今回は旬の季節や種類から大葉について掘り下げていこう。大葉は青ジソの葉の呼び名だということを頭に置いて読み進めてくれ。より鮮度の高い品を選ぶためのポイントも合わせて、食育指導にも10年以上携わった元保育士ライター、榎木えふと一緒に解説していきます。

ライター/榎木えふ

現在は我が子の育児を楽しむ元保育士。大葉の種まき時期も調査済みの大葉好きだが、家に庭がないので育てられない。長らく食育に関わってきた経験をふまえて食に関する知識をわかりやすく解説する。

大葉の旬はいつ?主な産地・一年中手に入る理由は?

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大葉は一年を通して手に入るため、旬の季節を気にすることは少ないかもしれませんね。ここでは大葉の旬の他にも出荷量からみた一大産地や栽培のしかたも合わせてみていきましょう。

大葉の旬は夏!

大葉は5月〜8月頃、初夏から夏にかけてが旬の食材です。草木が青々と茂る季節なので、大葉の青くみずみずしい葉を見るとうなずけますね。シソの種が芽を出すのは土の中の温度が25℃〜30℃になる頃。そのため種まきは気温が上がってくる4月〜6月頃に行い、本葉が大きく成長し収穫できる時期が夏になるというわけです。シソは基本的に丈夫で成長が早く、育てやすい作物だと言われていますよ。

主な産地は愛知県

和のハーブなどと呼ばれる大葉ですが、そのルーツはなんと中国。中国から伝わって、日本では大正時代以降にさかんに栽培されるようになったと言われています。日本国内における大葉の出荷量から主な産地をみてみましょう。

大葉の作付け面積及び出荷量(平成30年産)
愛知県:3522トン
大分県:547トン
茨城県:280トン
全国:4792トン

参照:愛知県ホームページ(農業水産局農政部園芸農産課)

大葉の収穫量は愛知県が最も多く、国内シェアのなんと7割を占める日本一の産地です。昭和30年代後半に豊橋市や豊川市を中心とした東三河地域で栽培と出荷の仕組みが整えられ、日本を代表する産地となりました。 現在は園芸用ハウスで育てられている大葉ですが、もともとは愛知県の温暖な気候や冬場でも日が長いことが大葉の成長に合っていたため栽培がはじまったとされています。

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温室栽培で一年中収穫できる

園芸用ハウスで栽培されるため、大葉はスーパーなどで一年中手に入れることができるようになりました。シソは暖かい環境で発芽・成長するので適温に調節されたハウスの中で栽培されます日当たりが良すぎると葉がかたくなってしまうため光の入り具合も管理されていますよ。他にも、育ちをよくするためや病気を防ぐために炭酸ガスやヒートポンプ、防虫ネットを駆使してハウス内の環境が整えられています。

また、大葉は機械で収穫することができないため出荷するときは手作業で一枚ずつ摘み取られています。多くの手間をかけて丁寧に栽培されているのですね。

大葉に種類はある?赤紫蘇やエゴマとの違いは?

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青ジソの葉に限って大葉と呼ばれることを思い出してください。つまり色や形などの特徴が違うシソの葉を大葉と呼ぶことはありませんので大葉の種類はないとも言えるのですが、ここでは元の植物であるシソの種類と、シソによく似たエゴマの特徴をみておきましょう。

その1.食品の色付けに使われる赤ジソ

シソの種類でよく知られるのが赤ジソ。葉は濃い紫色のような色が特徴的です。赤ジソはそもそも青ジソではないので大葉と呼ばれることはありません

赤ジソにはアントシアニンという成分が含まれていて、酸性のものに触れると赤く色が変わる性質を持っています。梅干しは梅の実と赤ジソを一緒に漬けて作りますが、梅に含まれるクエン酸によって赤色が強く発色するしくみが色付けに利用されているのです。その他にもしば漬けやゆかりの材料にもなりますが、主な使い道は梅干しづくり。用途が限定的なため、梅の実が出荷される6~7月の間に合わせてお店で見かけることがあるぐらいでしょう。鮮度が落ちるのが早いので根が付いたまま束にされて売られていますよ。

実は青ジソは赤ジソの変種。シソと言えば本来は赤ジソのことを指すのです。

その2.葉が縮れたちりめんジソ

ちりめんジソは葉に縮れたようなくぼみが見られる種類です。ちりめんとは表面がでこぼこした縮れのような織目を持つ布地のこと。青ジソだけでなく赤ジソにもちりめんが現れる種類があります。

その3.まだらジソと片面ジソ

まだらジソ、そして片面ジソは葉の色の特徴に注目。どちらも共通して葉の表面が緑色、裏面は赤ジソのような紫色という変わった見た目をしています。

\次のページで「その4.エゴマの葉は大葉とは別物」を解説!/

その4.エゴマの葉は大葉とは別物

大葉と同じく葉の部分が料理に使われるエゴマという食材があります。エゴマはシソ科の植物で、緑色で葉の周りがギザギザとしていて大葉とよく似た見た目をしていますよ。しかし、やや丸みのある形をしていて香りや風味は全くの別物。そのまま食べると苦味があるので人によって好き嫌いが分かれるでしょう。

あまりなじみがないかもしれませんが、韓国料理の付け合わせとして焼き肉に巻いたり調味料に漬け込んで食べたりします。料理においてアクセント的な食べ方をするところは大葉と似ていますね。

新鮮な大葉を選ぶポイントは?

