現代社会

1970年代に社会を震撼させた「連続企業爆破事件」とは?事件の全容や犯行グループなどを歴史好きライターが分かりやすくわかりやすく解説

オリエンタルメタル社・韓産研爆破事件

連続企業爆破事件は、ほとんどが東京で発生しました。しかし、関西にあったオリエンタルメタル社も標的にされます。しかも、これまで事件が起きた企業はすべて上場企業でしたが、オリエンタルメタル社は中小企業。犯行グループは、それまでとは明らかに標的を変えました。

4月19日の午前1時頃に、兵庫県のオリエンタルメタル本社と、東京の韓国産業経済研究所が同時に爆破されます。深夜の犯行だったため建物には人がおらず、幸い負傷者は出ませんでした。しかし、企業を狙った爆破事件は、1974年8月から11件も発生したことになります。

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連続企業爆破事件の犯行グループが、爆弾製造の方法をまとめて1冊の本にしたものがある。「腹腹時計」という題名で知られ、のちに他の活動家にも広まることになったぞ。「腹腹」はハラハラする、「時計」は時限爆弾を表しているらしい。とんでもない本なのは間違いないが、その「腹腹時計」が証拠となり、犯行グループの摘発につながったのだ。

連続企業爆破事件の犯人と動機は?

image by iStockphoto

果たして、連続企業爆破事件の犯人と犯行の動機はどのようなものだったのでしょうか。

連続企業爆破事件の犯人は東アジア反日武装戦線

11件の連続企業爆破事件は、すべて東アジア反日武装戦線が起こしました。東アジア反日武装戦線とは、1970年代に数々の爆破事件を実行したテロ集団の名前です。メンバーは20代の若者ばかりで、普段は会社員としてごく普通の市民生活を送っているかのように装う者もいました。

東アジア反日武装戦線の凶行は、連続企業爆破事件だけではありません。1971(昭和46)年から、宗教施設などの爆破を数件実行していました。さらに、昭和天皇を暗殺するという計画も立てていたのです。計画は未遂に終わりましたが、昭和天皇が乗車するお召し列車を爆破するという、恐ろしい計画が実行される寸前でした。

東アジア反日武装戦線が犯行に及んだ理由

東アジア反日武装戦線の大元となった団体は、リーダー格の男が大学在学中に結成したものです。その団体では帝国主義時代の日本について集中的に学び、極端な反日思想を醸成させていました。その結果、反日運動のためには武力闘争も辞さないという、偏った考えに至ったのです。

連続企業爆破事件は、東アジア反日武装戦線の極端な反日思想が動機となって引き起こされました。ターゲットとなった企業はほぼすべてが大企業で、海外でも大々的に事業を展開する所ばかりでした。そのような企業を一方的に「帝国主義を支援している」と決めつけて、テロの対象としました

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連続企業爆破事件を題材とした作品は多い。ノンフィクション作品では、事件そのものや東アジア反日武装戦線に焦点を当てたものが出版されている。2017年には、『狼をさがして』という作品名の映画が韓国で制作された。出所した東アジア反日武装戦線の元メンバーに取材するなど、重厚な作品に仕上がっているぞ。

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