今回は豆腐の食べ方や保存方法について学んでいきます。そのまま食べても美味しい豆腐ですが、どんな調理方法でも美味しく食べられるという稀な食材なんです。江戸時代初期に庶民へ広まったというのに、江戸時代の終わりには200種類以上の豆腐料理があったと言われているから驚きです。そんな幅広い料理で活躍する豆腐について管理栄養士のツキアオイと一緒に解説していきます。

ライター/ツキアオイ

1児の母として育児に奮闘中の管理栄養士ライター。豆腐好きが相まって学生の頃は豆乳を毎日飲んでいた。病院や介護施設での経験を活かし、食に関して分かりやすく解説する。

豆腐一丁は何グラム?

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豆腐は一丁、二丁と数えますよね。実は一丁の重さには定義が無く、地域によって大きさが異なります都市部では一丁が約300~350g、地方では一丁が約350~400gと都市部よりやや大きめ。ちなみに沖縄では1㎏と、倍以上の大きさで売られているのですよ。これは島豆腐や沖縄豆腐という沖縄ならではの豆腐文化が影響しているようです。

また、地域ごとだけでなく製造メーカーによっても重さが異なります。料理やお菓子作りの際には豆腐のパッケージに書かれてある「g」で重さを確認するのが確実ですよ

おすすめの調理方法4選

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豆腐は比較的安価で栄養が摂れる便利な食材ですよね。そんな豆腐を使いこなす事ができれば料理の幅が格段に広がります。ここからは豆腐を美味しく食べられる調理方法について見ていきましょう。

1.まずは「生」で!大豆の風味を感じよう

豆腐料理の定番と言えば冷奴ですよね。ネギや生姜といった薬味を乗せて醤油をかけて食べるのが一般的ではないでしょうか。他にもアレンジは無数にあります。例えば豆腐に高菜漬や沢庵といった漬物を乗せて刻んだ小口ネギを散らし、ごま油を垂らす。これだけで醤油とは一風変わった冷奴になりますよ。刻んだトマトにオリーブオイルで洋風にしてみるのも美味しいです。

また、サラダにもおすすめ。豆腐を加えるだけでタンパク質も摂取できる栄養価の高いサラダになりますよ

そのまま食べる時は絹ごし豆腐を使用する人が多い傾向にあるようですが、木綿豆腐もそのまま食べられます。食べ応えがあって大豆の風味をより感じられるので、試してみてはいかがでしょうか。

\次のページで「2.和食で一番多い食べ方「煮る」」を解説!/

2.和食で一番多い食べ方「煮る」

湯豆腐や肉豆腐といった煮物、けんちん汁や味噌汁といった汁物、さらには鍋料理にも豆腐はよく使用されます。豆腐は最初の方に入れることで味が染み込みやすくなりますが、同時に固くなりやすい食材です。これは水分が抜けて「すだち」ができるため。好みによりますが、柔らかめの豆腐が好きな方は最後の方に入れると良いですよ。豆腐の種類は煮崩れしにくい木綿豆腐がおすすめです。

また、これらは油を使用せず加熱しているので消化に良い料理です。日頃だけでなく体調を崩した時にもおすすめの食べ方ですよ。

3.「焼く」と崩れにくく食べやすい

豆腐に味噌をつけて焼く豆腐田楽は味噌の美味しさを引き立てる一品です。炭火で炙るのが伝統的な調理方法ですが、ご家庭ではフライパンで手軽に作ることができますよ。

また、片栗粉をまぶしてバターやオリーブオイルで焼いた豆腐ステーキは食べ応えがあり主菜にもなります。「焼き豆腐」として既に加工されて売られているものは、すき焼きや煮物に入れるのがおすすめですよ。

4.和食から中華まで幅広い「炒める」

和食料理ではチャンプルーや炒り豆腐、中華料理では麻婆豆腐が豆腐を炒める料理の代表。炒めると形が崩れますが、表面積が多くなることで味が絡みやすくなりますよ。包丁を使わずにあえて手でちぎるようにして入れる方法もあります。

\次のページで「豆腐の加工品にはどんな種類がある?」を解説!/

豆腐の加工品にはどんな種類がある?

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日ごろ何気なく使用している食材が実は豆腐から出来ている、というものがいくつかあります。加工することでさらに多岐に渡った料理へ使われているのですよ。ここからは豆腐の加工品について見ていきましょう。

その1.保存に優れた高野豆腐

煮物や汁物によく使用される高野豆腐は、豆腐を凍らせてから乾燥させてできた食品です。乾物として約半年程度日持ちする豆腐の保存食なのですよ。

スポンジ状になっているため煮物にすると味が染み込みやすいのが特徴。噛みしめた時に煮汁がジュワっと出てくるのが美味しいですよね。煮崩れしないためには味付けした煮汁の中に入れるのがポイントです。

その2.豆腐を薄く切って揚げた油揚げ

「薄揚げ」とも呼ばれている油揚げは豆腐を薄く切って水分を抜いてから油で揚げたものです。稲荷寿司や煮物、味噌汁の具として幅広く使用されていますよね。最近は酸化しにくい良質な油を使用されている事が多いので、油抜きをせず使えます。また、冷凍することで2週間程日持ちするので賞味期限内に使い切れない場合は冷凍保存しましょう。

その3.水切りした豆腐を揚げた生揚げ

木綿豆腐を水切りしてから高温で揚げると生揚げになります。「厚揚げ」とも呼ばれていますよ。表面はきつね色ですが、中は火が通らないので生の木綿豆腐のままであるのが特徴です。煮崩れしにくいので煮物やおでんに入れると美味しくいただけますよ

その4.野菜や海藻が入ったがんもどき

がんもどきは崩した豆腐に山芋や卵を入れて練り、野菜や海藻を混ぜ込んで油で揚げたものです。一般的には団子状の形をしています。名前の由来は諸説ありますが、雁(ガン)という鳥の肉に味を似せて作ったことから「がんもどき」と呼ばれているそうですよ。

煮物や汁物として食べられる事が多いですが、焼くのも美味しい食べ方。そのまま焼いて醤油を付けたり、チーズを乗せて焼くのもおすすめですよ

\次のページで「豆腐を美味しく食べられる期限と保存方法は?」を解説!/

豆腐を美味しく食べられる期限と保存方法は?

