
違い3. それぞれの名前の由来とは?
実は、摂氏と華氏はどちらも、それぞれを考案した科学者の名前に由来するのです。ここでは、摂氏と華氏の発明者と、2つの温度表記がどのように誕生したのかについても解説していきます。摂氏と華氏は名前が似ていてややこしいですが、その由来を知ることで、頭に入りやすくなりますよ。
摂氏:発明者はアンデルス・セルシウス
摂氏は英語で、「degrees Celsius」と表され、これは摂氏を考案したスウェーデンの天文学者・測地学者である「アンデルス・セルシウス」から取ったもの。また、セルシウスは中国語で「摂爾修斯」と表記され、この最初の文字を取って「摂氏」としたのです。
セルシウスは1742年に、世界初の実用的温度計を提唱しました。しかし、この温度計は水の沸点を0度とし、水の融点を100度とし、現在のセルシウス温度計と逆の目盛りとしていたのです。その後、生物学者のカール・フォン・リンネらによって目盛りは水の融点を0度、沸点を100度へと改定しました。
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華氏:発明者はガブリエル・ファーレンハイト
華氏は英語で、「degrees Fahrenheit」と表され、これは華氏を提案したドイツの技術者・物理学者である「ガブリエル・ファーレンハイト」から取ったものと言われています。また、ファーレンハイトは中国語で「華倫海」と書くことができ、この最初の文字を取って「華氏」としたのです。
ファーレンハイトは1724年に、およそ10年かけて開発した水銀温度計を発表。この時、水ではなく塩化アンモニウム、氷、水の混合物でできた寒剤の融点を0度としていたのです。これは、日常生活で温度がマイナスで表記にならないようにするためだと言われています。
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摂氏と華氏の変換式とは?

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普段、使い慣れていない温度表記では感覚がつかみづらいですよね。そこで、ここでは摂氏から華氏、また華氏から摂氏への変換式についてご紹介します。慣れないうちは、これらの式で、使い慣れた温度表記で気温や体温を把握しておきましょう。
摂氏から華氏への変換
水の融点は、摂氏では0℃で、華氏では32℉でした。つまり華氏の数値が摂氏の数値より32高いことになります。また、摂氏の1℃は華氏1.8℉に当たるので、華氏の温度変化は摂氏の1.8倍ということになるのです。
これらを踏まえると、摂氏から華氏への変換式は以下のようになります。
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