この記事では「小手が利く」について解説する。

端的に言えば「小手が利く」の意味は「器用である」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

建設系広報誌の企画や校閲を6年経験したMaicodoriを呼んです。一緒に「小手が利く」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Maicodori

建設系広報誌の企画・校閲などに6年以上携わり、言葉の意味や使い方を調べることが得意なWEBライター。年間100冊を超える豊富な読書量も活かし、「小手が利く」の意味をわかりやすく伝える。

「小手が利く」の意味や語源・使い方まとめ

image by PIXTA / 80557712

それでは早速「小手が利く」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「小手が利く」の意味は?

「小手が利く」には、次のような意味があります。

ちょっとしたことに器用である。小手先が利く。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「小手が利く

「小手が利く」は「こてがきく」と読み、何かのちょっとした些細な物事に対して器用である際に使用する言葉です。上述したように、「小手先が利く」と同じ意味で使用することができます。

「小手が利く」の語源は?

次に「小手が利く」の語源を確認しておきましょう。「小手が利く」の語源は明確ではありませんが、2つの言葉がくっついた慣用句ですから、それぞれの意味を確認してみます。

まず「小手」は「ひじと手首との間の部分。また、手先。」の意味ですね。次に「利く」は「本来の機能を十分に発揮する。機敏に、また、さかんに活動する。」の意味でしょう。

そのため「小手が利く」を丁寧に言いまわすと「手先がさかんに活動する」となり、転じて「器用である」となることがわかりますね。

「小手が利く」の使い方・例文

「小手が利く」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1. あなたは何にでも小手が利く人なのね。便利屋として扱って悪いけれど、これもやっておいてくれない?
2. 今回ボランティアに集まってくれた人たちに、言い方は悪いが小手が利く人はあまりいない。困った、今日中に終わらないかもしれないな。
3. 僕は編み物はあまり得意じゃなかったのだけれど、刺繍は小手が利くことがわかった。

どの例文においても、「小手が利く」は何かの物事に対して「器用である」という意味で使用されていることがわかりますね。いずれも「小手先が利く」に置き換えることが可能です。

「小手が利く」の類義語は?違いは?

image by PIXTA / 91119296

それでは次に、「小手が利く」の類義語を3つほどピックアップしましたので、見ていきましょう。

「腕が立つ」:技術が優れていること

今回最初にご紹介する類義語が「腕が立つ」(うでがたつ)です。口語でもよく用いられる慣用句ですが、念のため国語辞典で意味を確認しておきましょう。

腕前・技術がすぐれている。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「腕が立つ

「腕が立つ」は「小手が利く」と同じような意味を有していますが、比較すると「小手が利く」は「ちょっとしたこと」に限定された言葉であるのに対し、「腕が立つ」は物事の大小に関わらず使用できるということが違いと言えるでしょう。

「おてのもの」:得意とするもの

次にご紹介する類義語が「おてのもの」です。こちらも意味を確認しておきましょう。

慣れていてたやすくできる事柄。得意とするもの。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「おてのもの

「おてのもの」は「小手が利く」と同じように何かの物事が得意という意味ですが、比較すると「おてのもの」は自信が満ちあふれているニュアンスが含まれていることが違いと言えるでしょう。ちなみに漢字では「御手の物」と書きますから合わせて覚えておくことをおすすめします。

「潰しが効く」:他の仕事ができる能力があること

今回最後にご紹介する類義語が「潰しが効く」(つぶしがきく)です。こちらも意味を確認しておきます。

それまでの仕事をやめても、他の仕事ができる能力がある。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「潰しが効く

「潰しが効く」は「小手が利く」と同じように得意・器用という観点では類似していますが、「潰しが効く」は仕事に限定しているところが違いと言えるでしょう。金属製品は溶かして別の物にすることができるということが語源となっています。

「小手が利く」の対義語は?

さて、同義語の次は対義語(反対語)を見ていきましょう。

\次のページで「「不器用」:器用でないこと」を解説!/

「不器用」:器用でないこと

「小手が利く」の対義語としては「不器用」(ぶきよう)が挙げられるでしょう。「手先が器用でないこと。また、そのさま。ぶきっちょ。」という意味ですから、対義関係にあることがわかりますね。

「小手が利く」の英訳は?

image by PIXTA / 87130555

最後に、「小手が利く」を英訳するとどうなるかを見ていきましょう。

「dexterous」:器用

「小手が利く」を英語で言いまわす場合は「dexterous」が挙げられるでしょう。「器用」という意味で使用可能です。あまり見慣れない単語でしょうから、しっかり読み書きを確認しておきましょう。以下に例文を見てみます。

・The festival's entertainment turned out to be a street performance, and it turns out that I am actually quite dexterous. Compared to my friends, I learn quickly.
文化祭の出し物が大道芸になったのだけれど、私は実は小手が利くことがわかったの。友だちと比べて、すぐに覚えてしまうのよね。

