今回は焼酎の「甲類」と「乙類」の違いについてみていきます。焼酎には甲類と乙類って種類があるんですが、知っていたか?酒を飲まないとあまり聞かないかもな。この2種類は味が結構違う…というか、甲類は味があまりしなのです。その味の違いは、造り方の違いによって生まれるらしいのです。そこで今回は酒好きライターの早坂佳歩と一緒に、それぞれの原料や造り方、おすすめの飲み方などをわかりやすく解説していきます。

ライター/早坂佳歩

会計事務所に勤務しながら副業webライターとして活動している。焼酎は甲類をお茶で割って飲むのが好きな飲兵衛がわかりやすく解説していく。

甲類と乙類の違いをざっくり解説

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焼酎の「甲類」「乙類」、お酒が好きなら一度は聞いたことがありますよね。でも違いはあまり知られていないかもしれません。大容量のペットボトルで安く売っているのが甲類、芋焼酎や麦焼酎などが乙類、と言ったらイメージしやすいでしょうか。まずは造り方の違いから詳しくみていきましょう。

違いその1:造り方

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甲類か乙類かは、造り方によって区別されます。違いは蒸留する回数です。

甲類:連続式蒸留方法

甲類焼酎は、連続式蒸留機を使った連続式蒸留方法で造られます。この蒸留方法は明治時代頃に生み出され、焼酎の歴史の中で比較的新しい甲類焼酎は「新式焼酎」とも呼ばれていました。

蒸留では気化させたアルコールを冷やして原酒を抽出しますが、このときにアルコール以外の成分も一緒に抽出されます。何度も蒸留することで、不純物が取り除かれて純度の高いアルコールが出来上がるのです。そして何度も蒸留できるということは、大量生産が可能となります。そのおかげで甲類焼酎は比較的安く購入できるのですね。

\次のページで「乙類:単式蒸留方法」を解説!/

乙類:単式蒸留方法

乙類焼酎は、単式蒸留機を使った単式蒸留方法で造られます。単式蒸留方法は連続式蒸留機が生まれる前からある昔ながらの製法で、乙類焼酎は「旧式焼酎」と呼ばれることも。単式蒸留では一度しか蒸留を行わないため、アルコール以外の成分が残ります。この成分が、原料由来の風味や香りを焼酎に与えるのです。

また、何度も蒸留できる連続式と違い、単式では大量生産ができません。乙類焼酎が甲類焼酎に比べて高値なのは、製造コストの違いによるものなのですね。

違いその2:味

甲類と乙類は、造り方の違いによって味も変わってきます。原料の味がするかしないかがポイントです。

甲類:無味無臭

甲類焼酎は無味無臭と表現されることが多いです。強いて言うなら「アルコールの匂い」でしょうか。何度も蒸留されて雑味がなくなり、アルコール度数を調整する際に大量の水を加えられるため、原料の香りや風味などは残らないのです。

乙類:原料由来の風味

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乙類焼酎は原料由来の風味や香りを楽しむことができます。原料によって味わいが変わり、甲類焼酎よりも奥深さがあるのが特徴。その反面、個性が強いものは香りにクセがあり、初心者には飲みにくく感じるかもしれません。

違いその3:原料

クセのない甲類と、風味の強い乙類。それぞれの求める味によって、使う原料も変わってきます。

\次のページで「甲類:糖蜜」を解説!/

甲類:糖蜜

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甲類焼酎の原料「糖蜜」とは、サトウキビの搾りかすのことです。「廃糖蜜」「モラセス」と呼ばれることもあります。とうもろこしなどの穀類を原料とすることもありますが、糖蜜の方がよりクリアな味わいとなりコストパフォーマンスも良いです。

乙類:芋や麦

乙類焼酎は主に芋や麦、米、そばなどを原料とします。「芋焼酎」など、原料名が名前の頭についているものは聞いたことがありますよね。使う原料によって味わいが変わるため、飲み比べてみるのも楽しいですよ。

違いその4:カロリー

焼酎は蒸留によって糖質が取り除かれるため、カロリーはアルコール由来のものになります。

甲類:100mlあたり206kcal

連続蒸留で純度の高いアルコールが生成される甲類焼酎は、乙類焼酎に比べてカロリーが高いです。また、風味の少ない甲類焼酎はソフトドリンクで割って飲むことが多く、糖質やカロリーがより高くなることもあります。

