この記事では「中流の砥柱」について解説する。

端的に言えば中流の砥柱の意味は「乱世でも自身の考え方を持ち毅然とした態度で生きていく」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好きで歴史好き、名古屋出身で7年間のライター経験を持つeastflowerを呼んです。一緒に「中流の砥柱」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/eastflower

今回の記事を担当するのは語学好きで英語、中国語が得意な7年目のライター、eastflower。「中流の砥柱」の言葉の起源やどんな場面で使えるのかをわかりやすく解説していく。

「中流の砥柱」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「中流の砥柱」(ちゅうりゅうのしちゅう)の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「中流の砥柱」の意味は?

まずは、「中流の砥柱」の辞書の意味を見ていきましょう。

1. (「砥柱」は中国河南省陝(せん)県の北東、四十清里の黄河の中にある柱状の岩山。砥石(といし)のようになめらかで、激流の中で不動のまま立っている) 砥柱の如く、乱世に身を処するのに毅然として節を守ることのたとえ。

出典: 日本国語大辞典(精選版)「中流の砥柱」

「中流の砥柱」の中流とは、中国の河川省にある特定の地域の呼び名で、この場合の「河」とは「黄河」(こうが)のこと。ちょうどこの地域は黄河の南部にあります。砥柱(しちゅう)の「砥」(し)とは「砥石」(といし)のこと。刃物をとぐための石のことですね。「砥柱」とは砥石のように表面がなめらかで柱のように見える大きな石山のことです。「中流の砥柱」と言われるほど、この地域では名所になっています。

ここから転じて、辞書に記載されているとおり、「中流の砥柱」は、乱れて混沌(こんとん)とした世の中でも、意思を強く持ち、毅然として少しも動揺せず、断固とした生き方を表す例として使われるようになりました。

「中流の砥柱」の語源は?

次に「中流の砥柱」の語源を確認しておきましょう。この言葉は古代からありました。

「中流」は古代から発展してきた地域で「洛陽」(らくよう)「開封」(かいほう)をはじめ7王朝の国都として栄えてきたのです。この地域は天下を納めるための重要な拠点であり争いが絶えない中、人々はこの地にある毅然とした巨大な砥石をながめながら意思を強くもって時代を生き抜こうと気持ちを新たにしたのかもしれませんね。

\次のページで「「中流の砥柱」の使い方・例文」を解説!/

「中流の砥柱」の使い方・例文

それでは、「中流の砥柱」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1. 確かに世界情勢やウイルス、物価上昇など現在は不安に満ちている。だからと言ってむやみに不安がったり、戸惑わなくてもいい。中流の砥柱の言葉どおり、こんな時こそしっかりとした信念を持ち、日々全力で立ち向かっていかなければならないのじゃないか?
2. 中流の砥柱という言葉があるが、中流の砥柱は平和な時代ではなく戦乱の中だからこそ人々の心に深く訴えてきたんじゃないだろうか? 川の流れに乱されることなく毅然と立つ硯のような柱に人々は自分のあるべき姿を見たのかもしれない。

不安定な世の中だからこそ、きちんとしたポリシーを持ち外部状況に惑わされることなく日々生きていくことの大切さを例文にしました。

「中流の砥柱」の類義語は?違いは?

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それでは、「中流の砥柱」の類義語を見ていきましょう。

\次のページで「「風は吹けども山は動ぜず」:混乱した状態でも動じない」を解説!/

「風は吹けども山は動ぜず」:混乱した状態でも動じない

乱世であっても意思を強く持ち毅然とした態度で生きるべきだと古代の中国の人々は「中流の砥柱」を見て感じたようですが、日本にも自然を例えにした慣用句がたくさんありますね。

「中流の砥柱」とよく似た表現に「風は吹けども山は動ぜず(かぜはふけどもやまはどうぜず)」があります。「風は吹けども山は動ぜず」は言葉通り激しい風が吹いても山はピクリとも動かないということですが、「中流の砥柱」と同様に混乱した状態の中でも少しも動じないことの例えとして使われているのです。

「中流の砥柱」の対義語は?

