今回は豆腐の選び方について学んでいきます。豆腐の種類は絹ごし豆腐か木綿豆腐だけでは無いのを知っているか?陳列されている豆腐をよく見てみると、重鎮豆腐や寄せ豆腐など他にも種類があることに気が付くはずです。それぞれ食感だけではなく、味や風味も異なるから料理人は料理に応じて使い分けているんです。そんな豆腐の種類や選び方のポイントについて、管理栄養士ライターのツキアオイと一緒に解説していきます。

ライター/ツキアオイ

1児の母として育児に奮闘中の管理栄養士ライター。我が子にはよく離乳食を投げられるも、めげずに大好きな豆腐料理を準備している。病院や介護施設での経験を活かし、食に関して分かりやすく解説する。

豆腐にはどんな種類がある?

image by iStockphoto

豆腐は大豆の加工食品で、豆乳に凝固剤(にがり)を加えて固めたものです。加工されたことによって消化しやすくなっているので、幼児からお年寄りまで身体への負担が少なく食べられます。製法によって種類が分けられているので、ここでは豆腐の種類と特徴について見ていきましょう。

1.舌触りが粗く固めの木綿豆腐

木綿豆腐は熱い豆乳に凝固剤を加えて固めたものをいったん崩し、布を敷いた型箱に移して圧力をかけ、再び成型したものです。木綿の布を使用した際に付いた豆腐表面の布目が名前の由来だと言われています。

圧力をかける時に水分が抜けるため、舌触りが粗く固めの食感になっているのが特徴。加熱しなくても食べられますが、水分が少なく崩れにくいので煮物や炒め物におすすめです。

2.絹の様になめらかな絹ごし豆腐

木綿豆腐と並んで一般的によく使用される絹ごし豆腐は、木綿豆腐より濃い豆乳に凝固剤を加えて作られます。実際に絹の布でこしたわけではなく、絹のようになめらかな食感やきめ細かい肌目から名前がきているようです。水分が多く、のどごしが良いのでそのまま冷奴やサラダとして食べるのがおすすめですよ。

3.保存性に優れた充填豆腐

他の種類の豆腐は熱い豆乳に凝固剤を加えるのに対し、充填豆腐は豆乳をいったん冷やします。それから凝固剤と一緒に容器に入れ、密閉してから加熱することで固まらせるのです。この時に加熱殺菌ができるので保存性に優れているのが特徴。また、食感が絹ごし豆腐に似ていることから「充填絹ごし豆腐」とも呼ばれているのですよ。

そのまま食べても美味しいですが、容器内に隙間がほとんど無いので容器ごと湯せんで温めて食べることもできます。

4.大豆の風味豊かな寄せ豆腐

木綿豆腐を作る工程の途中で型箱に入れずに固まったものを寄せて作った豆腐を寄せ豆腐といいます。型箱に入れて圧をかけたり、固めたあとに水へ晒しません。そのため崩れやすいほどの柔らかさで大豆の風味豊かであるのが特徴です。崩れやすくおぼろげな様子から、「おぼろ豆腐」とも呼ばれているのですよ。絹ごし豆腐と同様、そのまま冷奴として食べるのがおすすめ。

\次のページで「豆腐を選ぶ3つのポイント」を解説!/

豆腐を選ぶ3つのポイント

image by iStockphoto

豆腐は比較的安価で手に入りやすい価格で売られていますが、安い物から高いものまで価格の開きが大きくあるのはなぜでしょうか?家計の事を考えると少しでも安いものを選びたいところ。ですが、価格が高くなるのにはそれなりの理由があります。ここでは豆腐を選ぶ際のポイントについて見ていきましょう。

1.大豆の原産地を確認しよう

原材料名を見てみると、大豆の横に原産地が書かれています。原産地は国産のものが安全でおすすめです。

なぜなら輸入大豆の場合は遺伝子組み換え技術を使用している大豆がほどんど。この遺伝子組み換えによる人体への影響はないとされているものの、長期で摂取した場合の評価が確立されていないのが気になるところです。さらに輸入大豆は輸入する際に防カビ剤や防腐剤がかけられている場合もあります。

2.凝固剤の種類で選ぼう

豆腐を固めるときに使う凝固剤(にがり)にも種類がいくつかあります。凝固剤の種類は表示義務が無いので、「凝固剤」としか書かれていないものは要注意です。

科学的に作られた凝固剤は薄い豆乳でも豆腐として固まらせることができるので栄養価が低いというデメリットが。天然のにがりであれば「粗製海水塩化マグネシウム」「塩化マグネシウム含有物」「天然にがり100%」と書いてあります。

3.消泡剤不使用のものを選ぼう

最後のポイントはパッケージに「消泡剤不使用」「消泡剤無添加」などと書かれているものがおすすめです。

通常、豆腐を作る工程で豆乳が沸騰するため泡が発生します。泡を消すことでなめらかな豆腐に仕上がるので、お豆腐屋さんでは手作業で何度も泡をすくっているのです。とても地道な作業ですよね。この手間を省くための添加物が消泡剤。本来必要のない添加物なので、不使用のものを選ぶとより安全です。

\次のページで「妊娠中に豆腐を食べ過ぎてはいけない?」を解説!/

妊娠中に豆腐を食べ過ぎてはいけない?

image by iStockphoto

妊娠中、豆腐はつわりでも食べやすかったり体重増加を気にして食べている妊婦さんも多いのではないでしょうか。毎日たくさん食べても母体や胎児に影響がないのか気になるところ。ここからは妊娠中に豆腐を食べる時の注意点や胎児への影響について見ていきましょう。

食べ過ぎによる胎児への影響は?

