この記事では指定校推薦と公募推薦の違いについてみていきます。どちらも大学の入学試験に使われる方法で高校に入学時から意識している人も多いが、違いがいろいろあるようです。今回はそんな人生の一大イベントに使われる2つの推薦入試の違いを、指定校推薦を経験したれおな=007一緒に解説していきます。
れおな=007

ライター/れおな=007

一般企業に勤める傍ら、執筆活動を行なうWEBライター。得意分野ホームページ関連をはじめとするITや、言葉の意味をはじめとする雑学など多岐に及ぶ。指定校推薦で某有名私立大学進学を決めた経験をもとに、本記事を執筆していく。

指定校推薦と公募推薦の違いは?

大学入試の指定校推薦と公募推薦は、受験のシステムが大きく違うものです。しかし指定校推薦及び一部の私立大学を除く公募推薦は、専願制である点が共通しています。

つまり合格したら入学することが前提であるため、基本的に併願ができないと考えて良いでしょう。もちろん指定校推薦と公募推薦で1校ずつ受験するという方法も取れないので、出願する際には注意が必要です。

違いその1.対象者

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指定校推薦と公募推薦では、対象者が明確に違います。本項ではそれぞれの入試制度を利用できる生徒を比較し、さらに彼らがどのように高校生活を過ごすかを考察していきましょう。

指定校推薦:大学が指定した高校の生徒

指定校推薦は大学側が高校に推薦枠を与える形で成り立っています。具体的には大学から評定平均値や履修科目といった出願する生徒に求める条件及び人数が提示され、高校が該当する生徒を推薦するという形式です。

そのため指定校推薦での進学を目指す生徒は、1年生の頃から評定平均値を意識して学業に励みます。中にはクラブや学校行事をはじめとする課外活動に積極的に取り組む生徒や、習い事に打ち込んでそれをアピールするする生徒もいるでしょう。

\次のページで「公募推薦:出身校に制限がない」を解説!/

公募推薦:出身校に制限がない

公募推薦は大学が提示する条件を満たし、学校長から推薦書をもらえればどの学校の生徒でも出願可能です。ただしこの入試制度において大学が提示する条件には、簿記や英語のなどの資格取得が入る可能性があります。

そのため利用する入試制度によっては、資格取得の勉強に励む生徒もいることでしょう。また指定校推薦のような受験者の人数制限がないため、よほどの成績不振や素行不良でない限り学校長からの推薦書はもらいやすいです。

違いその2.選考フロー

指定校推薦と公募推薦はそもそもの対象者が異なるため、もちろん選考フローにも違いが生まれます。本項では両者の選考フローを比較し、どのような受験対策が必要かを考察していきましょう。

指定校推薦:校内での選考がメイン

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指定校推薦の選考フローでは、校内での選考の比重が大きいです。生徒たちが提出した志望校と彼らの成績を比較し、より大学の基準を満たしている生徒を学校長が推薦します。

また似たような成績の生徒がいる場合、出欠をはじめとする生活態度や課外活動などでより優秀と判断される生徒が推薦されるでしょう。そのため指定校推薦の推薦会議の時期は、先生生徒を問わず学年内に緊張感が漂います。

公募推薦:他校とも競争

公募推薦はどの高校の生徒でも出願できるため、学校外の受験生とも競うことになるでしょう。そのため顔も成績も見えないライバルを意識しなければならないため、より学力的な受験対策を入念にすることが必要です。反対に校内での人数制限がないため、友達と同じ大学や学部の志願や及び情報交換ができるかもしれません。

指定校推薦のメリット・デメリットは?

指定校推薦を使った大学進学を検討する場合、そのメリットデメリットに注意が必要です。本項では指定校推薦のメリット、デメリットを比較します。特に大学卒業まで注意が必要なポイントもあるので、その点も意識して指定校推薦を検討しましょう。

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メリットその1.合格率が高い

大学受験で指定校推薦を使う最大のメリットは、その合格率の高さでしょう。なぜなら大学側が実施する面接などで不合格にされることがほとんどないからです。もちろん願書とともに提出する志望動機書も担任や進路指導の先生から添削が入るため、その内容が原因で不合格になる可能性もほとんどありません。

メリットその2.受験にかかるトータル費用が安い

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指定校推薦のメリットには、トータル費用が他の入試制度を使う場合に比べて安くなることも挙げられます。ほとんどの場合専願で不合格になることも考えにくいため、受験費用はその1回分だけに抑えられるでしょう。

中には大学入学共通テストの受験が必要な推薦枠もありますが、その費用すら不要なケースも多いです。ただし入学金の振り込み期限は短いことがほとんどなので、あらかじめ調べて用意しておきましょう。

デメリットその1.辞退ができない

指定校推薦の最大のデメリットは、入学辞退ができないことです。そもそもこの入試制度が大学と高校の信頼関係の上に成り立っているので、安易に入学を辞退してしまうと次年度に影響を与えるかもしれません。もちろん志望していた他の生徒からも、強いバッシングを受ける可能性もあります。

入学辞退が完全に不可であるとはいえませんが、相当な覚悟が必要になるでしょう。ただし本当にやむを得ない事情があれば、この限りではないのかもしれません。

デメリットその2.出身高校に影響を与える

指定校推薦のデメリットには、入学後も出身高校に影響を与えることも挙げられます。なぜなら入学後の学生の過ごし方が、大学が出身高校を評価する材料になる可能性があるからです。

つまりその評価が次年度以降の出身高校への推薦枠の増減につながるため、入学辞退ができないのと同様に退学も難しいでしょう。もちろん学業不振による休学や留年なども、出身校に対する大学の推薦枠が減らされたりなしにされたりする一因になるかもしれません。

公募推薦のメリット・デメリットは?