乙類:100mlあたり146kcal

乙類焼酎は甲類焼酎に比べてカロリーが低いだけではなく、善玉コレステロールを増やす働きがあります。善玉コレステロールが増えると、動脈硬化や脳梗塞のリスクが低くなるのです。乙類焼酎の方が甲類焼酎より健康に良いと言えるでしょう。

\次のページで「おすすめの飲み方」を解説!/

おすすめの飲み方

それぞれの特徴の違いはわかりましたね。では、それぞれの味を活かしたおすすめの飲み方を紹介しましょう。

甲類:酎ハイ

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クセのない甲類焼酎は、ソフトドリンクで割って飲むのがおすすめ。居酒屋で提供されているサワーや酎ハイは、甲類焼酎が使われていることがほとんどです。好きなジュースやサイダーで割れば、自宅でも手軽に酎ハイが楽しめますよ。

乙類:ストレート

素材の味を楽しむことができる乙類焼酎は、ストレートでそのまま飲むことで風味を最大限に感じられます。「アルコール度数がキツくてストレートは…」という場合は、ロック水割りもおすすめです。他の味を足さない方が、乙類焼酎の魅力を感じやすいでしょう。

甲乙混和焼酎とは?

焼酎には、甲類と乙類をブレンドした「甲乙混和焼酎」というものもあります。甲類では物足りないけれど、乙類のクセが苦手、という方におすすめの焼酎です。

甲類の割合が多いものを「甲類乙類混和焼酎」と言い、すっきりとした味わいが特徴。反対に乙類の割合が多いものは「乙類甲類混和焼酎」と言い、比較的風味が豊かです。割合によって違う味わいを、いろいろと試してみるのも良いですね。

アレンジを楽しむ甲類焼酎・素材を楽しむ乙類焼酎

甲類焼酎は自分好みの味にアレンジできるうえ、安価で大容量のものが多いです。自宅にボトルを1本常備しておいても損はないでしょう。乙類焼酎は自分好みの味を探して飲み比べるのも楽しみのひとつ。それぞれの特性を理解して、焼酎を選ぶときの参考にしてみてくださいね。

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焼酎の甲類と乙類の違いは造り方!味やカロリーの違い・おすすめの飲み方もお酒好きライターがわかりやすく解説

今回は焼酎の「甲類」と「乙類」の違いについてみていきます。焼酎には甲類と乙類って種類があるんですが、知っていたか?酒を飲まないとあまり聞かないかもな。この2種類は味が結構違う…というか、甲類は味があまりしなのです。その味の違いは、造り方の違いによって生まれるらしいのです。そこで今回は酒好きライターの早坂佳歩と一緒に、それぞれの原料や造り方、おすすめの飲み方などをわかりやすく解説していきます。

ライター/早坂佳歩

会計事務所に勤務しながら副業webライターとして活動している。焼酎は甲類をお茶で割って飲むのが好きな飲兵衛がわかりやすく解説していく。

甲類と乙類の違いをざっくり解説

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焼酎の「甲類」「乙類」、お酒が好きなら一度は聞いたことがありますよね。でも違いはあまり知られていないかもしれません。大容量のペットボトルで安く売っているのが甲類、芋焼酎や麦焼酎などが乙類、と言ったらイメージしやすいでしょうか。まずは造り方の違いから詳しくみていきましょう。

違いその1:造り方

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甲類か乙類かは、造り方によって区別されます。違いは蒸留する回数です。

甲類:連続式蒸留方法

甲類焼酎は、連続式蒸留機を使った連続式蒸留方法で造られます。この蒸留方法は明治時代頃に生み出され、焼酎の歴史の中で比較的新しい甲類焼酎は「新式焼酎」とも呼ばれていました。

蒸留では気化させたアルコールを冷やして原酒を抽出しますが、このときにアルコール以外の成分も一緒に抽出されます。何度も蒸留することで、不純物が取り除かれて純度の高いアルコールが出来上がるのです。そして何度も蒸留できるということは、大量生産が可能となります。そのおかげで甲類焼酎は比較的安く購入できるのですね。

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