この記事では、英語の助動詞"will"と"would"の違いについてみていきます。助動詞は英語の基礎であるため、中学生までに習うはずですがしっかり理解できているでしょうか?特に"will"と"would"のように助動詞の中でも原形と過去形があり、これらの使い分けに苦労している人が多いようです。
今回は英語を扱う上で欠かせない助動詞について、英語オタクのとくじんと一緒に解説していきます。

ライター/とくじん

中3でそれまで苦手だった英語にハマり、英語漬けの日々。苦手だったからこそ気づいた英語の楽しさを伝えるために英語のあれこれを分かりやすく解説していく。

「would=willの過去形」は正しい?

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学校では”would”は”will”の過去形と習いませんでしたか?これは半分正解、半分不正解です。それでは、”would”はどのような助動詞であると考えればよいのか、確認してみましょう。

未来形の過去形という矛盾

そもそも”will”は未来のことを伝える時に使われる助動詞。”would”がその過去形となると、未来形の過去形ということになりますよね。「未来形なのに過去形?」と違和感を感じませんか?”would”を”will”の過去形と考えてしまうと、このような矛盾が生じてしまうのです。

I thought he would join the party.(彼はパーティーに参加すると思っていました。)

このように時制の一致のために”would”を”will”の過去形として扱うことはありますが、常に過去の意味を持つと考えてしまうと混乱してしまいます。

現在の意味で使うことが多い

"would"は形こそ”will”の過去形ですが、多くの場合「現在の意味」で使われます。しかも、”would”が保つ意味は”will”と同じく以下の通りです。

・意志
・推量
・依頼

次項で"will"と”would”の具体的な違いを解説します。

"will"と”would”の違いは「程度の差」

"will"と"would"に限らず、すべての助動詞において過去形とされるものは控えめな表現を表します。どのような違いがあるのかさらに詳しく、例文とともにみていきましょう。

1.意志の程度

”will”は名詞で「意志」の意味。「〜しよう。」の意味で助動詞”will”を使う場合、その行動を行う強い意志を持っていることを表します。その場の判断でその行動をとることに決めた、というニュアンスがあるので、すでに予定されていることに対しては”will”は使いません。

”would”は前述の通り、控えめな表現となります。「〜してもいいけど」とそこに強い意志はありません。

I will try it!(試してみる!)
I would try it.(試してみようかな。)

2.推量の程度

次に推量「〜だろう。」の意味について。これから起こりそうなことに対して”will”や”would”を使うことができますが、ここでもやはり”would”の方が控えめな表現となります。

\次のページで「3.依頼の程度」を解説!/

It will be rainy soon.(もうすぐ雨が降るでしょう。)
It would be rainy soon.(多分、もうすぐ雨が降るでしょう。)

"will"は高い確率でそれが起こると確信している時に使います。空が厚い雲に覆われ、遠くから雷が聞こえている…この場合、高確率で雨が降りそうですよね。あらゆる要因から、その事象が起こる確率が高いと言える時には”will”を使いましょう。

一方、天気予報では60%の降水確率、今の空模様はうっすら曇っている…確実に雨が降るとは言えないものの、降らないとも言いきれません。自信はないけれどその事象が起こりそうだな、と思っている時には”would”がより自然で適切な助動詞となります。

3.依頼の程度

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最後に「依頼」の程度について。なにか相手にお願いをする時には”Will you~?””Would you~?”を使うと学んだかと思います。それでは、これら2つの違いは何でしょうか?

Will you marry me?(結婚してください。)
Would you marry me?(結婚していただけませんか?)

”Will you~?”を使った定番フレーズといえばプロポーズ。”Will you marry me?”が一般的ですが、”Would you~?”でも同様の意味となります。その違いは返答に自信があるかどうか。「確実にOKがもらえる!」という自信があれば”Will you~?”を使い、返答に自信がない、返答は相手次第、という場合には”Would you~?”を使います。

相手が当然してくれると思って依頼する場合は”will”、行動の決定権を相手にゆだねる場合は”would”を使いましょう。

"would"特有の使い方はある?

ここまでは”will”と”would”が同じ意味を持つ時に違いについてみてきました。それでは、”would”のみがもつ特有の使い方はあるのでしょうか?

