
ちゃんぽん:炭酸ナトリウムの割合が高い
多くのちゃんぽんの麺の製造に使われるかん水は、炭酸ナトリウムが多めに含まれています。これにより、ちゃんぽんらしい麺の食感や風味を味わうことができるのです。
一方、ちゃんぽんの本場である長崎では、少し違ったかん水を使用します。そのかん水は、「唐灰汁(とうあく)」。この唐灰汁に含まれる炭酸ナトリウムは約9割で、通常のかん水と比べて炭酸ナトリウムの割合がかなり高くなっています。この性質によって、長崎ちゃんぽんの麺は、長時間煮込まれてもべちゃべちゃにならずに、太めでもっちりとした食べ応えのある食感になるのです。
全体的に、ちゃんぽんの麺の製造に使われるかん水の炭酸ナトリウムの含有量が多いことがわかりますね。

この唐灰汁は、実は長崎でしか製造が許可されていないのだ。本場の長崎ちゃんぽんを食べたいのであれば、長崎県に行くか、長崎ちゃんぽん用の麺を仕入れているお店に行くことをおすすめするぞ。
ラーメン:炭酸ナトリウムと炭酸カリウムなどが様々な割合で含まれる

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ちゃんぽんの麺の製造に使われるかん水の特徴として、炭酸ナトリウムが多めに含まれていることでした。それでは、ラーメンに使われるかん水はどうでしょうか。
ラーメンの麺に使われるかん水の主成分は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、そしてリン酸二ナトリウム。これらの比率によって様々な性質を持ったかん水が生まれるのです。ラーメン職人が自らのラーメンの麺を作る時、自分が求める風味やコシ、色合いに一致するかん水を選びます。
このように、ラーメンの麺に使われるかん水の主成分は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、そしてリン酸二ナトリウムで、それらの比率によって、麺の性質が決まるのです。
ちゃんぽんは全部煮込む、ラーメンは器で合わせ入れる!
ちゃんぽんとラーメンは似たような麺料理ですが、両者には違いがあるのでした。最大の違いは、それらの調理方法。ちゃんぽんは麺と具材、スープを一気に煮込むのに対し、ラーメンは、最後に器に盛りつける時に全ての具材を合わせ入れるのでしたね。また、それぞれの麺に使用されるかん水も異なるのでしたね。
このような違いがあるからこそ、ちゃんぽんとラーメンでそれぞれの美味しさがあるのですね。ちゃんぽんやラーメンを食べる時、ぜひ今回ご紹介した違いを思い出してみてください。