この記事では戦力外通告と自由契約の違いについてみていきます。プロ野球ではシーズンが終わりを迎える頃になると、選手の去就が注目される。テレビ番組でも特集されるよな。どちらもチームから出ていくイメージが強いのですが、契約の流れなどで違いが見られるようです。今回はプロ野球の選手の去就に関する語句について、東京ヤクルトスワローズの熱烈なファン海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

海外のミステリ小説が好きで、東京ヤクルトスワローズを熱烈に応援する文学部卒のライター。

戦力外通告と自由契約大きな違いはある?

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プロ野球選手は基本的に1年契約。シーズンが終わる頃になると、選手の契約の問題が取り沙汰される場合があります。その際に、プロ野球のそれぞれの球団から選手に戦力外通告や自由契約を申し渡されることも。揉めるとスポーツニュースなどで話題になる場合もありますね。戦力外通告と自由契約には違いがあるのでしょうか。

戦力外通告とは?

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戦力外通告は、チームに所属している選手本人に対して来シーズンはチームの構想から外れていると直接伝えることをいいます。来シーズンは現在の所属チームで契約をしないこと、つまり現在の所属チームでの選手としての契約を今季いっぱいで解除するということになりますね。

団体競技、主にプロ野球で使われます。ちなみに、プロ野球の場合、支配下登録できる選手は上限が70名まで。ドラフトで入る選手などを考えると、どうしてもその枠を空けて置かなくてはなりませんね。

戦力外通告の期間は?

戦力外通告の期間は、下記の通り第1次通告第2次通告の2種類の期間があります。

・第1次通告期間…10月1日~クライマックスシリーズ開幕前日まで
・第2次通告期間…クライマックスシリーズ全日程終了の翌日~日本シリーズ終了の翌日まで
 ※日本シリーズに出場したチーム…日本シリーズ終了の5日後までとする

また、外国人選手はドラフトを経て入団する訳ではないので、期間に関係なく戦力外通告を受けることも。外国人選手はシーズン中に戦力外通告を受けて、海外の球団に移籍することもありますよ。

戦力外通告を受けても、あくまでも今年度の契約は残っています。しかし、一般的に戦力外通告を受けた選手はその後、試合には出場しないことがほとんどです。

戦力外通告の理由

戦力外通告を受ける理由は、チームによってさまざま。考えられる主な原因は以下の通りです。

・年齢により能力が低下する(チームの若返りのため起用が難しい)
・ケガが多い
・病気で試合に出るのが難しい
・成績の低迷
・同じポジションに有力な選手がいる

年齢や若返りのような理由では中堅選手やベテラン選手が戦力外通告を受けることが多いですが、それ以外の理由では、20代の若い選手でも戦力外通告されることも。

複数年契約を結んでいる選手でも、成績不振などの理由で来季以降の契約は難しいとチームに判断された場合は戦力外通告を受けることも。その場合は、野球協約や契約などの決まりに触れない程度に年俸の残額が支払われることもあるようです。

戦力外通告を受けた選手の進路

戦力外通告を受けた選手は、12球団合同トライアウトや他球団でのテストを受けて移籍する場合もあります。また、独立リーグに移ってプロ野球選手としての再起を図るケースも。ゴルフ選手など他業種のプロスポーツ選手を志す人もいるようです。

でも、それは一握りの選手達。多くは一社会人として、職探しをしなくてはいけません。元選手が仕事に就けるようにセカンドキャリアを支援する動きもあるようですよ。

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自由契約とは?

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自由契約とは、プロ野球の場合は野球協約に規定があります。これは、選手がどの球団にも所属していない中でどこのチームとも自由に契約ができる状態のこと。どこのチームに所属の交渉ができるかというと、戦力外通告を受けたそれまでの所属チームを含めた日本のプロ野球チーム12球団の他、海外のメジャーリーグなどの球団もOKです。

自由契約の期間は?