\次のページで「架空の話をする」を解説!/

架空の話をする

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"would"を使うことで架空の話をすることができます。ここで使われるのが、「仮定法」という文法です。「もし〜だったら、〜するのにな。」といった、実際には起こっていない空想話をする時に使います。

If I had much time and money, I would make a trip around the world.(時間とお金が有り余っていたら、世界一周旅行に行くのにな。)

世界一周旅行自体は不可能ではありません。しかし、この発言をしている時点では時間もお金も余裕がない、ということが分かります。この文章では、"would"の代わりに”will”を使うことはできません。

提案する

仮定法を使った応用ですが、”would”を使って相手に提案・アドバイスをすることができます。”would”を使った提案には制限があるため、使い方には注意が必要です。

I would join the party.(私だったらそのパーティーに参加するかな。)

"would"を使った提案には”If I were you(私があなただったら)”という言葉が隠れています。ここでもやはり、”would”は控えめな表現。「私だったらこうするけど、最終的にはあなたの意志で決めるべきだよ。」というニュアンスが含まれます。

この場合の提案は自分から積極的にアドバイスをする、というよりもむしろ相手にアドバイスを求められた時の提案の方が自然なので、唐突に”I would join the party.”とアドバイスをしないように注意しましょう。

"will"と"would"をしっかり使い分けよう!

助動詞を使いこなすためには練習が必要です。しかし、しっかり使い分けることができれば短い文章で細かなニュアンスを伝えることができます。英語力を鍛える上で大切なのは、インプットとアウトプット、トライアンドエラー。特に今回解説した"will"や"would"は日常生活で必ず使う表現なので、ミスを恐れず積極的に使ってみましょう!

英語の勉強には洋楽の和訳サイトもおすすめです。
" /> 3分で分かる”will”と”would”の違い!ニュアンスの違いや使い方も英語オタクが詳しくわかりやすく解説 – Study-Z
雑学

3分で分かる”will”と”would”の違い!ニュアンスの違いや使い方も英語オタクが詳しくわかりやすく解説

この記事では、英語の助動詞”will”と”would”の違いについてみていきます。助動詞は英語の基礎であるため、中学生までに習うはずですがしっかり理解できているでしょうか?特に”will”と”would”のように助動詞の中でも原形と過去形があり、これらの使い分けに苦労している人が多いようです。
今回は英語を扱う上で欠かせない助動詞について、英語オタクのとくじんと一緒に解説していきます。

ライター/とくじん

中3でそれまで苦手だった英語にハマり、英語漬けの日々。苦手だったからこそ気づいた英語の楽しさを伝えるために英語のあれこれを分かりやすく解説していく。

「would=willの過去形」は正しい?

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学校では”would”は”will”の過去形と習いませんでしたか?これは半分正解、半分不正解です。それでは、”would”はどのような助動詞であると考えればよいのか、確認してみましょう。

未来形の過去形という矛盾

そもそも”will”は未来のことを伝える時に使われる助動詞。”would”がその過去形となると、未来形の過去形ということになりますよね。「未来形なのに過去形?」と違和感を感じませんか?”would”を”will”の過去形と考えてしまうと、このような矛盾が生じてしまうのです。

I thought he would join the party.(彼はパーティーに参加すると思っていました。)

このように時制の一致のために”would”を”will”の過去形として扱うことはありますが、常に過去の意味を持つと考えてしまうと混乱してしまいます。

現在の意味で使うことが多い

“would”は形こそ”will”の過去形ですが、多くの場合「現在の意味」で使われます。しかも、”would”が保つ意味は”will”と同じく以下の通りです。

・意志
・推量
・依頼

次項で”will”と”would”の具体的な違いを解説します。

“will”と”would”の違いは「程度の差」

“will”と”would”に限らず、すべての助動詞において過去形とされるものは控えめな表現を表します。どのような違いがあるのかさらに詳しく、例文とともにみていきましょう。

1.意志の程度

”will”は名詞で「意志」の意味。「〜しよう。」の意味で助動詞”will”を使う場合、その行動を行う強い意志を持っていることを表します。その場の判断でその行動をとることに決めた、というニュアンスがあるので、すでに予定されていることに対しては”will”は使いません。

”would”は前述の通り、控えめな表現となります。「〜してもいいけど」とそこに強い意志はありません。

I will try it!(試してみる!)
I would try it.(試してみようかな。)

2.推量の程度

次に推量「〜だろう。」の意味について。これから起こりそうなことに対して”will”や”would”を使うことができますが、ここでもやはり”would”の方が控えめな表現となります。

\次のページで「3.依頼の程度」を解説!/

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