今回は「常勤」と「非常勤」の違いについてみていきます。常勤・非常勤と聞くと、みんなは何を思い浮かべるでしょうか。俺は学校の「常勤講師」が身近です。常勤と非常勤では働き方に違いがあるんですが、常勤=正社員、非常勤=パート・アルバイトってわけでもなのです。そこで今回は会計事務所職員の早坂佳歩を呼んです。それぞれの働き方によるメリットや、職種による違いをわかりやすく解説していきます。

ライター/早坂佳歩

会計事務所に勤務しながら副業webライターとして活動している。パン職人・営業アシスタントなど様々な職種で得た経験を活かし、わかりやすく解説していく。

常勤と非常勤の違いとは?

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常勤か非常勤かは、勤務時間によって判断します。ここでは一般的な基準をみていきましょう。

常勤:フルタイム勤務

常勤とはフルタイム勤務のことで、1日8時間・週5日勤務する従業員を指します。正社員の多くは常勤社員になることがわかりますね。

非常勤:フルタイム勤務以外

非常勤は、勤務時間がフルタイム勤務より短い従業員のことです。週5日出勤していても、1日6時間の勤務であれば非常勤となります。毎日働いている=常勤ではないのです。

雇用の正規・非正規は関係ない

正社員が常勤であることが多いため、非正規雇用が非常勤と思われることも多いですが、それは違うのです。フルタイム勤務しているアルバイトは、非正規雇用の常勤となりますよね。雇用形態と就業形態の基準は異なるため、混合しないようにしましょう。

常勤のメリット

常勤は勤務している時間が長いぶん、収入面休業補償へのサポートが手厚いです。一家の大黒柱でなくとも、常勤のメリットはなかなかに魅力的ですよ。

\次のページで「その1:収入が安定している」を解説!/

その1:収入が安定している

常勤の給与は月給制が一般的で、安定した収入を得ることができます。ボーナスや昇給を見込めることもあるので、非常勤に比べて年収を上げやすいでしょう。短時間勤務よりもフルタイム勤務の方が有給付与日数が多いため、病気で働けなくなった場合などでも無給になるリスクは低いと言えます。

その2:社会保険に加入できる

常勤であれば、健康保険や厚生年金などの社会保険に加入することができます。

国民健康保険には扶養という概念がなく、家族ひとりひとりが保険料を支払わなくてはなりません。それに対し、社会保険は被保険者(従業員)が保険料を支払えば扶養家族にも保険証が交付されます。さらに保険料は会社と従業員で折半するため、扶養家族が多い人ほど社会保険の方が負担は少なくなるでしょう。

また、社会保険では傷病手当金出産手当金など、働けなくなったときに支給される給付金があります。国民健康保険ではこのような制度がないため、もしものときには社会保険の方が安心できますね。

その3:スキルアップが目指せる

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常勤の従業員には、今後の成長を期待されることも多いです。「教育にしっかりと時間をかけ、ゆくゆくは責任のある大きな仕事も任せたい!」という企業であれば、社内での昇格はもちろん、自身のスキルアップにも繋がります。非常勤は常勤のサポートにまわることが多いため、常勤の方が経験を積む機会を得やすいでしょう。

非常勤のメリット

収入・仕事面のメリットは、常勤の方が多そうに見えますね。ただ、非常勤には常勤にないメリットがあります。

その1:時間の融通が利く

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非常勤の最大のメリットは、自分の都合に合わせて働けるところです。「子どもが学校に行っている間だけ働く」「昼間は勉強をして夜間に仕事」という様々なライフスタイルに沿った働き方ができます。また、ブランクが空いてしまったときなども、まずは非常勤で復帰して少しずつ仕事に慣れるというのも良いでしょう。

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その2:残業が少ない

非常勤には残業は基本的にありません。短時間勤務の場合は時給制であることが多いため、もし残業が発生したとしてもサービス残業にはならないでしょう。常勤は「みなし残業」として残業代が固定されている場合もあるため、働いたら働いただけきちんと給与がもらえるということも、非常勤のメリットのひとつですね。

