我々ヒトの体内には水分が約80%弱存在するとされているが、その大部分を占めているのは血液です。タイトルでも衝撃ですが、血液が流れている血管を体中全てつなぎあわせると地球2周半分にもなるんです。体内のどこにそのような長い血管があるのか。そのことについて詳しく解説するとともに、血管の種類や役割、血液についても生物に詳しいライターmimosa(ミモザ)と一緒に解説していきます。

ライター/mimosa

もともと文系出身で、独学で生物学、生化学を勉強し、現在医学系研究所の研究アシスタントとして理系の世界へ飛び込んだ。理科が苦手な方へも興味を持ってもらうべくわかりやすい説明を心掛けている。

ヒトの循環系

ヒトの循環系

image by Study-Z編集部

ヒトの身体には、生命維持のために様々な組織が存在しています。それら組織を役割別にもっと大きなグループにしたものを「~系」と言いますよ。ヒトの身体には、循環系、呼吸器系、消化器系、排せつ系、神経系、内分泌系などがありますよ。

血管はその中でも循環系に属します。循環系には血管系とリンパ系がありますが、今回は血管系のみ説明していきますね。

主要な血管と関係臓器

主要な血管と関係臓器

image by Study-Z編集部

循環系で重要な臓器は心臓ですね。心臓は、心筋と言う横紋筋で構成されています。臓器は不随運動を行うので、平滑筋で構成されていますが、心筋は横紋筋でありながら不随運動を行っていますよ。

心臓を4つの部屋に分けると、上から右心房、左心房、下が右心室、左心室に分かれます、それぞれの部屋に流れ込んだ血液が逆流しないように、弁がついていますよ。

肺も重要な臓器です。肺は、酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するガス交換を行いますね。体中に酸素や二酸化炭素などのガスを運ぶのは、血管です。肺には肺動脈と肺静脈という大きな血管がありますよ。酸素が多く含まれている血液を動脈血、少ないのが静脈血と言うことも覚えておきましょう。

血管の種類と構造

血管の種類と構造

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次に、血管の種類について説明していきますね。血管は、動脈、静脈、毛細血管の3つに大きく分かれますよ。動脈は、心臓から血液が出ていく血管。静脈は血液が心臓に戻ってくる血管。毛細血管は、動脈と静脈をつないで、組織の細胞と接触する微細な血管のことです。

図のように、動脈と静脈は結合組織があり、各臓器などの組織とつながっていますよ。さらに、動脈の壁は全身に血液を送り出すため、静脈よりも丈夫です。静脈には血液の逆流を防ぐための弁がありますよ。

毛細血管は、内皮細胞でできています。内皮細胞は、通常は隙間なく並んで1層の細胞から成る管状になっていますが、臓器によっては、細胞に丸い穴が開いたものや、細胞間に大きな隙間があるものも存在していますよ。

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毛細血管

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私たちヒトの血管をつなぎ合わせると、地球2周半もの長さになる理由は、この毛細血管にあります。上記で血管の種類について説明しましたが、様々な血管がある中で、人体の90%以上は毛細血管なのですね。この毛細血管についてより詳しく見ていきましょう。

毛細血管とは

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毛細血管の太さは、直径約8マイクロメートルほどです。髪の毛の直径の平均は、40~120マイクロメートルなので、いかに細いかがわかりますね。もっと細い毛細血管は、赤血球がやっと通るくらいの極細のものもあります。ちなみに、毛細血管が一番多く通っている臓器は、脳です。次に多いのは肝臓ですよ。

肺の毛細血管

肺の毛細血管

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肺にも多くの毛細血管が通っていますよ。上記で、肺はガス交換をする臓器であると説明しましたが、もう少し肺について説明すると、ガス交換は、肺の中の肺胞という直径0.2mmくらいの極小の小さな袋でなされますよ。その周囲を網目状に取り巻いているのは毛細血管です。肺における酸素と二酸化炭素を交換するのは、この毛細血管で行いますよ。

またこの毛細血管は、肺動脈や肺静脈ともつながっています。

どのようにして全身の血液が循環するのか

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これだけ長い血管が体内に走っており、絶えず血液は流れ続けています。心臓がポンプの代わりになっているというのは皆さん聞いたことはあるかと思いますが、心臓以外にもポンプの役割を果たしているものもありますよ。まずは心臓の働きについて説明し、その他のポンプの代わりになっている部位について説明していきますね。

体循環と肺循環

ところで、血液はなぜ人のからだ中にいきわたるようにしなければならないか考えたことがありますか。血液は、体に酸素や栄養を運び、二酸化炭素や老廃物を受け取ったりしています。酸素をたくさん取り込む臓器は肺ですね。ガス交換を行うためには、肺を必ず経由しなければなりません。これを肺循環と言いますよ。

体循環は、心臓から肺以外の身体全体(頭部、胴部、手足など末端を含め)を経由して心臓へもどる血液の循環。左心室から始まり、大動脈、頸動脈、毛細血管で全身くまなく回り、大動脈、右心房に返っていきますよ。肺の図や体の血管は上記の図を参照してくださいね。

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筋ポンプ作用

心臓がポンプの役目をしていることは理解できたと思いましたが、心臓から遠い部位へも届くのでしょうか。心臓から遠い部位である足にもポンプ作用があります。それを筋作用と言いますよ。

