吸血鬼って実在するの?ドラキュラとヴァンパイアの違いや吸血鬼の種類を読書好きライターがわかりやすく解説
ドラキュラだけじゃない!世界各地の吸血鬼
吸血鬼は世界各地でさまざまな描かれ方をしています。「吸血鬼といえば」なイメージを確立してきたものから紹介しましょう。
その1:カーミラ
1872年にアイルランド人作家ジョセフ・シェリダン・レ・ファニュが著した小説「吸血鬼カーミラ」には、カーミラという名前の女性吸血鬼が登場します。この作品は「吸血鬼ドラキュラ」に大きな影響を与えたとされていて、「吸血鬼の定番」を生み出したと言っても過言ではないでしょう。
棺桶で眠り、杭で心臓を打たれて死ぬという特徴はドラキュラに引き継がれています。ドラキュラとの違いは女性であることと、太陽を苦手としないところです。
その2:ヴァーニー
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1845年から1847年にかけてイギリスで連載された「吸血鬼ヴァーニー」では、吸血鬼のフランシス・ヴァーニー卿が主人公として描かれます。物語の設定は詳しく決められておらず、キャラクター像に矛盾が生じることもしばしば。ただ、黒いロングコートを着て鋭い牙を持ち、女性の首に噛みついて血を吸うという吸血鬼像は、後世に大きな影響を与えました。
その3:キョンシー
中国の妖怪「キョンシー」も吸血鬼の一種です。ゾンビと吸血鬼の特徴を併せ持った妖怪ですね。長い年月が経っても腐らずに動き回る死体のことを指します。
西洋の吸血鬼は痩せている個体が多いのに対し、キョンシーはふっくらとして髪の毛も長いです。性格は凶暴で、生き物の首をねじり切るという伝承も。腕を前に伸ばして跳ねながら移動する姿が有名ですが、これは関節があまり動かないため足首のみを利用し、腕でバランスをとっているのです。
その4:ストリィガ
ストリィガはあまり有名ではないかもしれませんね。他の吸血鬼が伝承や小説であるのに対し、ストリィガは古代ゲルマンの法律上で存在が認められていました。鳥の姿をした女性吸血鬼で、赤ちゃんや若い男性の血を飲むとされています。
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