指定校推薦と同様に、公募推薦にもメリットデメリットがいくつかあります。本項では公募推薦のメリットデメリットを紹介しますので、指定校推薦のものと比較してどちらを使うべきか検討してみてください。

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メリットその1.私立は一部併願可能

指定校は全て専願であるのに対し、公募推薦の中でも私立大学であれば一部併願可能なケースがあります。ただし大学内の別の学部や学科となら併願可能なのか、他大学を受験しても問題ないのかは入試要項を熟読した上での判断が必要です。

とはいえ公募推薦も専願制であるパターンが大多数を占めており、特に国公立大学の場合は併願ができません

メリットその2.受験のチャンスが増える

公募推薦には、受験のチャンスが増えるというメリットもあります。学力試験がメインの一般入試は公募推薦より倍率が高く、浪人生や社会人などのライバルも意識しなければならなりません。

しかし公募推薦は小論文と面接などの形式を取るので、学力以外の長所も発揮できます。もちろん一般入試で、公募推薦の志望校に再チャレンジすることも可能です。

デメリットその1.倍率が高い

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公募推薦のデメリットには、指定校推薦に比べて倍率が高いことが挙げられます。そもそも公募推薦は出身校に制限がないため、出願資格を持つ高校生は必然的に多いです。そのため不合格になる可能性は指定校推薦の場合より高く、そのリスクを考えた受験対策を進めなければなりません。

デメリットその2.併願時の試験対策の負荷が重い

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公募推薦のデメリットは、併願した際の試験対策が受験生にとって大きな負担になるのが挙げられます。まず面接試験の準備としてそれぞれの志望理由を考えるために、志望校を研究するでしょう。また小論文試験の出題傾向は大学によって差異が大きく、さまざまなパターンの出題に慣れる必要があります。

加えて不合格になった時を考慮し、合格通知を受け取るまでは一般入試の対策をする受験生もいるでしょう。これらをバランスよく取り組むのも、受験生には必須のスキルです。

指定校推薦と公募推薦は対象者や選考フローが違う

指定校推薦と公募推薦は、対象者や選考のフローが大きく違います。もちろんメリットやデメリットの違いも、これらの入試制度の違いに起因するものです。両方の入試制度の違いをよく吟味し、受験の際にはご自身の納得のいく選択をしてくださいね。

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雑学

指定校推薦と公募推薦の違いは?併願できる?対象者や選考フロー・メリット・デメリットも会社員Webライターがわかりやすく解説

この記事では指定校推薦と公募推薦の違いについてみていきます。どちらも大学の入学試験に使われる方法で高校に入学時から意識している人も多いが、違いがいろいろあるようです。今回はそんな人生の一大イベントに使われる2つの推薦入試の違いを、指定校推薦を経験したれおな=007一緒に解説していきます。
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ライター/れおな=007

一般企業に勤める傍ら、執筆活動を行なうWEBライター。得意分野ホームページ関連をはじめとするITや、言葉の意味をはじめとする雑学など多岐に及ぶ。指定校推薦で某有名私立大学進学を決めた経験をもとに、本記事を執筆していく。

指定校推薦と公募推薦の違いは?

大学入試の指定校推薦と公募推薦は、受験のシステムが大きく違うものです。しかし指定校推薦及び一部の私立大学を除く公募推薦は、専願制である点が共通しています。

つまり合格したら入学することが前提であるため、基本的に併願ができないと考えて良いでしょう。もちろん指定校推薦と公募推薦で1校ずつ受験するという方法も取れないので、出願する際には注意が必要です。

違いその1.対象者

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指定校推薦と公募推薦では、対象者が明確に違います。本項ではそれぞれの入試制度を利用できる生徒を比較し、さらに彼らがどのように高校生活を過ごすかを考察していきましょう。

指定校推薦:大学が指定した高校の生徒

指定校推薦は大学側が高校に推薦枠を与える形で成り立っています。具体的には大学から評定平均値や履修科目といった出願する生徒に求める条件及び人数が提示され、高校が該当する生徒を推薦するという形式です。

そのため指定校推薦での進学を目指す生徒は、1年生の頃から評定平均値を意識して学業に励みます。中にはクラブや学校行事をはじめとする課外活動に積極的に取り組む生徒や、習い事に打ち込んでそれをアピールするする生徒もいるでしょう。

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