この筋ポンプ作用ですが、座ったままなど同じ姿勢で長時間いると働きが弱まりますよ。

すると、静脈の流れが悪くなり、静脈の中に血栓ができてしまうことがあります。さらに、立ち上がったり、何かの拍子にその血栓が血管からはがれて心臓まで運ばれてしまうと、肺動脈がつまってしまうのです。重症の場合、意識障害、ショック状態に陥り命の危険を伴いますので、放置は厳禁。これを、肺血栓塞栓症と言いますよ。よく、エコノミークラス症候群と言われますよ。

循環系の病気

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体中に張り巡らされている血管に問題があると、循環系の病気になりますよ。中には、生命にかかわる重篤な病気もあります。そのうちの2つを紹介しますね。

1.心筋梗塞

心筋梗塞とは、冠動脈と言う心筋に酸素を送る血管が詰まって心筋に障害を受ける病気です。心筋の働きに障害が起こると、心臓の動きが悪くなったりして不整脈が起こります。これが重症化すると命にかかわるので危険です。生活習慣の乱れや加齢、高脂血症、糖尿病など合併していると、血管のダメージや血液がドロドロになって、動脈硬化を招くリスクが上がります。

2.糖尿病

循環系の病気と言うよりは、全身に影響を及ぼす病気ですが、血液に関係するので、紹介しますね。

糖尿病は、動脈硬化の進行を早めます。糖尿病は、血糖値が高くなり、その状態がずっと続くのです。そうすると、糖が血管の壁にくっつき、血液の流れも悪くなります。そして血管がダメージを受けてもろくなり、細胞が壊死したり失明したりして様々な合併症が起こるのです。

生命維持に大きくかかわる毛細血管

血管は主要な大きな血管から微細な毛細血管まで体中くまなく張り巡らされています。主要な臓器には太い大動脈、大静脈。肺には肺動脈と肺静脈がありますが、人体の末端にまで行き届いている微細な毛細血管が存在しますよ。人体の血管のほとんどが毛細血管です。また肺には小さな組織である肺胞が多数存在しており、それを網羅している毛細血管はとてつもなく長いのですね。

生命維持のために酸素や栄養を運び、二酸化炭素を排出して酸素に交換し、それを体中にくまなく行きわたらせなければいけないので、微細な箇所も毛細血管が張り巡らされていてカバーできるのですね。

私たちのからだは寝ているときも心臓の拍動は止むことはないですし、呼吸が続く限り血液は循環し続けます。循環系やその他の病気にならないように、生活習慣などを振り返ってみると良いですね。

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理科生物

人間の血管の長さは地球2周半分?血液と血管について理系ライターが詳しく説明

我々ヒトの体内には水分が約80%弱存在するとされているが、その大部分を占めているのは血液です。タイトルでも衝撃ですが、血液が流れている血管を体中全てつなぎあわせると地球2周半分にもなるんです。体内のどこにそのような長い血管があるのか。そのことについて詳しく解説するとともに、血管の種類や役割、血液についても生物に詳しいライターmimosa(ミモザ)と一緒に解説していきます。

ライター/mimosa

もともと文系出身で、独学で生物学、生化学を勉強し、現在医学系研究所の研究アシスタントとして理系の世界へ飛び込んだ。理科が苦手な方へも興味を持ってもらうべくわかりやすい説明を心掛けている。

ヒトの循環系

ヒトの循環系

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ヒトの身体には、生命維持のために様々な組織が存在しています。それら組織を役割別にもっと大きなグループにしたものを「~系」と言いますよ。ヒトの身体には、循環系、呼吸器系、消化器系、排せつ系、神経系、内分泌系などがありますよ。

血管はその中でも循環系に属します。循環系には血管系とリンパ系がありますが、今回は血管系のみ説明していきますね。

主要な血管と関係臓器

主要な血管と関係臓器

image by Study-Z編集部

循環系で重要な臓器は心臓ですね。心臓は、心筋と言う横紋筋で構成されています。臓器は不随運動を行うので、平滑筋で構成されていますが、心筋は横紋筋でありながら不随運動を行っていますよ。

心臓を4つの部屋に分けると、上から右心房、左心房、下が右心室、左心室に分かれます、それぞれの部屋に流れ込んだ血液が逆流しないように、弁がついていますよ。

肺も重要な臓器です。肺は、酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するガス交換を行いますね。体中に酸素や二酸化炭素などのガスを運ぶのは、血管です。肺には肺動脈と肺静脈という大きな血管がありますよ。酸素が多く含まれている血液を動脈血、少ないのが静脈血と言うことも覚えておきましょう。

血管の種類と構造

血管の種類と構造

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次に、血管の種類について説明していきますね。血管は、動脈、静脈、毛細血管の3つに大きく分かれますよ。動脈は、心臓から血液が出ていく血管。静脈は血液が心臓に戻ってくる血管。毛細血管は、動脈と静脈をつないで、組織の細胞と接触する微細な血管のことです。

図のように、動脈と静脈は結合組織があり、各臓器などの組織とつながっていますよ。さらに、動脈の壁は全身に血液を送り出すため、静脈よりも丈夫です。静脈には血液の逆流を防ぐための弁がありますよ。

毛細血管は、内皮細胞でできています。内皮細胞は、通常は隙間なく並んで1層の細胞から成る管状になっていますが、臓器によっては、細胞に丸い穴が開いたものや、細胞間に大きな隙間があるものも存在していますよ。

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