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買ってきた豆腐の賞味期限が切れてしまっていた、という経験は無いでしょうか。豆腐は冷蔵庫に常備されている事が多い食材ですよね。ここからは安全に食べるための保存期間や保存方法について詳しく見ていきましょう。

豆腐の賞味期限は?期限が過ぎても食べられるの?

賞味期限は商品によって異なりますが、製造から3~10日程度です。開封後は賞味期限内であっても2~3日で食べ切るようにしましょう

賞味期限が切れた場合、未開封に限り2~3日程度であれば品質に問題なく食べられる場合が多いです。これは、賞味期限が「おいしく食べられる」として定められた期限であるため。期限が切れたものは安全面を考慮して加熱してから食べましょう。また、開封した豆腐が変色していたり腐敗臭がするといったいつもと違う状態であれば食べないでください

あまり多くはありませんが、「消費期限」で表示されている豆腐に関しては期限が切れたら食べないようにしましょう。消費期限とは「安全に食べられる」期限だからです。

豆腐は冷蔵保存が基本

未開封のものも開封済のものも冷蔵保存が基本です。開封後は清潔な容器に入れ、水をひたひたに注いでからフタをして保存します。この際パックに入っていた水は捨ててくださいね。また、容器の水は毎日交換するようにしましょう。

食感が変わって美味しい冷凍保存

食感は変わりますが、冷凍保存もできます。未開封であればパックごと冷凍庫に入れれば良いので簡単ですよね。開封後のものはキッチンペーパーで水気をふき取ってから保存袋に入れて冷凍します。

高野豆腐に似た食感で味が染み込みやすい豆腐になりますよ。食べ応えがあるので、肉の代用品としてナゲットや唐揚げにすることができます。冷凍した豆腐は一ヶ月程度日持ちするので期限が迫った豆腐は冷凍するのがおすすめですよ。

食べ方豊富で飽きにくい!豆腐の良さを最大限に生かそう!

豆腐は調理方法が幅広く、豆腐加工品も多いので毎日使用しても飽きない食材ですよね。中国から日本へ伝わってきた豆腐は日本独自の変化を経て長年愛され続けている食材になっています。調理方法や保存方法についてポイントをおさえることで、余すことなく豆腐の良さを生かしていきましょう。

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家庭科

豆腐は万能!おすすめの食べ方や保存方法・加工品について管理栄養士が詳しくわかりやすく解説

今回は豆腐の食べ方や保存方法について学んでいきます。そのまま食べても美味しい豆腐ですが、どんな調理方法でも美味しく食べられるという稀な食材なんです。江戸時代初期に庶民へ広まったというのに、江戸時代の終わりには200種類以上の豆腐料理があったと言われているから驚きです。そんな幅広い料理で活躍する豆腐について管理栄養士のツキアオイと一緒に解説していきます。

ライター/ツキアオイ

1児の母として育児に奮闘中の管理栄養士ライター。豆腐好きが相まって学生の頃は豆乳を毎日飲んでいた。病院や介護施設での経験を活かし、食に関して分かりやすく解説する。

豆腐一丁は何グラム?

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豆腐は一丁、二丁と数えますよね。実は一丁の重さには定義が無く、地域によって大きさが異なります都市部では一丁が約300~350g、地方では一丁が約350~400gと都市部よりやや大きめ。ちなみに沖縄では1㎏と、倍以上の大きさで売られているのですよ。これは島豆腐や沖縄豆腐という沖縄ならではの豆腐文化が影響しているようです。

また、地域ごとだけでなく製造メーカーによっても重さが異なります。料理やお菓子作りの際には豆腐のパッケージに書かれてある「g」で重さを確認するのが確実ですよ

おすすめの調理方法4選

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豆腐は比較的安価で栄養が摂れる便利な食材ですよね。そんな豆腐を使いこなす事ができれば料理の幅が格段に広がります。ここからは豆腐を美味しく食べられる調理方法について見ていきましょう。

1.まずは「生」で!大豆の風味を感じよう

豆腐料理の定番と言えば冷奴ですよね。ネギや生姜といった薬味を乗せて醤油をかけて食べるのが一般的ではないでしょうか。他にもアレンジは無数にあります。例えば豆腐に高菜漬や沢庵といった漬物を乗せて刻んだ小口ネギを散らし、ごま油を垂らす。これだけで醤油とは一風変わった冷奴になりますよ。刻んだトマトにオリーブオイルで洋風にしてみるのも美味しいです。

また、サラダにもおすすめ。豆腐を加えるだけでタンパク質も摂取できる栄養価の高いサラダになりますよ

そのまま食べる時は絹ごし豆腐を使用する人が多い傾向にあるようですが、木綿豆腐もそのまま食べられます。食べ応えがあって大豆の風味をより感じられるので、試してみてはいかがでしょうか。

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