JREとJDKってあるよな。どちらもJava言語に関係する用語です。Javaをどういう立場で使うかによってどちらを使うか変わってくるぞ。この記事ではJREとJDKがどう違うか、Javaの仕組みやインストール、利用方法まで、プログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさんです。

JREとJDKの違いとは?

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JREとJDKとはなんでしょうか。どちらもJavaの構成要素を示すものです。簡単に言えば、Javaのプログラムを動かすために必要なもの1セットがJRE。JREはJava実行環境の英語表記である「Java Runtime Environment」の略です。

一方、Javaのプログラムを書くために必要なもの1セットがJDK。JDKはJava開発キットの英語表記である「Java Development Kit」の略です。

JRE:実行環境

世の中にはさまざまなプログラミング言語があります。例えば、C言語で作ったプログラムを動かすのに必要なものはそのプログラムだけ。しかしプログラムだけでは動かず、他にも色々必要な言語もあります。その1つがJavaです。Javaのプログラムの場合はプログラム以外の必要なものをあらかじめインストールしておく必要があります。それがJava実行環境と呼ばれるもので、その英語の略がJRE

なぜJREがあるのかはあとでJavaの仕組みとして説明しますが、まずはJREが必要ということを忘れないでください。

JDK:開発キット

Javaのプログラムを作る時には、専用のツールを使います。そのような開発ツール一式がJava開発キットで、英語の略でJDKです。Javaのプログラムを書くには必ずJDKが必要になります。あらかじめJDKをインストールしてください。JDKの中にはJREを含みます。そのため、JDKをインストールしたコンピュータにJREは不要です。

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Javaの仕組みを詳しく解説!

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Javaには実行環境であるJREと開発環境であるJDKがあります。それらがなぜ必要なのかをJavaの仕組みも含めて見ていきましょう。

Javaはどこでも動く?

Javaは1995年にサン・マイクロシステムズが公開しました。その後、オラクルが会社を買収したため、Javaもオラクルのものになりました。

Javaの特徴はいくつかありますが最大の特徴は1つのJavaプログラムがどこでも動くということです。例えば、Windows用のアプリケーションはWindowsでしか動きませんし、MacやiPhoneでは動きません。逆も同じです。しかし、JavaのプログラムはJavaの実行環境であるJREのあるところでならばそのまま動きます。Windows用やMac用、iPhone用、タブレット用を別々に作る必要がないのが最大の特徴です。

どこでも動くためのJVM

その「どこでも動く」ための要になるのがJava仮想マシン(Java Virtual Machine)と呼ばれるものです。Java仮想マシンはJVMと略します

WindowsパソコンやMac、iPhoneやスマホ、タブレットはそれぞれ仕組みが違うので、OSも違い、そこで動くプログラムも別物です。そのような違いを無くした仮想的な共通のものが仮想マシンで、Java用の仮想マシンがJava仮装マシン(JVM)になります。Javaのプログラムはその仮想マシンで動くようになっているので、元がWindowsパソコンでもスマホでも同じものが動くのです。

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JVMとAPIの組み合わせがJRE

Javaのプログラムが動くためにはJVMの他にライブラリというものが必要です。プログラムにはよく使う機能があります。例えばキーから入力されたものを読み取ることや、画面表示やファイルの読み書き。このようなよく使う便利な機能をまとめたものがライブラリです。

このライブラリは誰でも使えるように公開されている部分があり、それをJava APIと呼びます。よく使う機能をプログラム毎に内蔵すると無駄ですよね。そこでライブラリ自体はまとめておいて、それぞれのプログラムからそのライブラリを呼び出す部分がAPI。ライブラリとAPIはセットで動きます。

JVMとライブラリやAPIが揃うことでJavaプログラムが実行できるようになります。このセットが最初に紹介したJREです。

JREと開発ツールの組み合わせがJDK

ここまでの説明でJavaのプログラムを実行する仕組みを紹介しました。では、Javaエンジニアがプログラムを書くには他に何が必要でしょうか。Javaのプログラムを書くにはJava用の開発ツールが必要。それをひとまとめにしてインストールすれば使えるようにしたものがJava開発キット(JDK)です。

なお、実際にプログラムを書くために必要なテキストエディタはJDKには含まれないので、別に用意する必要があります。テキストエディタは様々なものがあるので、自由に選んで使うことができるように、JDKには含まれないのです。

JREやJDKの利用方法は?