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大葉は10枚入り程度だと透明な袋に入って売られていることが多いですね。1枚1枚の状態を確認することは難しいですが、できるだけ鮮度の高いものを見極めるポイントを紹介します。

1.黒ずみがなくみずみずしいものを選んで

まずは大葉の表面に黒ずみや黒い斑点がないかを確認しましょう。これらは鮮度が落ちている証拠です。また葉が丸まったりしなびているものは水分が抜けているので避けて、葉先までピンと張っているみずみずしいものを選ぶとよいでしょう。

2.緑色が濃いほどよい大葉?

色がくっきりと濃い色をしているとなんだか栄養がありそうな気がしますね。しかし、大葉において緑色が濃すぎるものは水分が少なく葉が固い状態。葉にみずみずしさが少ないと香りや風味が劣るため、明るく鮮やかな緑色をしているものを選びましょう

3.大きい葉のものがよい?

葉がより大きい方がお得感があるような感じを受けますが、葉が大きすぎるものは成長しすぎているということ。成長しすぎた葉は固く、味や香りも劣ってしまいます。葉は適度な大きさと厚みがあって柔らかいものがよりおいしく食べられますよ。

\次のページで「旬や選び方を知って大葉のよさを最大限に活用しよう」を解説!/

旬や選び方を知って大葉のよさを最大限に活用しよう

年中買うことができる大葉ですが旬の季節は夏でした。よく育ち多く流通するということはそのぶん価格も安くなる傾向もあるので、食生活に取り入れやすくなるでしょう。食欲が落ちがちな時期に食欲増進効果を持つシソが旬を迎えるとはよくできていますね。大葉の香りを一番楽しむことができるのは生で食べることですので、選び方のポイントを参考にしてより新鮮な大葉を手に入れてください。

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家庭科

大葉の旬は夏!一年中手に入るのはなぜ?種類や選び方のポイントも元保育士がわかりやすく解説

今回は旬の季節や種類から大葉について掘り下げていこう。大葉は青ジソの葉の呼び名だということを頭に置いて読み進めてくれ。より鮮度の高い品を選ぶためのポイントも合わせて、食育指導にも10年以上携わった元保育士ライター、榎木えふと一緒に解説していきます。

ライター/榎木えふ

現在は我が子の育児を楽しむ元保育士。大葉の種まき時期も調査済みの大葉好きだが、家に庭がないので育てられない。長らく食育に関わってきた経験をふまえて食に関する知識をわかりやすく解説する。

大葉の旬はいつ?主な産地・一年中手に入る理由は?

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大葉は一年を通して手に入るため、旬の季節を気にすることは少ないかもしれませんね。ここでは大葉の旬の他にも出荷量からみた一大産地や栽培のしかたも合わせてみていきましょう。

大葉の旬は夏!

大葉は5月〜8月頃、初夏から夏にかけてが旬の食材です。草木が青々と茂る季節なので、大葉の青くみずみずしい葉を見るとうなずけますね。シソの種が芽を出すのは土の中の温度が25℃〜30℃になる頃。そのため種まきは気温が上がってくる4月〜6月頃に行い、本葉が大きく成長し収穫できる時期が夏になるというわけです。シソは基本的に丈夫で成長が早く、育てやすい作物だと言われていますよ。

主な産地は愛知県

和のハーブなどと呼ばれる大葉ですが、そのルーツはなんと中国。中国から伝わって、日本では大正時代以降にさかんに栽培されるようになったと言われています。日本国内における大葉の出荷量から主な産地をみてみましょう。

大葉の作付け面積及び出荷量(平成30年産)
愛知県:3522トン
大分県:547トン
茨城県:280トン
全国:4792トン

参照:愛知県ホームページ(農業水産局農政部園芸農産課)

大葉の収穫量は愛知県が最も多く、国内シェアのなんと7割を占める日本一の産地です。昭和30年代後半に豊橋市や豊川市を中心とした東三河地域で栽培と出荷の仕組みが整えられ、日本を代表する産地となりました。 現在は園芸用ハウスで育てられている大葉ですが、もともとは愛知県の温暖な気候や冬場でも日が長いことが大葉の成長に合っていたため栽培がはじまったとされています。

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