
3分で簡単原子力発電の仕組み!原子炉の分類方法は?現役理系学生ライターが詳しくわかりやすく解説!

原子力発電は核エネルギーを用いた特殊な発電方法であり、その安全性に関する議論は度々行われているぞ。しかしながら、原子力発電の仕組みを理解していなければ、このような議論にもついていけないだろう。そこで、今回は原子力発電のメカニズムを詳しく述べ、原子炉の種類についても紹介することにしたぞ。ぜひ、この機会に原子力発電の仕組みについての理解を深めてくれ。
塾講師として物理を高校生に教えていた経験もある通りすがりのぺんぎん船長と一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/通りすがりのペンギン船長
現役理系大学生。環境工学、エネルギー工学を専攻しており、物理学も幅広く勉強している。塾講師として物理を高校生に教えていた経験から、物理の学習において、つまずきやすい点や勘違いしやすい点も熟知している。
原子力発電の仕組みを学ぼう!
今日、原子力発電は火力発電や水力発電と並ぶ主力電源になっており、世界中の人々が原子力による電気の恩恵を受けていると言えます。わが国日本に存在する原子力発電は50基を超えており、日本に住んでいても原子力の恩恵を受けていることになりますよ。
このような背景がありながら、原子力発電の仕組みを説明できる方は決して多くはありません。原子力発電は安全性などをめぐり度々議論にあがりますが、仕組みを知らないことにはこのような議論も理解することができませんよね。そこでこの記事では、原子力発電の仕組みについて述べることにしました。
最初のチャプターでは、原子力発電所においてエネルギーが生み出される過程を3つのステップに分けて説明しますね。それぞれのステップにおいて、どのような物理現象が生じて、どのようにエネルギーが変換されているのかという点に注目してみましょう。それでは早速、解説をはじめます。
1.核分裂が生じる

image by Study-Z編集部
原子力発電においてエネルギー源になるものは、ウラン235などの核分裂性物質を含む『核燃料』です。原子炉内では、核分裂連鎖反応という反応を生じさせます。
核分裂連鎖反応をウラン235を例にとって説明しますね。ウラン235に中性子を当てると、ウラン235原子核は2つに割れ、中性子を放出します。この中性子は他のウラン235にぶつかり、再び同じ反応が生じるのです。このようにしてウラン235は次々と分裂していきます。これが核分裂連鎖反応です。
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核分裂反応によって放出されるエネルギーは莫大だ。たった1gのウラン253で、石炭3tに相当するエネルギーを取り出すことができるぞ。
2.熱エネルギーにより蒸気が発生する

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核分裂連鎖反応によって核燃料のもつ核エネルギーは、熱エネルギーに変換されます。原子力発電所では、この熱で水を温めますよ。核分裂で発生する熱エネルギーは莫大であり、簡単に水が沸騰して蒸気になります。その後、蒸気はタービンに送られますよ。
熱エネルギーによって発生する蒸気がタービンに送られるまでの過程は様々です。日本の原子力発電所では、原子炉とタービンが直接つながっている「沸騰水型」と原子炉とタービンの間に熱交換装置が存在する「加圧水型」の2種類が採用されています。

加圧水型は沸騰水型よりも安全性が高いとされている。このような理由で沸騰水型の原子力発電は数を減らしているぞ。
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