次に「中流の砥柱」の対義語を見ていきましょう。

「付和雷同」:自身にしっかりした考えがなく他人の意見に同調すること

「中流の砥柱」は、乱世に身を処するのに毅然として節度をわきまえて生きることでしたね。対義語は、毅然とするどころか自分のきちんとした考えがなく、それゆえ、たやすく他人に同調することになるでしょう。そんな意味を持つ慣用句に付和雷同(ふわらいどう)があります。

「付和雷同」の「不和」(ふわ)とは、確固とした自分の考えがなく、むやみに他人の意見に同調すること。「雷同」(らいどう)とは、わけもなく他人の意見に同調することで、まるで、雷が鳴るとそれに応じて響く音や振動のことを言っています。「不和」も「雷同」もほぼ同じ意味で、主義主張を持たず、フラフラして第三者に同調している様子のことです。考えもなくむやみに同調ばかりの意味を持つ「付和雷同」は「中流の砥柱」の対義語と言えるでしょう。

「中流の砥柱」の英訳は?

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次に「中流の砥柱」の英訳を見ていきましょう。

「stick to one's principles firmly」:自分の主義を確固として守る

「中流の砥柱」を英訳するときに相手に伝えるべき点は、この慣用句が意味する激流の中でも不動のまま立っている砥柱のように混とんとする世の中でも「自分のしっかりした考え方を持ち続け、考えや志を貫いていく」という部分になりますね。「stick to one's principles firmly」と表現してみてはいかがでしょうか?

「stick to one's principle firmly」の「stick」(stíkが動詞で使われる場合、「突き刺す」という意味の他に「固執する」、「堅持する」という意味でもよく使われます。「principle」(prínsəplは、「根本原理」、「主義」という意味。「firmly」(fˈɚːmli)は副詞で「堅く」、「確固として」という意味です。「stick to one's principles firmly」と表現すれば「自身の主義を確固として貫く」という意図を伝えられるでしょう。

\次のページで「「中流の砥柱」を使いこなそう」を解説!/

「中流の砥柱」を使いこなそう

この記事では、「中流の砥柱」の意味や使い方を見てきました。「中流の砥柱」とは、中国河南省にある柱状の岩山のことでした。戦乱の時代、人々はこの岩柱を見て自分の考え方をしっかりと持ち毅然と生きていきたいと思ったようです。「中流の砥柱」は現在、河南省の名所、シンボルになっていますが、どこの国、地域にもシンボルはありますね。例えば、富士山や東京タワーなどもそうですね。シンボルとなった建造物が建てられた理由や歴史を追っていくと楽しいかもしれませんね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「中流の砥柱」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「中流の砥柱」について解説する。

端的に言えば中流の砥柱の意味は「乱世でも自身の考え方を持ち毅然とした態度で生きていく」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好きで歴史好き、名古屋出身で7年間のライター経験を持つeastflowerを呼んです。一緒に「中流の砥柱」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/eastflower

今回の記事を担当するのは語学好きで英語、中国語が得意な7年目のライター、eastflower。「中流の砥柱」の言葉の起源やどんな場面で使えるのかをわかりやすく解説していく。

「中流の砥柱」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「中流の砥柱」(ちゅうりゅうのしちゅう)の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「中流の砥柱」の意味は?

まずは、「中流の砥柱」の辞書の意味を見ていきましょう。

1. (「砥柱」は中国河南省陝(せん)県の北東、四十清里の黄河の中にある柱状の岩山。砥石(といし)のようになめらかで、激流の中で不動のまま立っている) 砥柱の如く、乱世に身を処するのに毅然として節を守ることのたとえ。

出典: 日本国語大辞典(精選版)「中流の砥柱」

「中流の砥柱」の中流とは、中国の河川省にある特定の地域の呼び名で、この場合の「河」とは「黄河」(こうが)のこと。ちょうどこの地域は黄河の南部にあります。砥柱(しちゅう)の「砥」(し)とは「砥石」(といし)のこと。刃物をとぐための石のことですね。「砥柱」とは砥石のように表面がなめらかで柱のように見える大きな石山のことです。「中流の砥柱」と言われるほど、この地域では名所になっています。

ここから転じて、辞書に記載されているとおり、「中流の砥柱」は、乱れて混沌(こんとん)とした世の中でも、意思を強く持ち、毅然として少しも動揺せず、断固とした生き方を表す例として使われるようになりました。

「中流の砥柱」の語源は?

次に「中流の砥柱」の語源を確認しておきましょう。この言葉は古代からありました。

「中流」は古代から発展してきた地域で「洛陽」(らくよう)「開封」(かいほう)をはじめ7王朝の国都として栄えてきたのです。この地域は天下を納めるための重要な拠点であり争いが絶えない中、人々はこの地にある毅然とした巨大な砥石をながめながら意思を強くもって時代を生き抜こうと気持ちを新たにしたのかもしれませんね。

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