豆腐を日常的に食べることで胎児への影響はありません。ですが、食べ過ぎには注意が必要です。豆腐には大豆イソフラボンというものが含まれています。この大豆イソフラボンは体内で女性ホルモンと同じ働きをするのですが、過剰に摂取した場合の胎児への影響については科学的に明らかになっていないのです。

妊娠中の目安となる摂取量

ではどの程度の摂取量であれば安全なのでしょうか。妊娠中の豆腐の摂取量に関しての明確な基準はありませんが、厚生労働省が作成した食事バランスガイドには冷奴で1皿(約100g)が1日の目安量とされています。ここから多少増えても問題は無いですが、1日量に加えてサプリメントや健康食品で大豆イソフラボンを過剰に摂取するようなことは避けたほうが安全だと言えるでしょう。

より安全で美味しい豆腐を選んで日々の食生活に生かそう!

この記事では豆腐の種類や選び方のポイント、妊娠中の注意点について解説しました。日常的に食べることが多い豆腐だからこそ、より安全で美味しいものを選びたいですよね。海外でも菜食主義者(ベジタリアン)を中心に栄養価が高いことで注目が高まっている食材ですが、大豆本来の風味を生かした昔ながらの製法の豆腐を味わえるのは日本だけ。この記事でのポイントを参考に自分好みの豆腐を見つけて食卓を彩ってください。

" /> 豆腐にはどんな種類がある?選び方のポイントや注意点も管理栄養士がわかりやすく解説 – Study-Z
家庭科

豆腐にはどんな種類がある?選び方のポイントや注意点も管理栄養士がわかりやすく解説

今回は豆腐の選び方について学んでいきます。豆腐の種類は絹ごし豆腐か木綿豆腐だけでは無いのを知っているか?陳列されている豆腐をよく見てみると、重鎮豆腐や寄せ豆腐など他にも種類があることに気が付くはずです。それぞれ食感だけではなく、味や風味も異なるから料理人は料理に応じて使い分けているんです。そんな豆腐の種類や選び方のポイントについて、管理栄養士ライターのツキアオイと一緒に解説していきます。

ライター/ツキアオイ

1児の母として育児に奮闘中の管理栄養士ライター。我が子にはよく離乳食を投げられるも、めげずに大好きな豆腐料理を準備している。病院や介護施設での経験を活かし、食に関して分かりやすく解説する。

豆腐にはどんな種類がある?

image by iStockphoto

豆腐は大豆の加工食品で、豆乳に凝固剤(にがり)を加えて固めたものです。加工されたことによって消化しやすくなっているので、幼児からお年寄りまで身体への負担が少なく食べられます。製法によって種類が分けられているので、ここでは豆腐の種類と特徴について見ていきましょう。

1.舌触りが粗く固めの木綿豆腐

木綿豆腐は熱い豆乳に凝固剤を加えて固めたものをいったん崩し、布を敷いた型箱に移して圧力をかけ、再び成型したものです。木綿の布を使用した際に付いた豆腐表面の布目が名前の由来だと言われています。

圧力をかける時に水分が抜けるため、舌触りが粗く固めの食感になっているのが特徴。加熱しなくても食べられますが、水分が少なく崩れにくいので煮物や炒め物におすすめです。

2.絹の様になめらかな絹ごし豆腐

木綿豆腐と並んで一般的によく使用される絹ごし豆腐は、木綿豆腐より濃い豆乳に凝固剤を加えて作られます。実際に絹の布でこしたわけではなく、絹のようになめらかな食感やきめ細かい肌目から名前がきているようです。水分が多く、のどごしが良いのでそのまま冷奴やサラダとして食べるのがおすすめですよ。

3.保存性に優れた充填豆腐

他の種類の豆腐は熱い豆乳に凝固剤を加えるのに対し、充填豆腐は豆乳をいったん冷やします。それから凝固剤と一緒に容器に入れ、密閉してから加熱することで固まらせるのです。この時に加熱殺菌ができるので保存性に優れているのが特徴。また、食感が絹ごし豆腐に似ていることから「充填絹ごし豆腐」とも呼ばれているのですよ。

そのまま食べても美味しいですが、容器内に隙間がほとんど無いので容器ごと湯せんで温めて食べることもできます。

4.大豆の風味豊かな寄せ豆腐

木綿豆腐を作る工程の途中で型箱に入れずに固まったものを寄せて作った豆腐を寄せ豆腐といいます。型箱に入れて圧をかけたり、固めたあとに水へ晒しません。そのため崩れやすいほどの柔らかさで大豆の風味豊かであるのが特徴です。崩れやすくおぼろげな様子から、「おぼろ豆腐」とも呼ばれているのですよ。絹ごし豆腐と同様、そのまま冷奴として食べるのがおすすめ。

\次のページで「豆腐を選ぶ3つのポイント」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: