となっています。他に幕を張ること、芝居の演技が終わり引き幕が閉じられる様子を表す意味ももっている点に注意しましょう。

「方を付ける」の対義語は?

image by iStockphoto

つづいて「方を付ける」の対義語についても確認していきましょう。「方を付ける」には明確に対義語とされている語はありません。「方を付ける」は物事の決着をつけるという意味となっており、対義語を定義することは難しい言葉です。対義語はないと覚えておきましょう。

\次のページで「「方を付ける」を使いこなそう」を解説!/

「方を付ける」を使いこなそう

この記事では「方を付ける」の意味・使い方・類語などを説明しました。「方を付ける」は事の決着をつける、始末をつけることを意味する慣用句でした。同様の意味をもっている「けりを付ける」と比較すると、こちらは「金で方を付ける」などとして、金銭を使って問題を解決するという状況でより用いられています。

また類義語には「けりを付ける」、「仕上げる」、「済ます」、「始末」、「幕を引く」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

" /> 【慣用句】「方を付ける」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

【慣用句】「方を付ける」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「方を付ける」について解説する。

端的に言えば方を付けるの意味は「決着をつける」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「方を付ける」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「方を付ける」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「方を付ける」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「方を付ける」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「方を付ける」の意味は?

「方を付ける」というキーワードを精選国語辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.事の決着をつける。始末をつける。「金で―・ける」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「方を付ける」

「方を付ける」は事の決着をつける、始末をつけるという意味の慣用句です。物事の決まり、結末をつける。物事の処理をする。「方を付ける」はこうした様子を表した表現です。特に金銭を使って事の決着をつけることを指して、「金で方を付ける」といった言い回しでよく用いられていますね。

「方を付ける」は書籍・新聞等の文章中を中心として使われている言葉です。字は「片を付ける」と書く場合もあるため、こちらの点についても覚えておきましょう。この機会に「方を付ける」の意味・用法を確認しておき、自身の語彙力を高めていきましょう。

「方を付ける」の語源は?

次に「方を付ける」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「方を付ける」の語源は現在はっきりとはしていません。「方を付ける」の語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。また語源とあわせて、「方を付ける」がいつ頃から使われだした言葉なのかという点についても確認しておきましょう。

1754年の談義本・八景聞取法問には、「わるく理屈ばると序病(ぢょやみ)の内に形(カタ)を付(ツケ)るが、サア返答は」として、この言葉が登場しています。こちらの点から、「方を付ける」は非常に古くから現在と同様の意味で使われている言葉であることが分かりますね。こちらの点についても、覚えておきましょう。

\次のページで「「方を付ける」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: