
「穴子」と「ハモ」はウロコがなく皮膚呼吸
見た目が似ている3つの魚ですが、実は決定的な違いがあります。
「穴子」と「ハモ」はウロコがないため皮膚呼吸のみです。一方の「うなぎ」はウロコを持ち皮膚呼吸とエラ呼吸の両方を行えます。そのため、「穴子」と「ハモ」は陸上で生きられませんが、「うなぎ」は短時間なら陸上で生きられる魚です。
さらにもう一つ。「穴子」と「ハモ」は“海水魚”に対して、「うなぎ」は“淡水魚”ですが産卵の時にだけ海に出る回遊魚。つまり、「穴子」と「ハモ」は海で捕れるのに対し「うなぎ」は川で捕れるという大きな違いがあります。
「ハモ」は鋭い歯を持つ怖い顔
普通の魚よりも細長い体躯を持つ3種の魚ですが、「穴子」と「うなぎ」は“丸みのある優しそうな顔”をしています。ちなみに、この2つの違いは「うなぎ」は下あごが出ていること。対する「ハモ」は顔が長く、とがった口先と奥まで長く裂けた口元、非常に鋭い歯を持つなど他の2匹と比べ“怖い顔”です。
それぞれの体色にも目を向けてみましょう。「穴子」は茶色っぽい色をしています。「うなぎ」の”養殖もの”は背中が黒く腹側が白いですが、“天然もの”は全体的に茶色っぽく腹側が金色です。「ハモ」は緑色っぽい灰色をしています。
■穴子…ウロコがなく皮膚呼吸、陸上で生きられない。海水魚。
丸みのある優しい顔。体色は茶色っぽい。
■うなぎ…ウロコを持ち皮膚とエラ呼吸の両方、短時間なら陸上で生きられる。淡水魚(→回遊魚)。
丸みのある優しい顔(※下あごが出ている)。体色は養殖=背中が黒く腹は白、天然=前提的に茶色っぽく腹は金色。
■ハモ…ウロコがなく皮膚呼吸、陸上で生きられない。海水魚。
とがった口先と大きく裂けた口、鋭い歯を持つ怖い顔。体色は緑っぽい灰色。
「ウミウヘビ」や「ウツボ」など似た姿の生物

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長い体を持つ「うなぎ」たちですが、この3種のような姿の生物は他にもいます。そこでこちらでは、「ウミヘビ」や「ウツボ」など似た生き物について調べてみました。
ウツボ:海のギャング
「ウツボ」は漢字で「鱓」と書く魚です。ウナギ目ウツボ科に分類され、学名をMuraenidaeと言います。地方によって「ウツボ」は「うなぎ」とも呼ばれていますが、両者の見た目は全くと言ってもいいほど別物です。
体色は暗褐色や黒褐色などに淡い斑点が散らばり、それが身体全体に横縞模様を形成しています。丸みを帯びた「うなぎ」などに比べ、横から見るとヒラヒラとした体です。
口は大きくとがっており、鋭い歯を持つ怖い顔。そのうえ気性も荒く肉食のため「海のギャング」とも呼ばれています。主に日本の太平洋側で食用とされていますが、骨が強く、複雑に入り込んでいるため処理が大変な魚です。
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