今回はブルースハープとハーモニカの違いについてみていきます。みんなはブルースハープって知ってるか?弾き語りとかでギターと一緒に吹いている、有名なハーモニカのことです。ブルースハープはハーモニカの代名詞のように使われることも多いが、実はブルースハープってのは商品名なんです。そこで今回は音楽好きライターの早坂佳歩と一緒に、ハーモニカの種類とそれぞれの特徴をわかりやすく解説していきます。

ライター/早坂佳歩

会計事務所に勤務しながら副業webライターとして活動している。セッションでのハーモニカ演奏に憧れていた元バンドマンがわかりやすく解説していく。

ブルースハープはハーモニカの商品名

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「ハーモニカといえばブルースハープ」と言われるほど有名なブルースハープは、ホーナー社が販売しているテンホールズハーモニカの商品名です。ブルースの普及とともに、世界的なベストセラーとなりました。ブルースによく使われて、横から見ると竪琴(ハープ)に似ていることから「ブルースハープ」という名前に。ちなみに、ハーモニカは日本語で「口風琴(くちふうきん)」と訳されたこともあります。

テンホールズハーモニカとは、ハーモニカの一種です。それでは、ハーモニカにはどのような種類があるのでしょうか。それぞれの特徴と違いを紹介していきましょう。

ハーモニカの種類

穴を吸ったり吹いたりして、リードを振動させることによって音を奏でるハーモニカ。小学校などで経験があるかもしれませんね。ハーモニカは主に3種類に分けられます。

その1:ダイアトニックハーモニカ

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ダイアトニックハーモニカ最も一般的なハーモニカです。テンホールズハーモニカ(ブルースハープ)教育用ハーモニカは、ダイアトニックハーモニカに分類されます。ブルースだけでなく、ロックやフォークなどでも使用されることが多いですね。値段はだいたい4,000円前後で、楽器としては安い方だと言えます。

その2:クロマチックハーモニカ

クロマチックハーモニカ半音階ハーモニカとも言い、ジャズやクラシックでよく使われます。演奏に高い技術が必要となり、値段はダイアトニックハーモニカの10倍以上となることも。あまり初心者向きではありませんね。

その3:複音ハーモニカ

複音ハーモニカの別名はトレモロハーモニカです。トレモロという名前の通り、音を揺らすことができます。ビブラートがかかったような哀愁を誘う音色は、複音ハーモニカにしか出せません。値段はダイアトニックハーモニカよりも少し高い程度で、比較的安価です。

違いその1:音階

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ハーモニカは種類によって出せる音が変わります。演奏でどんな音が必要になるのかを理解して選ぶことが重要です。

ダイアトニックハーモニカ:全音階

ダイアトニックハーモニカは全音階(ダイアトニックスケール)のハーモニカです。ベンド奏法という特別な吹き方をすると半音階も鳴るのですが、この奏法はかなり難しく、リードの異常振動によりハーモニカが傷んでしまいます。

ハーモニカにはどの音を基準にするかという「キー」があり、C調(基準がド)のダイアトニックハーモニカの場合はピアノの白い鍵盤の音だけ鳴らせる、というイメージです。♭や♯のついた音は出せません。A調の場合は基準がラの音になるので、C調の「ド・レ・ミ」がA調では「ラ・シ・ド♯」となります。演奏する曲に応じて、違うキーのダイアトニックハーモニカを買いましょう。

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クロマチックハーモニカ:半音階

クロマチックハーモニカでは半音(クロマチック)を出すことができます。半音を出せるハーモニカはクロマチックハーモニカだけです。クロマチックハーモニカは基本的にC調のみで、「ド・ド♯・レ・レ♯・ミ…」というようにすべての音を出せるため、1本持っておけばどんな曲も演奏できると言って良いでしょう。

複音ハーモニカ:全音階

複音ハーモニカも、ダイアトニックハーモニカと同じく全音階しか奏でられません。そのため、曲に合わせてキーを変える必要があります。

違いその2:構造

ハーモニカは種類によって、穴の並び方やリードの数が変わります。吸ったり吹いたりという原則は変わりませんが、構造によって異なる技術が必要です。

ダイアトニックハーモニカ:10個の穴が横一列

ダイアトニックハーモニカの多くがテンホールズハーモニカで、「テンホールズ=10個の穴」という意味です。吸ったときと吹いたときで異なる音が鳴るため、鳴らせる音は全部で20個。

音の配置は「ド・レ・ミ・ソ・ソ・シ…」となっていて、通常の音階とは少し違います。これは隣り合った音を鳴らしたときに、和音になるように工夫されているのです。適当に吹いても、様になって聞こえますよ。

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クロマチックハーモニカ:スライド式

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クロマチックハーモニカは本体の横にスライドレバーがついていて、レバーを押すことによって半音上の音を出すことができます。ドの鳴る穴を、レバーを押して吹くとド♯になる、という感じです。演奏しながらレバーの操作もしなければいけないので、最初は苦戦するかもしれません。このスライド式は構造が複雑なため、値段も高くなるのですね。

