「大学」といえば言わずと知れた学問の最高機関です。
ですが街を歩けば「大学校」という看板も目にする。この両者の違いは何なのか、よくわからない人がほとんどでしょう。
今回は「大学」と「大学校」の違いについて、雑学好きライターのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

大学と大学校の違い

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「大学」といえば専門的な教育や研究をする機関として、多くの人が知っている名称かと思います。しかし「大学校」と「大学」との明確な違いを説明できる人は多くはないはないはずです。

たとえば大きな道路わきに「〇〇自動車大学校」といった看板を見かけることもあるでしょう。ともすれば「防衛大学校」など、いかにも国が管理していそうな名前も見受けられますよね。ここではまず「大学」と「大学校」がそれぞれ意味するところを解説していきます。

大学:法律で定められた教育・研究機関

「大学」という名称は文部科学省が管轄する機関の一形態で、学校教育法に基づいて設置されています。つまり「大学」という名称は法律で使用が条件づけられており、文部科学省の許可がなければ正式な機関名として名乗ることができないんです。

大学校:自由に使える教育訓練施設の名称

「大学」が文部科学省管轄かつ学校教育法に準ずる必要があるのに対し、「大学校」についてはそのような規制はありません。早い話が「どんな施設でも名乗れる」名称なのです。ほとんどの施設が専門学校のようなカリキュラムで運営しています。

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大学校には2種類ある

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「大学」と「大学校」の違いについてはおわかりいただけだと思います。それでも両者を混同してしまうモヤモヤをお抱えの人もいるかもしれません。そのモヤモヤの原因はおそらく「防衛大学校」など公的な大学校が、国公立大学などのイメージと重なってしまうことにあるはず。

しかしそのイメージはあくまで「大学校」の1側面でしかありません。ここでは「大学校」の種類について解説していきます。

1.省庁が管理する大学校

まず挙げられるのが「省庁が管理する大学校」です。既に例示した「防衛大学校」を設置しているのは防衛省。他には気象庁が設置する「気象大学校」、海上保安庁が設置する「海上保安大学校」、警察庁が設置する「警察大学校」、国税庁が設置する「税務大学校」などがあります。

これら「省庁が管理する大学校」は、幹部候補生や専門技術者を育成するための教育訓練施設としての性格が強いです。在学中に公務員として扱われるため給料も発生します。

また公務員ではないですが、独立行政法人が運営する「農業大学校」や「水産大学校」も広い意味ではこの種類です。

2.民間で運営する大学校

一方「民間で運営する大学校」は、企業や学校法人による教育訓練施設として存在するものがほとんど。どちらかと言えば専門学校に近いのです。自動車整備士を育成する「自動車大学校」をはじめとして、分野は他にも工業技術、福祉、ホテル・リゾート、調理、ファッションなど多岐にわたります。

大学院との関係性は?

似たような名称に「大学院」があります。「大学」「大学校」「大学院」と3つも似た言葉があるとますます混乱してしまいますね。ここでは「大学院」の意味に触れ、他2つとの関係性を見ていきます。

大学院は大学の上位機関

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「大学院」は文部科学省管轄かつ学校教育法に定められたという意味では「大学」と同様の機関のこと。「大学」との違いはより上位の機関であるという点です。大卒資格のある人だけが進学できます。

意味合いとしては「大学」に近いため、当然ながら「大学校」と関係はありません。「大学校」を卒業したからといって大卒資格は取得できないため、「大学校卒業→大学院進学」といったキャリアを辿ることもできません

\次のページで「大学は使用条件がある名称、大学校は自由に使える名称」を解説!/

大学は使用条件がある名称、大学校は自由に使える名称

ここまで「大学」と「大学校」の違い、「大学校」の種類、「大学院」との関係性まで解説してきました。特に「大学校」という名称が、その自由さゆえにいろいろな使われ方をしていることは驚きでしたね。

「大学校」は特殊な教育訓練施設であるため、まだまだ名称もその意味も広く認知はされていません。「大学校」を正しく理解することで「大学」との違いはもちろん、日本の教育業界の構造についても理解を深めることができます。

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学問雑学

3分でわかる大学と大学校の違い!自由に名乗っていいの?大学院との関係性も雑学好きライターがわかりやすく解説

「大学」といえば言わずと知れた学問の最高機関です。
ですが街を歩けば「大学校」という看板も目にする。この両者の違いは何なのか、よくわからない人がほとんどでしょう。
今回は「大学」と「大学校」の違いについて、雑学好きライターのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

大学と大学校の違い

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「大学」といえば専門的な教育や研究をする機関として、多くの人が知っている名称かと思います。しかし「大学校」と「大学」との明確な違いを説明できる人は多くはないはないはずです。

たとえば大きな道路わきに「〇〇自動車大学校」といった看板を見かけることもあるでしょう。ともすれば「防衛大学校」など、いかにも国が管理していそうな名前も見受けられますよね。ここではまず「大学」と「大学校」がそれぞれ意味するところを解説していきます。

大学:法律で定められた教育・研究機関

「大学」という名称は文部科学省が管轄する機関の一形態で、学校教育法に基づいて設置されています。つまり「大学」という名称は法律で使用が条件づけられており、文部科学省の許可がなければ正式な機関名として名乗ることができないんです。

大学校:自由に使える教育訓練施設の名称

「大学」が文部科学省管轄かつ学校教育法に準ずる必要があるのに対し、「大学校」についてはそのような規制はありません。早い話が「どんな施設でも名乗れる」名称なのです。ほとんどの施設が専門学校のようなカリキュラムで運営しています。

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