自由契約の期間は、戦力外通告を受けて所属チームがない状態で過ごしている期間。日本のプロ野球の場合、来季の所属メンバー70名以内に入らない場合や、11月時点で次年度契約保留選手に記載されていない選手が自由契約となります。つまり、戦力外通告があってからどこにも所属先がないとその間は自由契約期間が続くことになるのです。

自由契約の理由

自由契約に至るのは、下記のような理由が考えられます。

・戦力外通告を受けてから他球団のオファーを待っている
・メジャーリーグなどの海外の球団に入って自分の力を試したい(海外のFA権やポスティングの行使などを利用する選手の方が多い)
・アマチュア球団の指導者や選手になる(前所属球団の自由契約証明書が必要)
・育成選手にするため(選手のケガや病気の治療が長引きそうなどの理由で)

戦力外通告や自由契約と間違いやすい語句

日本のプロ野球の契約に関する語句で、戦力外通告と自由契約と間違いやすいものを例にあげます。

\次のページで「任意引退:本人が選手を辞める」を解説!/

任意引退:本人が選手を辞める

任意引退とは、選手自らが希望して現役のプロ野球選手を辞めるということ。本人の意思で辞めるという点で戦力外通告と違いますし、契約をしてもらえない以前に他と契約をする意思がない点で自由契約とは違いますね。

ノンテンダー:自由契約の一種だが再契約もあり得る

ノンテンダーとは2021年の秋頃に話題となった契約に関する言葉ですが、自由契約の一種。日本語に訳すと「(条件などの前向きで積極的な)申し出をしない」といった意味です。例えば、選手の側はFA権などを取得して年俸のアップを狙いたいところですね。しかし、球団では戦力になる選手ではあるけれど、そんなに多額の年俸を出してまで契約するほどではないと判断しているのです。戦力外通告のように、球団の構想から外れている訳ではありません

「もちろん、選手としての力量は認めています。いったん自由契約にするから、他球団と交渉して自由に移籍しても構わないですよ。難しかったら元の球団に戻ってきてもいいけど、こちらの言い値で契約してくださいね。」このような球団の本音が見え隠れしているようですね。ファンの間では移籍が活発になると歓迎している声もありながら、選手のFA権を潰してしまうのではと心配する声も多い様子です。

戦力外通告の流れで自由契約となる場合がある

戦力外通告は、所属チームで来季の構想外だと選手に伝えること。一方、自由契約は、戦力外通告の言い渡しがあった後にどことも契約できない状態を指しています。選手を解雇されたという点では同じように感じられるかもしれません。両者の違いは、戦力外通告の結果、自由契約となることもあるという点です。

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雑学

戦力外通告と自由契約の違いは何?任意引退やノンテンダーにも関係?スワローズ好きな文学部卒ライターが詳しくわかりやすく解説!

任意引退:本人が選手を辞める

任意引退とは、選手自らが希望して現役のプロ野球選手を辞めるということ。本人の意思で辞めるという点で戦力外通告と違いますし、契約をしてもらえない以前に他と契約をする意思がない点で自由契約とは違いますね。

ノンテンダー:自由契約の一種だが再契約もあり得る

ノンテンダーとは2021年の秋頃に話題となった契約に関する言葉ですが、自由契約の一種。日本語に訳すと「(条件などの前向きで積極的な)申し出をしない」といった意味です。例えば、選手の側はFA権などを取得して年俸のアップを狙いたいところですね。しかし、球団では戦力になる選手ではあるけれど、そんなに多額の年俸を出してまで契約するほどではないと判断しているのです。戦力外通告のように、球団の構想から外れている訳ではありません

「もちろん、選手としての力量は認めています。いったん自由契約にするから、他球団と交渉して自由に移籍しても構わないですよ。難しかったら元の球団に戻ってきてもいいけど、こちらの言い値で契約してくださいね。」このような球団の本音が見え隠れしているようですね。ファンの間では移籍が活発になると歓迎している声もありながら、選手のFA権を潰してしまうのではと心配する声も多い様子です。

戦力外通告の流れで自由契約となる場合がある

戦力外通告は、所属チームで来季の構想外だと選手に伝えること。一方、自由契約は、戦力外通告の言い渡しがあった後にどことも契約できない状態を指しています。選手を解雇されたという点では同じように感じられるかもしれません。両者の違いは、戦力外通告の結果、自由契約となることもあるという点です。

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