複音ハーモニカ:上下2列の穴

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ダイアトニックハーモニカやクロマチックハーモニカなどの単音ハーモニカはひとつの音に1枚のリードですが、複音ハーモニカはひとつの音に2枚のリードを使います。複音ハーモニカは上下に同じ音の穴があり、上下の穴を同時に吸ったり吹いたりすることで音に揺らぎが発生するのです。

アクセサリー感覚?ベビーハーモニカとは

ベビーハーモニカミニハーモニカというものがあるのを知っていますか?メタルボディでチェーンがついていて、ペンダントやストラップにできるハーモニカです。

指でつまめるほど小さく、穴は4〜5個しかありませんが、アクセサリーとして身につければ存在感は抜群。ケース付きのものもあり、一応音も出ます。気軽に持ち運べるため、一発芸として周りに披露することもできますよ。

ハーモニカを始めるならC調がおすすめ

ハーモニカを始めるのであれば、最初の1本はダイアトニックハーモニカのC調がおすすめ。基準の音がドになっているためドレミがわかりやすく、初心者向けの教則本でもC調であることを前提としていることが多いです。セッションをするときには曲に合わせてキーを変えなければいけませんが、ひとりで練習をする分にはC調だけでも充分楽しめます。まずは音を出して楽しむことから始めてみましょう。

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雑学

ブルースハープとハーモニカに違いはある?ハーモニカの種類や構造の違いを音楽好きライターがわかりやすく解説

今回はブルースハープとハーモニカの違いについてみていきます。みんなはブルースハープって知ってるか?弾き語りとかでギターと一緒に吹いている、有名なハーモニカのことです。ブルースハープはハーモニカの代名詞のように使われることも多いが、実はブルースハープってのは商品名なんです。そこで今回は音楽好きライターの早坂佳歩と一緒に、ハーモニカの種類とそれぞれの特徴をわかりやすく解説していきます。

ライター/早坂佳歩

会計事務所に勤務しながら副業webライターとして活動している。セッションでのハーモニカ演奏に憧れていた元バンドマンがわかりやすく解説していく。

ブルースハープはハーモニカの商品名

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「ハーモニカといえばブルースハープ」と言われるほど有名なブルースハープは、ホーナー社が販売しているテンホールズハーモニカの商品名です。ブルースの普及とともに、世界的なベストセラーとなりました。ブルースによく使われて、横から見ると竪琴(ハープ)に似ていることから「ブルースハープ」という名前に。ちなみに、ハーモニカは日本語で「口風琴(くちふうきん)」と訳されたこともあります。

テンホールズハーモニカとは、ハーモニカの一種です。それでは、ハーモニカにはどのような種類があるのでしょうか。それぞれの特徴と違いを紹介していきましょう。

ハーモニカの種類

穴を吸ったり吹いたりして、リードを振動させることによって音を奏でるハーモニカ。小学校などで経験があるかもしれませんね。ハーモニカは主に3種類に分けられます。

その1:ダイアトニックハーモニカ

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ダイアトニックハーモニカ最も一般的なハーモニカです。テンホールズハーモニカ(ブルースハープ)教育用ハーモニカは、ダイアトニックハーモニカに分類されます。ブルースだけでなく、ロックやフォークなどでも使用されることが多いですね。値段はだいたい4,000円前後で、楽器としては安い方だと言えます。

その2:クロマチックハーモニカ

クロマチックハーモニカ半音階ハーモニカとも言い、ジャズやクラシックでよく使われます。演奏に高い技術が必要となり、値段はダイアトニックハーモニカの10倍以上となることも。あまり初心者向きではありませんね。

その3:複音ハーモニカ

複音ハーモニカの別名はトレモロハーモニカです。トレモロという名前の通り、音を揺らすことができます。ビブラートがかかったような哀愁を誘う音色は、複音ハーモニカにしか出せません。値段はダイアトニックハーモニカよりも少し高い程度で、比較的安価です。

違いその1:音階

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ハーモニカは種類によって出せる音が変わります。演奏でどんな音が必要になるのかを理解して選ぶことが重要です。

ダイアトニックハーモニカ:全音階

ダイアトニックハーモニカは全音階(ダイアトニックスケール)のハーモニカです。ベンド奏法という特別な吹き方をすると半音階も鳴るのですが、この奏法はかなり難しく、リードの異常振動によりハーモニカが傷んでしまいます。

ハーモニカにはどの音を基準にするかという「キー」があり、C調(基準がド)のダイアトニックハーモニカの場合はピアノの白い鍵盤の音だけ鳴らせる、というイメージです。♭や♯のついた音は出せません。A調の場合は基準がラの音になるので、C調の「ド・レ・ミ」がA調では「ラ・シ・ド♯」となります。演奏する曲に応じて、違うキーのダイアトニックハーモニカを買いましょう。

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