・He's dexterous when it comes to doing research, even in his job. It's a basic part of being a consultant, and it's useful.
仕事の中でも、リサーチすることに関しては彼は小手が利くね。コンサルタントの基本中の基本とも言えるから、役に立つよ。

・Even though answering the phone is a trivial matter, the newcomer who has just joined us is doing it without a hitch. Dexterity is not a bad thing, so I wish him the best.
電話対応は些細なこととはいえ、今回入った新人は無難にこなしている。小手が利くことは悪いことではないから、頑張って欲しいな。

「小手が利く」を使いこなそう

この記事では「小手が利く」の意味・使い方・類語などを説明しました。簡単に復習しておきましょう。

「小手が利く」は何かのちょっとした些細な物事に対して器用である際に使用する言葉でした。ビジネスシーンでも日常生活でも、何かと「小手が利く」人は重宝されますが、あまり器用貧乏になってしまうとやりたいことがやれなくなってしまう可能性がありますから、適度なバランスでいるように意識してみましょうね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「小手が利く」の意味や使い方は?例文や類語を元校閲者がわかりやすく解説!

この記事では「小手が利く」について解説する。

端的に言えば「小手が利く」の意味は「器用である」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

建設系広報誌の企画や校閲を6年経験したMaicodoriを呼んです。一緒に「小手が利く」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Maicodori

建設系広報誌の企画・校閲などに6年以上携わり、言葉の意味や使い方を調べることが得意なWEBライター。年間100冊を超える豊富な読書量も活かし、「小手が利く」の意味をわかりやすく伝える。

「小手が利く」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「小手が利く」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「小手が利く」の意味は?

「小手が利く」には、次のような意味があります。

ちょっとしたことに器用である。小手先が利く。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「小手が利く

「小手が利く」は「こてがきく」と読み、何かのちょっとした些細な物事に対して器用である際に使用する言葉です。上述したように、「小手先が利く」と同じ意味で使用することができます。

「小手が利く」の語源は?

次に「小手が利く」の語源を確認しておきましょう。「小手が利く」の語源は明確ではありませんが、2つの言葉がくっついた慣用句ですから、それぞれの意味を確認してみます。

まず「小手」は「ひじと手首との間の部分。また、手先。」の意味ですね。次に「利く」は「本来の機能を十分に発揮する。機敏に、また、さかんに活動する。」の意味でしょう。

そのため「小手が利く」を丁寧に言いまわすと「手先がさかんに活動する」となり、転じて「器用である」となることがわかりますね。

「小手が利く」の使い方・例文

「小手が利く」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1. あなたは何にでも小手が利く人なのね。便利屋として扱って悪いけれど、これもやっておいてくれない?
2. 今回ボランティアに集まってくれた人たちに、言い方は悪いが小手が利く人はあまりいない。困った、今日中に終わらないかもしれないな。
3. 僕は編み物はあまり得意じゃなかったのだけれど、刺繍は小手が利くことがわかった。

どの例文においても、「小手が利く」は何かの物事に対して「器用である」という意味で使用されていることがわかりますね。いずれも「小手先が利く」に置き換えることが可能です。

「小手が利く」の類義語は?違いは?

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それでは次に、「小手が利く」の類義語を3つほどピックアップしましたので、見ていきましょう。

「腕が立つ」:技術が優れていること

今回最初にご紹介する類義語が「腕が立つ」(うでがたつ)です。口語でもよく用いられる慣用句ですが、念のため国語辞典で意味を確認しておきましょう。

腕前・技術がすぐれている。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「腕が立つ

「腕が立つ」は「小手が利く」と同じような意味を有していますが、比較すると「小手が利く」は「ちょっとしたこと」に限定された言葉であるのに対し、「腕が立つ」は物事の大小に関わらず使用できるということが違いと言えるでしょう。

「おてのもの」:得意とするもの

次にご紹介する類義語が「おてのもの」です。こちらも意味を確認しておきましょう。

慣れていてたやすくできる事柄。得意とするもの。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「おてのもの

「おてのもの」は「小手が利く」と同じように何かの物事が得意という意味ですが、比較すると「おてのもの」は自信が満ちあふれているニュアンスが含まれていることが違いと言えるでしょう。ちなみに漢字では「御手の物」と書きますから合わせて覚えておくことをおすすめします。

「潰しが効く」:他の仕事ができる能力があること

今回最後にご紹介する類義語が「潰しが効く」(つぶしがきく)です。こちらも意味を確認しておきます。

それまでの仕事をやめても、他の仕事ができる能力がある。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「潰しが効く

「潰しが効く」は「小手が利く」と同じように得意・器用という観点では類似していますが、「潰しが効く」は仕事に限定しているところが違いと言えるでしょう。金属製品は溶かして別の物にすることができるということが語源となっています。

「小手が利く」の対義語は?

さて、同義語の次は対義語(反対語)を見ていきましょう。

\次のページで「「不器用」:器用でないこと」を解説!/

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