その3:対人ストレスが少ない

退職理由で上位を占めるのは、人間関係の悩み。一日の活動時間の半分ほどを会社で過ごす常勤と比べ、非常勤は会社の人と関わる時間も短いです。苦手な人がいたとしても「短時間だから」「週に数日だけだから」と考えるだけで、気が楽になることもあるでしょう。

仕事内容よりも職場環境を知りたい!という場合、続けられそうかどうかを非常勤でお試ししてみるのもありですよ。

職業によって違う?常勤の基準

一般的には常勤=フルタイム勤務とされていますが、職業によっては異なる基準が設けられていることもあります。これから紹介する職業は、きっと「常勤○○」と聞いたことがあるのではないでしょうか。

医師:週32時間勤務

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常勤医師の定義は「週32時間以上勤務すること」と厚生労働省によって通達されています。夜間診療などを引き受けて1日11時間勤務となれば、週3日勤務でも常勤扱いとなるのですね。ただ、常勤・非常勤の規定は各医療機関で定められます。病院側で「当院は35時間以上が常勤です」と決められているのであれば、それに従いましょう。

保育士:正社員

保育士正社員=常勤、パート・アルバイト=非常勤としていることが多いです。常勤として働くためには保育士資格が必要となります。保育士不足と業務量の多さにより、常勤保育士は残業が多い傾向にあるのが現状です。非常勤と比べて収入が安定していて、福利厚生も受けられるのが常勤のメリットですね。

\次のページで「講師:専任に準ずる校務」を解説!/

講師:専任に準ずる校務

常勤講師とは、非正規雇用で雇用に期限の定めがある教員のことです。正規採用の教員と同じくフルタイム勤務で、担任を持ったり部活の顧問をしたりできます。

正規採用となるには教員採用試験に合格しなければいけないため、常勤講師は経験が積める一方で勉強時間の確保が難しくなることも。非常勤講師は担当の授業があるときのみ学校に来れば良いので、収入や経験が少なくなっても勉強に時間を割けるというメリットがあります。

収入重視なら常勤、プライベート重視なら非常勤がおすすめ

常勤は非常勤に比べて収入面の安定が大きなメリットでしたね。ただ長時間の拘束があるため、自分の時間をとることが難しいこともあるでしょう。「将来の目標があって勉強をしたい!仕事は少し経験できるくらいでいい!」ということであれば、非常勤で働くことも選択のひとつです。お金と時間、どちらが今の自分にとって重要か、しっかりと考えて判断できると良いですね。

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雑学

「常勤」と「非常勤」の違いって何?働き方やメリットも会計事務所職員がわかりやすく解説

今回は「常勤」と「非常勤」の違いについてみていきます。常勤・非常勤と聞くと、みんなは何を思い浮かべるでしょうか。俺は学校の「常勤講師」が身近です。常勤と非常勤では働き方に違いがあるんですが、常勤=正社員、非常勤=パート・アルバイトってわけでもなのです。そこで今回は会計事務所職員の早坂佳歩を呼んです。それぞれの働き方によるメリットや、職種による違いをわかりやすく解説していきます。

ライター/早坂佳歩

会計事務所に勤務しながら副業webライターとして活動している。パン職人・営業アシスタントなど様々な職種で得た経験を活かし、わかりやすく解説していく。

常勤と非常勤の違いとは?

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常勤か非常勤かは、勤務時間によって判断します。ここでは一般的な基準をみていきましょう。

常勤:フルタイム勤務

常勤とはフルタイム勤務のことで、1日8時間・週5日勤務する従業員を指します。正社員の多くは常勤社員になることがわかりますね。

非常勤:フルタイム勤務以外

非常勤は、勤務時間がフルタイム勤務より短い従業員のことです。週5日出勤していても、1日6時間の勤務であれば非常勤となります。毎日働いている=常勤ではないのです。

雇用の正規・非正規は関係ない

正社員が常勤であることが多いため、非正規雇用が非常勤と思われることも多いですが、それは違うのです。フルタイム勤務しているアルバイトは、非正規雇用の常勤となりますよね。雇用形態と就業形態の基準は異なるため、混合しないようにしましょう。

常勤のメリット

常勤は勤務している時間が長いぶん、収入面休業補償へのサポートが手厚いです。一家の大黒柱でなくとも、常勤のメリットはなかなかに魅力的ですよ。

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