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JREやJDKが何かわかったところで、これらを使うにはどうしたらよいでしょう。パソコンやスマホに最初からJREが入っている場合は何もしなくて良いですが、JREが入ってない場合もあります。その場合にはJREのインストールが必要です。

また開発キットであるJDKは入っていないことの方が多いので、Javaプログラムを作る場合にはJDKが必要。JDKをダウンロードしてインストールします。最初にも書きましたがJDKにはJREが含まれるので、JDKを入れる前に別にJREをインストールする必要はありません。

JREやJDKのインストール

JREやJDKはWindows用やmacOS用といった実際に使う環境毎にオラクルが公開しています。JavaのWebサイトからダウンロードして、画面の指示に従ってインストールをしてください。通常のアプリと同様にインストーラを使うことでJREやJDKをインストールできます。

JREやJDKのバージョン

Javaのバージョンを確認するにはいくつかの方法があります。一番簡単なのはWindowsであればスタートメニューのプログラムから「Java」を探して、その中にある「Javaについて」をクリックです。またはコントロールパネルからJavaコントロールパネルを呼び出し、バージョン情報のボタンをクリックでも同じ。Macの場合はシステム環境設定にJavaコントロールパネルがあります。

あるいはコマンドプロンプトやターミナルを開いて、「java --version」というコマンド実行でも同じです。

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OpenJDKとOracleJDKって何?

JavaのJDKについて調べるとOracke JDKとOpen JDKが出てきます。何が違うのでしょう?Javaを開発したサン・マイクロシステムズは普及のためにソースを公開しました。それがOpen JDK。そのOpen JDKを元にマイクロソフトやアマゾンなどの会社が自社用のOpen JDKを提供します。

Oracle JDKはオラクルが提供する公式JDKで、〇〇 Open JDKは〇〇社が自社利用者用に提供している独自JDK。どちらも基本的には同じですが、どこの会社がいつまでサポートしてくれるかが違います。Open JDKにはOracle Open JDKもあるので非常に紛らわしいです。Oracle JDKとOracle Open JDKはどちらもオラクルがサポートしますが、サポート期間が違います。Javaの勉強のために個人で使うにはAdopt OpenJDKが人気です。

Javaは有償なの?無償なの?

Javaの有償/無償は複雑です。Javaはオープンソースで全て公開されているので無償で利用できます。ただし、様々なパソコン、OS用にオラクルや他の会社から提供しているJREやJDKはサポート期間や有償/無償が異なります。同じオラクルでもバージョンによって考え方が異なるのです。

またJavaは半年に1度バージョンアップします。その中でも次のバージョンまでのサポートの短期サポート版と、長期サポート版(LTS)があります。2021年9月に公開のJava17はLTSでOracle SDKは無償。次のLTSが出るまではアップデートも提供されます。特に理由がなければJava17がおすすめ。中でもOracle JDKか無償で人気のあるAdopt OpenJDKがおすすめです。

それ以外のOracle JDKやOpen JDKを使う場合、ライセンスや有償サポートの必要性をよく確認する必要があります。

Javaを使うだけならJRE、開発するならJDK

ここまでJavaの仕組みを元に、JREとJDKの違いを見てきました。JavaはWindwosでもMacでもiPhoneでもスマホでも、どこでも動くことを目指して開発されたプログラミング言語です。そのためJavaプログラムを動かすための実行環境、JREが必要。また、Javaのプログラムを開発するために必要なのがJava開発キット、JDKです。

Javaを管理しているのはオラクル社ですが、他にも色々な会社が独自のJava(JRE,JDK)を提供しています。どれでも基本部分は共通で同じJavaプログラムが動きますが、違いはサポートの有無、有償/無償、サポート期間。自分の使い方に合わせてどこのJavaを使うかを決めましょう

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IT・プログラミング雑学

JREとJDKの違いとは?Javaの仕組みやインストール方法もプログラマーがわかりやすく解説

JREとJDKってあるよな。どちらもJava言語に関係する用語です。Javaをどういう立場で使うかによってどちらを使うか変わってくるぞ。この記事ではJREとJDKがどう違うか、Javaの仕組みやインストール、利用方法まで、プログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさんです。

JREとJDKの違いとは?

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JREとJDKとはなんでしょうか。どちらもJavaの構成要素を示すものです。簡単に言えば、Javaのプログラムを動かすために必要なもの1セットがJRE。JREはJava実行環境の英語表記である「Java Runtime Environment」の略です。

一方、Javaのプログラムを書くために必要なもの1セットがJDK。JDKはJava開発キットの英語表記である「Java Development Kit」の略です。

JRE:実行環境

世の中にはさまざまなプログラミング言語があります。例えば、C言語で作ったプログラムを動かすのに必要なものはそのプログラムだけ。しかしプログラムだけでは動かず、他にも色々必要な言語もあります。その1つがJavaです。Javaのプログラムの場合はプログラム以外の必要なものをあらかじめインストールしておく必要があります。それがJava実行環境と呼ばれるもので、その英語の略がJRE

なぜJREがあるのかはあとでJavaの仕組みとして説明しますが、まずはJREが必要ということを忘れないでください。

JDK:開発キット

Javaのプログラムを作る時には、専用のツールを使います。そのような開発ツール一式がJava開発キットで、英語の略でJDKです。Javaのプログラムを書くには必ずJDKが必要になります。あらかじめJDKをインストールしてください。JDKの中にはJREを含みます。そのため、JDKをインストールしたコンピュータにJREは不要です。

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